まちの記憶を繋ぐ保存・再生 日本最古の現役映画館 改修工事 #Action|工学院大学
Source: https://note.kogakuin.ac.jp/n/n30b342111a75
Archived: 2026-04-23 17:22
まちの記憶を繋ぐ保存・再生 日本最古の現役映画館 改修工事 #Action|工学院大学
まちの記憶を繋ぐ保存・再生 日本最古の現役映画館 改修工事 #Action
工学院大学
2026年4月10日 13:00
豪雪地帯に位置し、古くから雁木(がんぎ)の町として知られる新潟県上越市高田地区。
ここに、地元の人々に愛されながら、全国の映画ファンを引き寄せてきた
日本最古の現役映画館「高田世界館」
があります。
高田世界館
高田世界館は1911年(明治44年)に開館し、国の登録有形文化財、近代化産業遺産にも認定されています。
開館から100年以上が経過する中で老朽化への対応が課題となり、「令和の大改修」と題した改修工事が進められてきました。
今回の改修では、その中心的な取り組みとして、
劇場のシンボルである天井装飾の本格的な補強作業が行われました。
直径約2.5メートル
天井中央の八角形部分には、源氏車の模様が漆喰で描かれている
歴史ある意匠を守りながら改修工事を行うためには、文化財としての価値を損なわない高度な技術が求められます。
こうした背景から、文化財修復の実績を持つ田村雅紀教授(建築学科)をはじめとするチームが本改修に携わることとなりました。
▼詳細はこちらの映像をご覧ください!
工事が終盤に差し掛かった2月19日、同館ではプレオープンイベントが開催されました。当日はトークショーや上映会が行われ、多くの来場者が生まれ変わった劇場を体感しました。
今回のnoteでは、イベント当日の様子をお届けします。
待ちわびたプレオープン
会場には地元の方々や県外から訪れた映画ファンが集まり、リニューアルされた高田世界館を一目見ようと賑わいを見せました。
はじめに、高田世界館 支配人の上野さんより挨拶があり、改修工事の概要が紹介されました。
高田世界館 支配人 上野迪音さん
外観を変えずに支える、漆喰天井の補強技術
続いて行われた田村教授によるトークショーでは、漆喰天井の補強に用いられた特許技術の紹介や、歴史ある建物を使い続ける意義についての話がありました。
田村雅紀教授
今回の改修で活用された特許技術は、
漆喰天井の外観には手を加えず、天井裏からの作業のみで強度を高めるものです。
漆喰天井の裏側に並ぶ板「木摺り」に、特殊な方法で樹脂を注入することで、木摺りと漆喰の接着部分を補強していきました。
木摺りの隙間部分に樹脂を注入しているようす
この技術により、
漆喰天井の美しい外観をそのまま残しながら、強度を大幅に高めることができました。
田村教授は、「少しずつ手を入れながら、懐かしい空気感を残して長く使い続けられる建物にしたい」と話し、改修工事に込めた想いを語りました。
改修工事後初の映画上映
トークショーの後には、短編映画『引かれ者の小唄』が上映されました。
スクリーンに映像が映し出されると、会場は静寂に包まれ、上映後には大きな拍手が送られました。
続いて、主演の松浦慎一郎さんと栗本慎介監督による舞台挨拶が行われました。
松浦さんは、
「今回初めて高田世界館を訪れたにもかかわらず、どこか懐かしさを感じ、この場所に積み重ねられてきた歴史を強く実感しました。自分の作品がこの映画館で上映されることを大変嬉しく思います」と話しました
。
(本記事冒頭の動画の映像制作には栗本監督が関わっており、松浦さんも出演しています)
左:松浦慎一郎さん
右:栗本慎介監督
「保存・再生」がつなぐ、建物の記憶
田村教授は、保存・再生の意義について次のように話しました。
「建物には、日々使い続けてきた人々の営みや、それを守ろうとしてきた専門家たちの努力といった“見えない情報”が残っています。保存・再生によって、そうした人々の生活や取り組みの歴史を感じることができます」
今回の高田世界館の改修もまた、建物に刻まれてきた記憶を受け継ぎながら、これからも人々に使われ続ける場所として再生する取り組みでした。
使われながら守り継がれてきた建物は日本全国に数多くあり、保存・再生は今後ますます重要になっていきます。
主な工事実施体制
・田村 雅紀(工学院大学 建築学科教授)
・岡 健太郎(工学院大学非常勤講師/職業能力開発総合大学校 助教)
・丸山 紘明(株式会社樹)
・中野 一敏(ナカノデザイン一級建築士事務所)
・田中 栄一(株式会社清水組)
・津村 泰範(長岡造形大学 建築・環境デザイン学科准教授)
・上野 迪音(高田世界館)
・岸田 國昭(特定非営利活動法人 街なか映画館再生委員会)
・後藤 治(工学院大学 総合研究所教授)
※記載内容は、改修工事実施当時(2026年2月時点)のものです。
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まちの記憶を繋ぐ保存・再生 日本最古の現役映画館 改修工事 #Action
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2026年4月10日 13:00
豪雪地帯に位置し、古くから雁木(がんぎ)の町として知られる新潟県上越市高田地区。
ここに、地元の人々に愛されながら、全国の映画ファンを引き寄せてきた
日本最古の現役映画館「高田世界館」
があります。
高田世界館
高田世界館は1911年(明治44年)に開館し、国の登録有形文化財、近代化産業遺産にも認定されています。
開館から100年以上が経過する中で老朽化への対応が課題となり、「令和の大改修」と題した改修工事が進められてきました。
今回の改修では、その中心的な取り組みとして、
劇場のシンボルである天井装飾の本格的な補強作業が行われました。
直径約2.5メートル
天井中央の八角形部分には、源氏車の模様が漆喰で描かれている
歴史ある意匠を守りながら改修工事を行うためには、文化財としての価値を損なわない高度な技術が求められます。
こうした背景から、文化財修復の実績を持つ田村雅紀教授(建築学科)をはじめとするチームが本改修に携わることとなりました。
▼詳細はこちらの映像をご覧ください!
工事が終盤に差し掛かった2月19日、同館ではプレオープンイベントが開催されました。当日はトークショーや上映会が行われ、多くの来場者が生まれ変わった劇場を体感しました。
今回のnoteでは、イベント当日の様子をお届けします。
待ちわびたプレオープン
会場には地元の方々や県外から訪れた映画ファンが集まり、リニューアルされた高田世界館を一目見ようと賑わいを見せました。
はじめに、高田世界館 支配人の上野さんより挨拶があり、改修工事の概要が紹介されました。
高田世界館 支配人 上野迪音さん
外観を変えずに支える、漆喰天井の補強技術
続いて行われた田村教授によるトークショーでは、漆喰天井の補強に用いられた特許技術の紹介や、歴史ある建物を使い続ける意義についての話がありました。
田村雅紀教授
今回の改修で活用された特許技術は、
漆喰天井の外観には手を加えず、天井裏からの作業のみで強度を高めるものです。
漆喰天井の裏側に並ぶ板「木摺り」に、特殊な方法で樹脂を注入することで、木摺りと漆喰の接着部分を補強していきました。
木摺りの隙間部分に樹脂を注入しているようす
この技術により、
漆喰天井の美しい外観をそのまま残しながら、強度を大幅に高めることができました。
田村教授は、「少しずつ手を入れながら、懐かしい空気感を残して長く使い続けられる建物にしたい」と話し、改修工事に込めた想いを語りました。
改修工事後初の映画上映
トークショーの後には、短編映画『引かれ者の小唄』が上映されました。
スクリーンに映像が映し出されると、会場は静寂に包まれ、上映後には大きな拍手が送られました。
続いて、主演の松浦慎一郎さんと栗本慎介監督による舞台挨拶が行われました。
松浦さんは、
「今回初めて高田世界館を訪れたにもかかわらず、どこか懐かしさを感じ、この場所に積み重ねられてきた歴史を強く実感しました。自分の作品がこの映画館で上映されることを大変嬉しく思います」と話しました
。
(本記事冒頭の動画の映像制作には栗本監督が関わっており、松浦さんも出演しています)
左:松浦慎一郎さん
右:栗本慎介監督
「保存・再生」がつなぐ、建物の記憶
田村教授は、保存・再生の意義について次のように話しました。
「建物には、日々使い続けてきた人々の営みや、それを守ろうとしてきた専門家たちの努力といった“見えない情報”が残っています。保存・再生によって、そうした人々の生活や取り組みの歴史を感じることができます」
今回の高田世界館の改修もまた、建物に刻まれてきた記憶を受け継ぎながら、これからも人々に使われ続ける場所として再生する取り組みでした。
使われながら守り継がれてきた建物は日本全国に数多くあり、保存・再生は今後ますます重要になっていきます。
主な工事実施体制
・田村 雅紀(工学院大学 建築学科教授)
・岡 健太郎(工学院大学非常勤講師/職業能力開発総合大学校 助教)
・丸山 紘明(株式会社樹)
・中野 一敏(ナカノデザイン一級建築士事務所)
・田中 栄一(株式会社清水組)
・津村 泰範(長岡造形大学 建築・環境デザイン学科准教授)
・上野 迪音(高田世界館)
・岸田 國昭(特定非営利活動法人 街なか映画館再生委員会)
・後藤 治(工学院大学 総合研究所教授)
※記載内容は、改修工事実施当時(2026年2月時点)のものです。
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