「黄色は裏切りの色だった?」「伝統と多様性は共存できる?」 ― 学生たちの卒業研究(文学部国際文化学科)Vol.2 ―|Highlights|成蹊大学
Source: http://www.seikei.ac.jp/university/highlights/2026/20701.html
Archived: 2026-04-23 17:11
「黄色は裏切りの色だった?」「伝統と多様性は共存できる?」 ― 学生たちの卒業研究(文学部国際文化学科)Vol.2 ―|Highlights|成蹊大学
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「黄色は裏切りの色だった?」「伝統と多様性は共存できる?」 ― 学生たちの卒業研究(文学部国際文化学科)Vol.2 ―
2026年03月12日
PICK UP!
アイルランド文化を世界とつなぐ
St. Patrick's Festival !
― なぜここまで広がったのか ―
3月17日。アイルランド全土が緑に染まる
St. Patrick's Day
。 5世紀にアイルランドへキリスト教をもたらしたとされる 聖パトリックを記念する祝日で、シャムロック(アイルランドの象徴)を身につけ、緑のパレードが行われます。
この祝祭はいつしか海を越え、世界各地で独自の進化を遂げた文化イベントとなりました。
今回は、「
伝統文化
」と「
異文化共生
」の
共存可能性
に注目し、St. Patrick's Festival の歴史的発展を追った学生の卒業研究をご紹介します。
●研究の内容
☘宗教的祝祭としての St. Patrick's Day
留学先のアイルランドで撮影した
St. Patrick's Festivalの様子
聖パトリックはアイルランドにキリスト教文化を根づかせた人物で、シャムロックを三位一体の象徴として教義を説いた国民的信仰の象徴的存在です。 St. Patrick's Day は聖パトリックを称えるため、 9世紀には宗教的祝祭日として記録され、信仰と民族的結束を象徴する日へと発展していきました。
☘海を渡り変容した祝祭
― アメリカでの再構築
留学先での一コマ
17世紀以降、アイルランド移民はアメリカへ渡り、1760年代には ニューヨークで St. Patrick's Day の
小規模パレード
が開催されるように。 19世紀になると移民の社会的地位向上とともに、宗教的要素 → 移民コミュニティのアイデンティティ表明の場へと機能が変わり、
アイルランドとは異なる文化形態
へ発展。
大規模なパレード
が開催されるまでになりました。
☘逆輸入されたパレード
― アイルランド本国での再定義
研究に使用した文献の一部
アメリカで大規模化した St. Patrick's Day のパレードは、1931年に アイルランドの首都ダブリンで
初めて公式パレード
として採用されます。1996年には国策として
大規模フェスティバル化
し、観光・文化ブランディングの柱として位置づけられました。 St. Patrick's Festival は、
アメリカで再構築 → アイルランドへ逆輸入 → 国家戦略
へ
というユニークな文化循環をたどっています。
☘世界へ広がる St. Patrick's Festival
― 多様化する祝祭のかたち
現在 St. Patrick's Dayでは、世界40か国以上で大規模なイベントが開催されています。国や地域によって特色はさまざまです。
アメリカ
伝統や宗教性を重視しつつも多様なコミュニティの政治的・社会的主張の場へ
アイルランド
政府主導の観光資源として発展
日本
市民主体の文化交流イベントとして定着
一方で、本来の宗教性や文化的意味が希薄化することで「
伝統文化の商業化
」を懸念する声もあり、文化の"意味"を問い直す契機にもなっています。
☘St. Patrick's Festival は
伝統と多様性を両立できるのか?
学生は、アイルランドが「移民を送り出す国 → 受け入れる国」へ変化した歴史に注目。 その結果 St. Patrick's Festival は、「
多文化と共存しながら、自国文化を更新し続ける祝祭
」 へと変容していると考察します。 研究では異文化共生と文化存続のヒントとして次の3点を提示しました:
卒論報告会での資料
☘開かれた文化性
―誰もが参加しやすい祝祭であること
☘本来的意義の共有と価値観の多層性
―形は変わっても「根底にある意義」を共有すること
☘主催から参加にわたる交流密度の高さ
―人々が直接関わることで文化理解が深まること
これは、現代社会における文化の継承と異文化共生のモデルケースとなるのではないでしょうか。
●研究のきっかけ
アイルランドのSt. Patrick's Festivalで見かけた
米国国旗
アイルランド留学中に参加した St. Patrick's Festival。
宗教的要素に加え、国旗・LGBTQ+など多様なシンボルが並ぶ様子を見て、 「これは
伝統の消失
か? それとも
文化の更新
なのか?」 という問いが生まれたことが研究の原点となりました。
●研究を終えて
史料が限られた地域の調査は容易ではなく、比較研究として扱う都市を絞る必要もありました。 それでも、各国の祝祭の"かたち"が大きく異なることに触れ、
文化が土地ごとに再構築され続ける面白さ
を実感したと学生は語ります。
卒業論文タイトル
「アイルランドの異文化共生と文化存続―St. Patrick's Festivalの比較から―」
著者:安齋桜子(文学部国際文化学科4年)
所属:日尾野ゼミ
「黄色は裏切りの色だった?」「伝統と多様性は共存できる?」 ― 学生たちの卒業研究(文学部国際文化学科)Vol.1 ―
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国際文化学科では毎年、各ゼミから代表者が研究成果を発表する「卒業論文報告会」を開催しています。 本記事では、2025年度の報告会から2名の研究をピックアップし掲載しています。
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― なぜここまで広がったのか ―
3月17日。アイルランド全土が緑に染まる
St. Patrick's Day
。 5世紀にアイルランドへキリスト教をもたらしたとされる 聖パトリックを記念する祝日で、シャムロック(アイルランドの象徴)を身につけ、緑のパレードが行われます。
この祝祭はいつしか海を越え、世界各地で独自の進化を遂げた文化イベントとなりました。
今回は、「
伝統文化
」と「
異文化共生
」の
共存可能性
に注目し、St. Patrick's Festival の歴史的発展を追った学生の卒業研究をご紹介します。
●研究の内容
☘宗教的祝祭としての St. Patrick's Day
留学先のアイルランドで撮影した
St. Patrick's Festivalの様子
聖パトリックはアイルランドにキリスト教文化を根づかせた人物で、シャムロックを三位一体の象徴として教義を説いた国民的信仰の象徴的存在です。 St. Patrick's Day は聖パトリックを称えるため、 9世紀には宗教的祝祭日として記録され、信仰と民族的結束を象徴する日へと発展していきました。
☘海を渡り変容した祝祭
― アメリカでの再構築
留学先での一コマ
17世紀以降、アイルランド移民はアメリカへ渡り、1760年代には ニューヨークで St. Patrick's Day の
小規模パレード
が開催されるように。 19世紀になると移民の社会的地位向上とともに、宗教的要素 → 移民コミュニティのアイデンティティ表明の場へと機能が変わり、
アイルランドとは異なる文化形態
へ発展。
大規模なパレード
が開催されるまでになりました。
☘逆輸入されたパレード
― アイルランド本国での再定義
研究に使用した文献の一部
アメリカで大規模化した St. Patrick's Day のパレードは、1931年に アイルランドの首都ダブリンで
初めて公式パレード
として採用されます。1996年には国策として
大規模フェスティバル化
し、観光・文化ブランディングの柱として位置づけられました。 St. Patrick's Festival は、
アメリカで再構築 → アイルランドへ逆輸入 → 国家戦略
へ
というユニークな文化循環をたどっています。
☘世界へ広がる St. Patrick's Festival
― 多様化する祝祭のかたち
現在 St. Patrick's Dayでは、世界40か国以上で大規模なイベントが開催されています。国や地域によって特色はさまざまです。
アメリカ
伝統や宗教性を重視しつつも多様なコミュニティの政治的・社会的主張の場へ
アイルランド
政府主導の観光資源として発展
日本
市民主体の文化交流イベントとして定着
一方で、本来の宗教性や文化的意味が希薄化することで「
伝統文化の商業化
」を懸念する声もあり、文化の"意味"を問い直す契機にもなっています。
☘St. Patrick's Festival は
伝統と多様性を両立できるのか?
学生は、アイルランドが「移民を送り出す国 → 受け入れる国」へ変化した歴史に注目。 その結果 St. Patrick's Festival は、「
多文化と共存しながら、自国文化を更新し続ける祝祭
」 へと変容していると考察します。 研究では異文化共生と文化存続のヒントとして次の3点を提示しました:
卒論報告会での資料
☘開かれた文化性
―誰もが参加しやすい祝祭であること
☘本来的意義の共有と価値観の多層性
―形は変わっても「根底にある意義」を共有すること
☘主催から参加にわたる交流密度の高さ
―人々が直接関わることで文化理解が深まること
これは、現代社会における文化の継承と異文化共生のモデルケースとなるのではないでしょうか。
●研究のきっかけ
アイルランドのSt. Patrick's Festivalで見かけた
米国国旗
アイルランド留学中に参加した St. Patrick's Festival。
宗教的要素に加え、国旗・LGBTQ+など多様なシンボルが並ぶ様子を見て、 「これは
伝統の消失
か? それとも
文化の更新
なのか?」 という問いが生まれたことが研究の原点となりました。
●研究を終えて
史料が限られた地域の調査は容易ではなく、比較研究として扱う都市を絞る必要もありました。 それでも、各国の祝祭の"かたち"が大きく異なることに触れ、
文化が土地ごとに再構築され続ける面白さ
を実感したと学生は語ります。
卒業論文タイトル
「アイルランドの異文化共生と文化存続―St. Patrick's Festivalの比較から―」
著者:安齋桜子(文学部国際文化学科4年)
所属:日尾野ゼミ
「黄色は裏切りの色だった?」「伝統と多様性は共存できる?」 ― 学生たちの卒業研究(文学部国際文化学科)Vol.1 ―
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