1591年、日本は台湾との朝貢関係を求める書簡を届けるため、使節を派遣した。しかし、書簡を渡すべき支配者を見出すことができず、使節は帰国した。1609年には、日本の遠征隊が台湾の調査のために派遣されたが、台湾原住民の襲撃を受けたため、数名を捕虜として連行した。1616年には、13隻からなる日本艦隊が台湾へ派遣されたが、暴風雨のため到達できたのは1隻のみであり、その船も日本へ引き返したと推定されている[24]。

17世紀前半になると、ポルトガルやスペイン、オランダなどの西洋諸国が台湾に進出し、キリスト教の教会や赤崁楼に代表される洋風の赤レンガ建築を多く建設した。抵抗する原住民もいたが、何度か虐殺された。
1624年、オランダ東インド会社は、現在の台南沿岸の小島にゼーランディア城を建設した[27]。低地部には11の原住民による首長国が存在し、その一部は大肚王国を含めてオランダの支配下に入った[27][28]。オランダ人が到来した時点で、台湾南西部にはすでに約1,500人の一時滞在をする中国人主体の集団が頻繁に往来していた[29]。東インド会社は中国人農民に対し、オランダ支配下の土地への移住と耕作を奨励し、その結果、1660年代までに島内には約3万〜5万人の中国人が居住するようになった[30]。農民の大多数は、米を自給用に、砂糖を輸出用に栽培していた一方で、一部の移民は輸出目的でシカ狩りに従事していた[32][33][34]。
1626年、スペイン帝国は交易拠点として台湾北部を占拠し、まず基隆に進出し、1628年には淡水区に紅毛城を建設した[35][36]。この植民地は、1642年に最後のスペイン要塞がオランダ軍によって陥落するまで続いた。その後、オランダ軍は南下し、西部の平原に存在した数百の村を征服した。

1642年にはオランダがスペインを追い出し[38]、台湾はオランダ統治下となった。オランダ文化を中心に西洋文化を取り入れ、現金経済が導入されるなどした。なお、この頃の日本では台湾は「高山国」として知られ、江戸時代には出兵もあったが失敗に終わっている。
1644年に北京で明が滅亡すると、鄭成功は永暦帝に忠誠を誓い、中国南東沿岸において清に対する攻撃を開始した[39]。1661年、清の圧力が強まる中で、鄭成功は拠点であった厦門から台湾へと軍を移動させ、翌年にはオランダ勢力を駆逐した。1662年、漢人の鄭成功は台湾のオランダの植民者たちを追放し、台湾島を南明(明朝再興派)の拠点とし、台湾初の漢人政権である東寧王国を樹立した。オランダは1664年に基隆の北部要塞を奪還したものの、原住民の抵抗に直面し、1668年には台湾から撤退した[40][41]。
鄭氏政権は東寧王国として知られ、滅亡した明への忠誠を宣言していたが、実際には独立して統治を行っていた[42][43][45]。しかし、鄭経が三藩の乱に参加するため中国本土へ帰還したことにより、清による台湾侵攻および1683年の占領へのきっかけとなった[46][47]。

1683年には、鄭成功の孫が施琅提督率いる艦隊に敗北したのを受け、漢民族王朝の明の後継王朝である満洲民族の清は、台湾を統治下に置く。そして、福建省台湾府、台湾県、鳳山県、諸羅県を設置した[48]。この際、鄭氏政権下で行政の中心であった所在地(現在の台南)を府城として引き続き首府とした。1662年から19世紀にかけて、中国大陸から多くの漢人が台湾島へ移住した。その結果、漢人の人口は増加し、原住民の総数を超えて台湾の過半数を占める民族集団となった。仏教や道教、中華料理、繁体字といった中華文化も、この時期に台湾へ持ち込まれていた[52]。
清朝政府は、統治期間を通じて台湾への移住を制限しようとした。これは、台湾が人口過多になると紛争を招くと考えていたためである。台湾への渡航は許可制となり、家族の帯同を禁止するなどした[48]。東寧王国滅亡後、台湾にいたその住民の大半は中国本土へ送還され、公式な人口は兵士1万人を含めてわずか5万人にとどまった。公式には移住制限が設けられていたにもかかわらず、台湾当局は本土からの入植者を募り、1711年までには毎年数万人規模の渡航者が流入するようになった。1712年には許可制度が公式に記録されているが、この制度は1684年の早い時期から存在していたとされる。その内容は、本土に財産を有する者、台湾に親族がいる者、妻子を同伴しない者のみ入境を認めるといった制限を含んでいた。男性移民の多くは、現地の台湾原住民族の女性と結婚した。18世紀を通じて、これらの制限は次第に緩和され、1732年には家族単位での台湾移住が認められた。1811年までには、台湾には200万人を超える漢人入植者が居住するようになり、砂糖や米の生産が利益を生む産業として発展し、中国本土への輸出が行われた[55]。1875年には、台湾への入境制限が撤廃された。

名目上は3県が西部平原全域を管轄していたが、実際の統治はより限定された地域にとどまっていた。入植者が大甲渓を越えて進出するには、政府の許可が必要であった。18世紀を通じて、違法な越境や定住が続いた結果、清の行政支配は次第に西部平原一帯へと拡大していった。清は、台湾の台湾原住民族を、漢文化を取り入れた同化原住民と、これを取り入れてないしていない非同化原住民に分類した。清は彼らに対して、統治や服属を積極的に進めることはほとんどなかった。台湾編入時、清の支配下にあった原住民の村は46に過ぎず、これは東寧王国から引き継がれたものであったとされる。乾隆帝治世初期には、同化原住民の集落が93、非同化原住民の集落が61あり、これらは租税を納めていた。1722年の朱一貴(中国語版)の乱に対応して、原住民と入植者を分離する方針が正式な政策とされ、境界線を示す54基の石碑が設置された。入植者の侵入が続いたため、18世紀後半にはこの境界標識が4度にわたって変更された。1766年には北と南にそれぞれ一人ずつ原住民事務副知事が任命された。
台湾における約200年に及ぶ清朝統治下の間、平埔族は政府に対して反乱を起こすことは稀であり、山地の原住民族は清朝末期の最後の20年間を除いて、ほぼ放任されていた。清代に発生した100件を超える反乱の大半は、林爽文事件のように、漢人入植者によるものであった[62]。その頻発ぶりは、「三年に一度蜂起、五年に一度反乱」(三年一反、五年一亂)という俗諺によって表現されており、主に1820年から1850年の時期を指して用いられた[63][64][65]。
19世紀を通じて、台湾に駐在した多くの官僚は、積極的な植民政策を求めていた。1788年、台湾府知府の楊廷理は、クバラン族が保有していた土地の取得を目指した入植者の呉沙の活動を支持した。1797年には、呉沙は地方政府の財政的支援を受けて入植者を募ることに成功したが、その土地を正式に登記することはできなかった。19世紀初頭になると、地方官僚は、その土地を放置すれば海賊問題が深刻化すると強調することで、皇帝を説得し、当該地域を正式に編入させた。1814年には、一部の入植者が原住民の土地を賃借する権利を捏造して台湾中部の開拓を試みたが、2年後に政府軍によって立ち退かされた。地方官僚は引き続き当該地域の開拓を主張したものの、これらの意見は反映されなかった。

1874年、日本が台湾南部の原住民地域に侵攻し、清朝政府が撤退のために賠償金の支払いを強いられたことを受けて、清はより積極的な植民政策を採用するようになった。台湾の行政機構は、新たな府・直隷州・県の設置によって拡充され、台湾内部へのアクセスを容易にするために山地に道路が建設された。1875年には台湾への渡航制限が撤廃され、本土には入植者募集のための機関が設けられたが、入植を促進する取り組みはまもなく終息した。1884年には、清仏戦争の過程で台湾北部の基隆が占領されたが、フランス軍はそれ以上内陸へ進出することはできなかった。一方、1885年の澎湖諸島での勝利は、疫病の流行を招き戦争終結とともにまもなく撤退する結果となった。その後、劉銘伝の下で植民事業が再開された。1887年には、台湾の地位は福建台湾省へと昇格し、1893年には台北が恒久的な省都となった。劉は台湾産品からの歳入増加を図ったが、課税強化に反対する外国勢力の圧力によって妨げられた。土地改革が実施され、歳入は増加したものの、依然として期待を下回る水準にとどまった。劉の統治下では、電灯、鉄道、電信線、汽船輸送、工業機械といった近代技術が導入されたが、これらの事業の中には成果が限定的なものもあった。原住民を正式に服属させるための軍事行動は、原住民の激しい抵抗により、軍の3分の1を失う結果に終わった。こうした高コストな政策に対する批判を受け、劉は1891年に辞任した。
清朝末期までに、西部平原は約250万人の漢人入植者によって農地として全面的に開発された。一方、山間部は依然として清朝の実効支配下でなく、原住民族の支配の下で概ね自治のような状態が保たれていた。清清朝統治時代の大部分において、国家主導の土地剝奪は行われなかったため、原住民族の土地喪失は比較的緩やかな速度で進行した。

日清戦争における清の敗北を受け、台湾とその附属諸島ならびに澎湖諸島は、1895年の下関条約によって日本に割譲された[78]。清の臣民であり続けることを望む住民は、2年間の猶予期間内に中国本土へ移住しなければならなかったが、これを現実的と考える者はほとんどいなかった[79]。推計によれば、猶予期間満了前に約4,000〜6,000人が台湾を離れ、その後の混乱期にはさらに20万〜30万人が移動したとされる。1895年5月25日、清朝支持派の高級官僚らは、迫り来る日本統治に抵抗するため台湾民主国の成立を宣言した。日本軍は台南の首府に入城し、1895年10月21日にこの抵抗を鎮圧した[82]。初期の戦闘で約6,000人が死亡し、日本統治初年にはさらに約14,000人が死亡した。占領後も台湾に残った現地人に日本国籍を与えられ、同化政策が進められた。なお、山岳原住民は人ではない「蛮族」として半動物に分類され、財産権はなく、辺鄙な地域に移動させられた。1898年から1902年にかけては、さらに約12,000人が「匪族」として殺害された[85]。その後も日本統治に対する激しい抵抗運動が見られ、1907年の北埔事件、1915年のタパニー事件、1930年の霧社事件が発生したが、いずれも鎮圧されたものの、日本支配に対する抵抗が存在したことを示すものであった。また、神社や和風の木造建築が建設された[86][87][88]。

日本統治時代は、鉄道やその他の交通網の拡充、広範な衛生システムの整備、正式な教育制度の確立、ならびに首狩りの慣行の終焉を通じて、島の工業化に決定的な役割を果たした[89][90]。台湾の資源は日本の発展を支援するために利用され、砂糖などの商品作物の生産は大幅に増加した。その結果、広大な土地が稲作から転用された。1939年までに、台湾は世界第7位の砂糖生産地となった[92]。
台湾では、閩南語(狭義の台湾語)、客家語、原住民諸語など、様々な言語が存在していたが、日本統治時代には日本語教育が行われ、日本語が共通言語として浸透した。その一方で、日本語が生活言語となることはなかった[93][94]。
漢人および先住民族は三等市民として分類され、多くの権威ある政府および企業の役職は、彼らに対して閉鎖的であった。統治開始10年間で漢人ゲリラを鎮圧した後、日本当局は山岳地帯に居住する先住民族に対して流血を伴う討伐を展開し、1930年の霧社事件なども発生した[96]。左翼運動に参加した知識人や労働者も逮捕され、殺害された(例:蔣渭水、渡辺政之助)[97]。
1921年1月、台湾の名望家である林献堂らをはじめとする台湾住民が、台湾住民から選出された議員によって構成される「台湾議会」の設置を求める請願書を帝国議会に提出した。このような「台湾議会設置運動」は1934年までに全15回に渡って行われ、1935年、台湾に地方自治制が導入された[98]。
1935年頃から、日本は全島規模の皇民化運動を開始した[99]。台湾語の新聞および教育課程は廃止され、台湾の音楽や演劇は禁じられた。伝統的な台湾の信仰を抑圧する一方で、国教としての国家神道が推進された。1940年以降、日本式の姓を採用することも求められたが、1943年までにこれを行ったのはわずか2%にとどまった[99]。1938年までに、台湾には30万9,000人の日本人が居住していた[100]。
第二次世界大戦中、台湾は海軍および航空基地として開発が進められる一方で、農業・工業・商業は打撃を受けた。台湾からは空襲やその後のフィリピン侵攻が行われ、大日本帝国海軍は台湾の港湾を重用するなど、日本軍の南進の拠点となり、大きな役割を果たした。また、海軍の戦略思想機関である「南方攻撃本部」は台北帝国大学に置かれていた。高雄や基隆といった軍事基地・工業中心地は、連合国による爆撃の主要目標となり、日本統治時代に建設された工場・ダム・交通施設の多くが破壊された[103]。1944年10月には、台湾周辺でアメリカ空母部隊と日本軍との間で台湾沖航空戦が行われた。20万人以上の台湾出身者が日本軍に従軍し、3万人以上が死傷した[104]。また、1,000~2,000人の台湾人女性が慰安婦になったとされる[105][106]
1943年のカイロ宣言では台湾(台湾島・澎湖諸島)を「日本が清から盗取した、中華民国に返還すべき地」と定めていた。1945年8月14日、日本の昭和天皇が終戦の詔書を発表して無条件降伏を宣言し、第二次世界大戦は終結した。日本代表は9月2日に降伏文書に署名した[108]。連合国軍最高司令官であるマッカーサーが発した軍事命令の一般命令第一号では、「中国(満洲を除く)、台湾、ならびに北緯16度以北の仏領インドシナ(現在のベトナム北部およびラオス)に所在する日本軍の高級司令官およびすべての陸・海・空軍ならびに付属部隊は、蒋介石将軍に降伏すべきである」と規定された。これに基づき、蔣介石によって陳儀が派遣され、10月25日に台湾において在台日本軍の降伏を受諾させ、中華民国国民政府が連合国を代表して台湾を接収した[109][110][111][112][113][114]。さらに蒋介石は、陳儀を台湾省行政長官公署行政長官に任命した[115]。台湾総督府は解散させられ、台湾島と澎湖諸島を合わせて「台湾省」として中華民国に編入された(台湾光復)[116][117][118]。
当初、台湾住民は中華民国による統治の復帰と三民主義に大きな期待を寄せ、国民党の台湾進出を歓迎したが、国民党は外省人として高官職を独占することで本省人である台湾住民を支配し[119]、また本土で中華民国憲法が制定された後も地方選挙が延期され続けたこと、島外への貴重品の密輸、企業の接収による国営独占の拡大、そして1945年から1949年にかけてのハイパーインフレーションなどの理由で次第に不満を募らせていった[120]。さらに、国民党は市民に賄賂を要求するなど腐敗しきっていた[123]。このように新たな統治者である国民党政権への不満から「犬去りて、豚来たる」(獰猛で騒がしい番犬(日本)が去り、食べるだけで何もしない豚(国民党)がやって来たという皮肉)という言葉が流行った[123]。1947年2月27日、外省人による闇タバコ売りの強引な取締りにより無関係の台湾人が殺害されたことをきっかけとして、翌28日に台湾全土で抗議が広がったが、デモ隊が武力によって鎮圧され多数の死傷者が出た[124]。この事件は二・二八事件として知られ[125][126]、犠牲者数についての一般的な推計は、18,000人から30,000人の範囲とされている[129]。その後、陳儀は魏道明と交代させられ、魏は多くの住民を再任用し、国有化された企業の再民営化を進めることで、失政を是正しようと努めた。戒厳令下では、二・二八事件は語ることのできないタブーとされ、多くの台湾人が沈黙に徹した[124]。さらにこの事件は本省人と外省人との間の深刻な対立関係や台湾社会の分断(省籍矛盾)が深まるきっかけにもなった[131]。
1949年5月に台湾で施行された戒厳令は[132]、1987年まで継続され[132][133]、政治的反対派を抑圧するために用いられた。いわゆる白色テロの時代には、国民党に反対的、あるいは共産主義者であると認識されたことを理由に、14万人が投獄または処刑された[134]。外省人を中心とした中華民国による権威主義的な台湾統治によって、本省人による外省人への反感を生み出すと、1980年代の反国民党運動や民主進歩党の結成に繋がるとともに、政治体制の民主化を推し進める原動力となったと考えられている[131]。
一方で、中華民国政府は1949年に第二次国共内戦で中国共産党に敗れ、共産党によって中華人民共和国が成立すると、ほとんどの大陸の領土を失って台湾の台北に移転した[135]。このとき、人口600万であった台湾に90万人の外省人が流れ込んでいる[136][137]。1951年のサンフランシスコ講和条約では、中華人民共和国・中華民国いずれも招かれず、日本は台湾と澎湖諸島の全ての権利を放棄するとしただけで返還先は明示しない形となった[137]。
アメリカ合衆国は、1951年から1965年にかけて国民党政権に対し多額の援助を行い[138]、この援助により、1952年までに台湾の物価が安定した[139]。経済発展は、アメリカの援助や中国農村復興連合委員会(中国語版)などの計画によって促進され、これにより農業部門は後の成長の基盤となった。国民党政権による土地改革と農業開発計画の相乗効果により、1952年から1959年にかけて農業生産は年平均4%の成長を遂げた[140]。政府はまた、輸入代替工業化政策を実施し、輸入品を国内で生産しようと試みた[141]。この政策は、繊維産業、食品産業などの労働集約型産業の発展を促進した[142]。
1960年代から1970年代にかけて、国民党による党国体制の下で、権威主義的な一党支配体制を維持する一方、経済面では工業化・技術発展が進んだ[143]。この急速な経済成長は、いわゆる台湾の奇跡として知られ、農業、軽工業、重工業の順で優先順位をおく戦略のもとで達成された。輸出志向型工業化は、輸出に対する税還付、輸入規制の撤廃、複数為替レート制から単一為替レート制への移行、そして新台湾ドルの切り下げによって実現された[145]。十大建設として知られる中山高速公路、台湾桃園国際空港、台中港、台湾第一原子力発電所などのインフラ整備が進められ、台湾南部では鉄鋼、石油化学、造船産業が台頭した。その結果、高雄は台北に並ぶ直轄市へと発展した。 1970年代には、台湾はアジアで2番目に高い成長率を誇る経済圏となった[147]。実質GDP成長率は平均で10%を超えた[148]。1978年には、税制優遇と安価で高度に訓練された労働力を背景に、華僑、アメリカ合衆国、日本から19億ドルを超える投資を呼び込んだ。1980年までに、対外貿易額は年間390億ドルに達し、4,650万ドルの貿易黒字を計上した。香港、シンガポール、韓国と並び、台湾はアジア四小龍の一つとして知られるようになった。
1971年10月25日、国連における中国の議席はアルバニア決議によって中国共産党の中華人民共和国へ継承されることになり、中華民国政府はこの決議に抗議して国連から脱退した。この決議によれば、中華民国の「中国を代表する資格」は中華人民共和国に継承されたが、「中華民国の領土」や「台湾の帰属」に関しては何の法的結論も出さないとされた[150][151][152]。しかし、中華人民共和国側は一つの中国方針に基づき、「アルバニア決議で中華人民共和国が中華民国の立場を継承した。さらにカイロ宣言に基づいて台湾は日本から中華民国に返還されたのだから、台湾全域は中華人民共和国の台湾省である」と歪曲して主張している[153][154]。ここから発生した台湾と中国の間の論争を総じて「台湾問題」と呼ぶ。
1970年代の台湾では、郷土文学運動が起こり、台湾意識に関する議論が活発化するとともに、党外運動(中国語版)が活発化した[155]。70年代から80年代にかけて活発な議論を行うため、政府当局の圧力を受けながらも多種多様な党外雑誌が発行された[155]。1986年9月、国立台湾大学新聞社が「審稿制度」(大学の刊行物に対する事前検閲・刊行規制制度)違反を問われ、関係者が懲戒処分となる。すると、学生は「自由の愛」と呼ばれる結社を結成し、学生らは大学の自治と思想の自由による大学改革を求め、自由化運動へと発展した(自由の愛運動(中国語版))[156]。その後1987年に審稿制度は緩和され、国民党の出先機関である校園党部組織は廃止され、運動はその後、長らく改選されていなかった立法院改革を求める政治運動へと変化していく[156]。さらに1990年3月16日、台湾大学の学生が中正記念堂で民主化を求めて座り込みを実施した[156][157]。その後、世論の注目を集め、座り込み参加者は200名を超えた(三月学運)[156]。李登輝総統は自ら視察に訪れ、改革を約束するとともに家や学校へ戻るよう促した[156]。制度面では、1987年に台湾省戒厳令が解除され[158]、1996年に中華民国総統選挙を直接選挙へ移行するなど台湾の民主化が進み、2000年には初の政権交代が実現した[159]。
台湾民主化以降、本土派や民進党の勢力も急速に強まり、台湾では自分を中国人ではなく台湾人と認識するアイデンティティが強まっている[160][161][162][163][164][165]。一方、国家選択については、独立志向が増加傾向にあるものの、全体としては現状維持が多数派となっている[166][167]。
その後も自分を「台湾人」と認識するアイデンティティは強まり続け、「中国人」、「中国人かつ台湾人」という認識は減少し続けている[168]。2014年3月、中国との経済的結びつきを強める海峡両岸サービス貿易協定に抗議し、学生らが立法院を占拠したことを契機とした学生運動(ひまわり学生運動)が発生する[169]。この運動の背景としても台湾人意識の増加が挙げられる[170]。
2016年に総統に就任した民進党の蔡英文は[171]、拡大し続けてきた「台湾アイデンティティ」を最大多数の支持基盤とすることで、2020年にも過去最多得票数で再選された[172][173]。こうした姿勢からも蔡英文政権は比較的高い支持率で任期を満了し、2024年総統選挙においても、与党・民進党が勝利を収めた[174]。
一方で2024年に発足した頼清徳政権下で政治対立が激化、2025年には野党議員に対する大規模なリコール運動が巻き起こった[175]。


外交関係および台北市に在外公館あり
非公式な関係あり




今日の台湾における重要な政治的問題としては、台湾問題が挙げられる。台湾問題とは、台湾の最終的な政治的地位および主権帰属を巡る問題である。
1895年、日清戦争の講話条約である下関条約により、台湾・澎湖諸島は清国から日本へと割譲され、これらの島は日本の統治下に置かれることとなる[193]。1912年に中国大陸では、辛亥革命により、中華民国が建国され、清王朝が打倒された[194]。第二次世界大戦中の1943年に米英中首脳が発表したカイロ宣言では、「右同盟国の目的は…(中略)…台湾及澎湖島の如き日本国が清国人より盗取したる一切の地域を中華民国に返還することに在り…」(日本が中国から奪った領土は中華民国に返還されるべき)とされた[195][196]。これは、戦後処理の方針表明であり条約ではないとされる[196]。1945年に日本が受諾したポツダム宣言では、カイロ宣言の履行と、日本の主権な及ぶ範囲の制限が明記された一方、台湾の地位は将来的な平和条約によって定められるとされた[196]。
1945年に日本が降伏すると、中華民国の中国国民党率いる国民政府は、連合国軍の委託を受けて駐台湾日本軍の武装解除を行うために台湾へ軍を進駐させた。カイロ宣言に従い(ただし、同会談後に報道関係者向けに配布されたニュース・リリースであり無効という説もある)、1945年10月25日に台北で日本側の安藤利吉台湾総督・第十方面軍司令官が降伏文書に署名し、中華民国は台湾省を設置して台湾の実効支配を開始した(台湾光復)。1949年10月1日に国共内戦で勝利した中国共産党が中華人民共和国を樹立し、中国国民党率いる中華民国政府が台湾に逃れて以降、両者で「どちらが中国を代表する正統な政府であるか」を巡る対立が生じるようになり(→中華民国の歴史)、それと同時に台湾の政治的地位と主権帰属も対立の一要因となっていった。
1951年のサンフランシスコ講和条約では、日本は台湾と澎湖諸島を放棄するとされたが、帰属先は明記されておらず、また中華民国政府と中華人民共和国政府のどちらもこの条約には参加していなかった[196]。日本政府が中華民国政府との間で締結した1952年の日華平和条約においても台湾に対する権原を放棄することが明記されたが、帰属先については明記されていない[196]。
このことから台湾の国際法上の領有権は現在でも未確定であるという見方(台湾地位未定論)もある[197]。
1972年、日本と中華人民共和国との間の日中国交正常化により、日華平和条約が終了し、日中共同声明が出される。この声明の3項では、日本政府が、台湾は中国の一部であるという中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重することが表明された[196]。また、2005年の小泉純一郎の国会答弁では、台湾の領土的地位に関する日本国政府の公式見解について「台湾の領土的な位置付けに関して独自の認定を行う立場にない」とした上で、前述の日中共同声明3項の立場を説明した[198]。
国民党独裁期の中華民国は、台湾地区のみを実効支配するようになった後も「中国の正統国家」を主張し「台湾は中国の一部」という見解を持っていた。そのため「中国(中華民国)による支配から台湾を解放し、中国(中華民国)とは異なる新しい国家を自ら建設すべき」とする台湾独立運動(台独運動、または台独)が活発となった。台湾独立運動は中華民国の民主化により下火になったが、長年に渡り台湾地区の住民の国政参加を拒み、差別と弾圧を行ってきた歴史(二・二八事件と呼ばれる台湾人大虐殺と、中国国民党による長期間の高圧独裁)を忘れるべきではないという意味合いで主張する者も少なからずいる。2008年8月末には、中華民国からの独立デモが発生している。
中華人民共和国は「台湾は中華人民共和国の不可分の領土であり、台湾が独立することは許さない」として一貫して台湾独立に反対する主張を繰り返しており[199]、その影響で中華民国国外では台湾独立を「中華人民共和国からの独立」だと誤解する人も多いとされる[200]。
21世紀初頭では、国際政治上の駆け引きの結果から中国を代表する正統な国家として中華人民共和国を承認する国のほとんどは、中華人民共和国を「承認」しながら、半官半民の組織を介して中華民国と実務関係を維持している。現在も中華民国憲法は、大陸統治時代に制定された条文を維持し、中華民国が中国の国家であることの象徴としている。その一方で憲法追加修正条項の制定以後、中華民国が台湾地区のみを統治するとの前提により民主化が進められてきた。しかし、中華人民共和国政府や中華民国の親中派は、こうした動きを法理独立と非難してきた。
今日の台湾の住民の世論では、台湾は中華人民共和国の主権に帰属するものではなく、中華民国という国家であると考える者が多い。その上で中華民国の立法府たる立法院の議員などの政治家は今なお、「台湾地区も(中華人民共和国が治める)大陸地区も同じ中華民族に主権がある」とみなす泛藍連盟派と、「台湾地区の主権は中華民国にあり、大陸地域の主権は中華人民共和国にある」とみなす泛緑連盟派(台湾本土派および独立派)のいずれかに大別される。
民主化以降の台湾の住民の世論は、実質的に中華人民共和国とは「分離」している現在の状態を維持することを望む声が多い。そのため、基本的には現状での安定志向にあると言え、各党も世論を配慮しながら政治活動を行なっている。中華民国は国際法(モンテビデオ条約)の定義上、事実上の独立国[201]であり独立宣言などいらない、という考え方を「天然独」と言う。前総統の蔡英文、現総統の頼清徳、現副総統の蕭美琴もその立場であり、民進党の政治家だけでなく国民党や民衆党の一部の政治家にも受け入れられている。
今の台湾の政局には、台湾の中華民国からの独立を目指す「泛緑連盟」と、中国大陸との統一を目指す「泛藍連盟」の二大陣営が存在している。泛緑連盟は主に民主進歩党、台湾基進、社会民主党、台湾緑党、台湾団結連盟で構成され、親米日・反中の政策を行っている[202][203][204][205][206][207]。一方、泛藍連盟は主に中国国民党、親民党、台湾民衆党で構成され、親中・反米日の政策を行っている[208][209][210][211][212][213]。どちらにも所属しない中立派としては、時代力量が主に挙げられる。


行政院主計総処(日本の総務省統計局に相当)の統計によると、2024年の台湾のGDPは7969.04億ドルであり[218](国際通貨基金(IMF)の統計によると、2024年の台湾のGDPは7970.04億ドルである[219][220]。)、2024年の台湾の経済規模(約120.7兆円)は東京都、近畿地方、中部地方の域内総生産を超えており[221]、近畿地方または中部地方と中国地方の域内総生産の合計を上回っている[221]。台湾の1人当たりGDP(購買力平価=PPPベース)は2007年に3万ドルを超え、2009年には、台湾が34,484ドルで世界22位となり、初めて日本を追い抜いた[222]。2024年の台湾の1人当たりGDP(PPPベース)は80,091ドルであり、世界第15位である[223][224]。2023年の世界で最も裕福な国・地域トップ20では、台湾は世界で14番目に裕福な国である[185]。
2024年は、台湾の1人当たり名目GDPが34,040ドルとなり、前年度より1,598ドル増、1人当たり名目GNI(1人当たり国民総所得)が35,241ドルとなり、前年度より1,716ドル増となった[218]。経済規模では、台湾のGDPは2024年に7969.04億ドル(約120.7兆円)に達し、東京都、近畿地方、中部地方の域内総生産に匹敵する経済規模となる[218][221]。
国際通貨基金(IMF)が公表した「世界経済見通し(WEO October 2025)」によると、台湾の1人当たり名目GDPは2021年に3万ドル(33,239ドル)、1人当たりGDP(PPPベース)は6万ドル(64,702ドル)に達した。また、同見通しのデータベースによると、2024年の台湾の1人当たり名目GDP(34,060ドル)が初めて日本(32,443ドル)を追い抜き、東アジアで2位になる。さらに、2025年の見通しでは、2025年の台湾の1人当たり名目GDPは37,827ドルで、2003年に韓国に初めて追い越されてから22年ぶりに韓国(35,962ドル)を再び抜き、東アジアで首位になると予想されている。また、台湾は来年1人当たり名目GDPが4万1586ドルに達し、1人当たり名目GDP4万ドルを突破すると予測した[219][225]。
台湾の1人当たり名目GDPは2021年に3万ドルを超え、人口2千万人以上の国の中では、台湾は世界で11番目に1人当たり名目GDPが3万ドルを超えた。現在、12カ国が達成している。さらに、台湾は現在、1人当たり名目GDPが3万ドルを超え、人口が1千万人を超える16カ国の1つである[226]。
日本統治時代には、日本の食糧補給基地としての役割を与えられていた台湾地域では、その食料を保管・加工する軽工業が芽生えていた。
国共内戦後の中華民国政府の台湾移転後、政府は台湾を「反攻大陸」(武力による大陸部の奪還)の基地とした。これに伴い軍事最優先の政策がとられ経済政策は後回しにされたが、そのような中で政府は、軽工業を発展させ、次第に重工業化する政策をとる。経済特区や政府主導による経済プロジェクトが全国に展開され、特に日本とのコネクションを利用した日本の下請け的な工業が発達する。

蔣経国総統の代になり、十大建設をはじめとする本格的な各種インフラストラクチャー整備が始まり、また、ベトナム戦争の際、アメリカは戦略物資を台湾から調達し、そのため台湾経済は飛躍的に発展(台湾の奇跡)。この頃より主な輸出先は日本からアメリカにシフトしていった。また、中華民国政府は軽工業から重工業への転換を図り、積極的な産業政策を打ち出した。しかし、中国鋼鉄や台湾造船、台湾石油などの国営企業を主体としての重化学工業化であり、必ずしも強い国際競争力を伴ったわけではない。しかし、在米華僑(台湾系アメリカ人、中国系アメリカ人)の技術者の協力により行った半導体産業の育成は成功を収め、後の台湾積体電路製造(TSMC・台積電)や聯華電子 (UMC) を生み出す。
1980年代、電子工業の発展は民間中小企業にも波及し、パソコンのマザーボードのシェアでは世界一になった。中華民国はアジアNICs(後にNIEsと呼称)の一員とみなされ(他は韓国、香港、シンガポール)、さらに、外貨準備高世界上位に入るなど、めざましい経済発展をとげた。さらに1990年代にはIT景気に乗り、1997年-1998年のアジア経済危機をも乗り越えた。そのため、中小企業が多い点が日本と似ていることや、政府主導の産業政策や財閥主体の韓国との違いなどが強調されたのである。
現在では台湾最大の自転車メーカーとなったジャイアント・マニュファクチャリング等の現在の台湾自転車業界の主要企業は1970年代後半から欧米メーカーのOEM・ODMを引き受け、現在に繋がる設計・生産の基礎を築いた。この頃からOEM・ODMの受注だけでなく、台湾の自転車企業は自社ブランドの販売にも乗り出した。
しかし2000年代に入ると、製造業で中華人民共和国への投資による空洞化の進行が目立ち、2001年のITバブル崩壊の影響を受け、2002年には中華民国の台湾移転後初のマイナス成長を記録した。台湾の電子工業はOEM・ODMなど先進国企業からの委託生産に特化し、独自のブランドを持たなかった。そのため、先進国市場での知名度が低く、知名度の高い大企業も存在しない。中華民国政府は、自国企業による中華人民共和国への投資を未だ完全には開放していない。また、中華人民共和国市場での利益の自国回帰も呼び掛けているが、目立った効果は見られない。一方、陳水扁政権は新十大建設を打ち出し、新たなインフラの整備と次世代産業の育成を掲げた。政府はライフサイエンスも重要視しているが、ライフサイエンスがIT産業ほどの経済規模を見込めるのかどうか、疑う声も強い。
日本経済との強い関連下で発展してきた台湾経済は、日本経済と互換性のある面が強い。即ち技術力、工業生産力を利用し、世界市場で優位に立てる製品を開発提供することによって、外貨を獲得する加工貿易が基本である。しかし日本と異なる面も多い。それは漢民族の伝統やアメリカの影響によるものと考えられるが、代表的なものは起業指向であろう。台湾では有能な人ほど起業を志し、それが経済に活力と柔軟性を与えている。個人主義的な傾向であるが、反面、社会道徳の弱さという弱点も持つ。また、華僑・華人ネットワークに支えられた、全世界ネットワークを駆使した世界戦略も中華民国独特の強みである。アメリカや日本で注文を取り、中華人民共和国やベトナムに製造させる仲介的戦略も、この華僑ネットワークを利用している。
2010年には台湾と中華人民共和国との間で両岸経済協力枠組協議 (ECFA) が締結された。
台湾は世界経済において重要な地位を占めている。世界の情報通信技術(ICT)産業ではトップの役割を果たすと同時に、コンシューマー向け商品の主要なサプライヤーでもある。世界貿易機関(WTO)によると2016年、台湾は世界第18位の輸出国で、モノの輸入においても世界第18位となった。科学技術での専門性を磨くための長年の官民による取り組みを経て、台湾のサイエンスパークはいまや、ICTやバイオテクノロジー、精密機械、ナノテクノロジーなどの分野での飛躍を追求する企業クラスタの本拠地となっている。世界経済フォーラムの「世界競争力ランキング2016-2017」では、調査対象の138カ国・地域のうち、台湾は「総合的なランキング」で14位、「技術的即応性」で30位、「イノベーション」で11位と格付けされた[227]。また、国際経営開発研究所(IMD)がまとめた「2016世界競争力年鑑」では、61の先進経済体の中で、技術インフラで12位、科学インフラで10位と評価された[228]。また、2021年度には、IT分野に焦点を当てた競争力を測る2021年版「世界デジタル競争力ランキング(World Digital Competitiveness Ranking 2021)」も発表した。このランキングでは、政府の業務、ビジネスモデル、社会全体の変革につながるIT政策の指標で評価される。台湾は総合ランキングで世界8位と評価された[229][230]。
台湾は2025年までの脱原発へ向けて再生可能エネルギー産業育成を重点政策にしている[231][232]。2025年には電力供給に占める原発の比率をゼロにし、代替として再生可能エネルギーの割合を20%まで高める目標を掲げており、目標達成に向けて関連産業の育成や雇用創出、外資による投資誘致を図っている。台湾で重視されている再エネは、太陽光発電と風力発電である。台湾は亜熱帯に属し日射に恵まれていることと、太陽電池製造産業が盛んなことから、太陽光発電の設備容量20ギガワット(GW)増加のために1.2兆ニュー台湾ドルの投資を計画している。特に高効率太陽光発電(PV)モジュールを使用したPVプロジェクトは、6%のFIT(固定価格買い取り制度)ボーナスが付与される。また、台湾海峡は安定して風が吹き、風力発電機の故障の原因となる乱流が発生することが少ないことから、特に洋上風力発電が重視されている。「風力発電推進4カ年計画」の下、2020年には陸上風力発電で814メガワット(MW)、洋上風力発電で520メガワット(MW)設置することが目指されている。中長期計画としてはオフショア発電や深海発電なども視野に入れ、2025年までに累積設備容量は4.2ギガワット(GW)に達する見込み。この計画では、国内風力発電産業および海洋構造物製造産業の育成も狙いとしている[233]。
台湾は世界の人工知能(AI)開発競争の中、研究開発(R&D)拠点として急浮上している。米の世界大手のソフトウェアを開発・販売する会社マイクロソフト(Microsoft)は2018年1月10日、人工知能(AI)の研究開発センター(R&D Center)を台北市内に設置すると発表した[234]。また、GoogleはHTC(宏達国際電子)のPixel開発チーム買収により、台北をGoogleのアジア太平洋地域のエンジニアリングの最大拠点とするとしている[235]。さらに、IBMも2018年3月に台湾にR&D拠点を設け、人工知能(AI)やブロックチェーン、クラウドテクノロジーの開発を行うとアナウンスした[236][237]。米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)と科学技術部(日本の文部科学省に相当)は2018年6月6日、人工知能における台湾の能力向上を目指すべく提携を行ったと発表した[238]。同社は今後、経済部(日本の経済産業省に相当)の補助金約67億新台湾ドルと自社が捻出する約176億新台湾ドルを投じ、同社にとって台湾初となるAI(人工知能)研究開発センターを台北市内に開所させる予定。半導体大手のクアルコムは2018年9月26日に、台湾子会社の台湾高通(クアルコム台湾)が、「運営・製造工程・試験センター(COMET、海外では台湾が初めて)」や「マルチメディア研究開発(R&D)センター」、「モバイル人工知能(AI)イノベーションセンター」、「第5世代(5G)移動通信システムテスト実験室」を設立すると発表した[239][240]。米ネットワーク機器大手のシスコシステムズは2021年1月13日、新北市林口区のスタートアップ向け産業団地「林口新創園(スタートアップ・テラス)」にソフトウエア開発・運営センターを設置すると発表した。同社がアジア太平洋地域にソフトウエア開発拠点を設けるのは初めて[241]。また、同社は2024年6月17日、台湾にサイバーセキュリティーセンターを設立し、当局と協力してサイバーセキュリティー部門で働く人材を育成すると発表した[242]。
エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勳)最高経営責任者(CEO)は2024年6月4日、今後5年以内に台湾に大規模な研究開発・デザイン(設計)センター(第2研究開発センター)やAIスーパーコンピューターセンターを設立し、少なくとも1000人のエンジニアを雇用する考えを明かした。また、同社は台湾に海外本社を設立すると発表した。さらに鴻海グループは同日、エヌビディアと連携して先進コンピューティングセンターを高雄市内に設立すると発表した[243]。米アマゾン・ドット・コムの関係会社でクラウドコンピューティング事業を手がけるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2024年6月12日、2025年初頭に台湾にデータセンター群「アジアパシフィック(台北)リージョン」を開設すると発表した。同社は今後15年以内に台湾に数十億米ドルを投資するとしている。同社は2022年10月、台北で「東京リージョン」の子関係に当たる「ローカルゾーン」の供用を開始。来年初頭に開設するリージョンのデータセンターは規模がさらに大きくなる[244]。
ドイツの車載半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは2024年6月17日、台湾に「先端車載/無線通信用半導体研究・開発センター(Advanced automotive and wireless communication semiconductor R&D center)」を設立することを発表した。欧州の半導体大手が台湾にこうしたR&Dセンターを設立するのは初めてのケースとなる[245]。ドイツ光学機器大手、カール・ツァイスが新竹市の新竹サイエンスパーク内に建設したイノベーションセンターが2024年6月18日、開所した[246]。
米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は2024年7月27日、台湾に53.3億新台湾ドル(155百万USドル)を投資してアジア初の研究開発(R&D)センターを設立する[247]。AMDは台南市と高雄市に研究開発拠点を設ける。同社は高雄市のベイエリア再開発区「亜洲新湾区」に研究開発(R&D)拠点を設ける。半導体封止や高速伝導、AI応用などの研究拠点として発展させるという。また、同社は台南市のグリーンエネルギー産業のスマートモデル地区「沙崙智慧緑能科学城(サルングリーンエネルギー・サイエンスシティー)」に研究開発(R&D)拠点とデータセンターを設ける[248]。
エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)は2025年5月19日、台北市内で講演し、同社の海外本部を、台北市の北投・士林一帯(北投士林科技園区)に設置すると発表した[249]。
スイスのビジネススクール国際経営開発研究所(IMD)が発表した最新の「世界競争力年鑑2025」で、台湾は世界6位となった。台湾はアジア太平洋地域ではシンガポール(2位)、香港(3位)に続いて3位。人口2千万人以上の国・地域では、5年連続で世界首位となった[250]。
米シンクタンク「ヘリテージ財団」が発表した最新の2024年版の「経済自由度指数」で、台湾は2年連続で世界4位となった[251][252]。
世界有数の経済誌『フォーブス』が発表した2018年版「ビジネスに最適な国」ランキングで、台湾は世界16位となった[253]。
2021年9月22日、台湾がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の加盟を申請した[254][255]。
台湾と米国は2023年5月18日、経済連携を強化する新たな貿易協議の枠組み「21世紀の貿易に関する台米イニシアチブ」の第1段階の合意を発表した。「21世紀の貿易に関する台米イニシアチブ」の協議の対象となるのは、デジタル貿易、貿易の円滑化、法規制の原則、中小企業の貿易支援、環境保護、規格、非市場経済政策など計11項目。これらはいずれも、インド太平洋地域の経済発展の重点でもあり、台湾と米国が優先的な貿易パートナーとして経済連携を強化していこうとする重大な戦略的意味が込められている。本イニシアチブは、インド太平洋経済枠組み(IPEF)と交渉項目が類似していることからも、その交渉内容が注目されていた。今回合意が発表されたのは、税関手続きおよび貿易円滑化、良き規制慣行、サービス業の国内法規、腐敗防止、中小企業の5分野となる[256][257]。2024年4月29日から台北で農業、環境保護、労働の第2段階の3分野について議論。台米は生産的な話し合いができたとして、農産物の貿易促進などに向けた協議を継続する方針を改めて示した[258]。
台湾と英国は2023年11月8日、「貿易強化パートナーシップ(Enhanced Trade Partnership、ETP)協定」を正式に締結した。この協定は、台湾と英国が経済・貿易分野で長期的な戦略的パートナーシップを構築するための重要な基礎、枠組みとなる。双方はすでに、デジタル貿易と投資、再生可能エネルギー及びネットゼロという三つの議題を優先的に交渉し、今後はさらに互いに有利なその他の議題について交渉を拡大し続けていくことに同意している[259]。
国際獣疫事務局(WOAH)総会は2025年5月29日、台湾が家畜伝染病、豚熱(CSF)の清浄地域に認定されたと発表した。アジアで唯一、アフリカ豚熱(ASF)や口蹄疫(こうていえき)を含む豚の三大感染症のない国になったとしている[260]。
行政院主計総処(日本の総務省統計局に相当)が発表した2024年の『薪資與生産力統計』(日本の厚生労働省所管の『毎月勤労統計調査』に相当)によると、台湾の常用労働者(5人未満の小規模事業所を含む。一般労働者(フルタイム労働者)および短時間労働者(パートタイム労働者)を含む。外国人労働者も含む。以下同じ。)の2024年の平均月間現金給与総額(名目賃金)は6万984新台湾ドルであり、前年に比べて4.39%増加している。現金給与総額のうち、きまって支給する給与(定期給与)は、前年同期比2.31%増加の4万8732新台湾ドルとなった。また、経常性賃金(基本給に諸手当を加算、所定内給与に相当)は、同2.77%増加の4万6450新台湾ドルとなった。所定外給与(超過労働給与)は、前年同期比9.34%増加の2282新台湾ドルとなった。なお、特別に支払われた給与(特別給与)は1万2252新台湾ドルであった。これを男女別にみると、男性6万6714新台湾ドル、女性5万4423新台湾ドルで、前年に比べて、男性は4.88%の増加、女性は3.71%の増加となった。女性の賃金は過去過去3番目に高いとなっており、男女間賃金格差(男性=100)は81.58となっている。一方、物価変動の影響を除いた実質賃金は5万6566新台湾ドルと前年より2.16%増加し、過去最高い実質賃金を更新した。さらに、台湾の短時間労働者(パートタイム労働者。5人未満の小規模事業所を含む。以下同じ。)の2024年の平均月間現金給与総額(名目賃金)は2万1184新台湾ドルであり、前年に比べて2.35%増加している。現金給与総額のうち、経常性賃金(基本給に諸手当を加算、所定内給与に相当)は、前年同期比2.65%増加の2万137新台湾ドルとなった。短時間労働者の1時間当たり経常性賃金(1時間当たり所定内給与)は、前年同期比3.50%増加の207新台湾ドルとなった[262][263]。
また、台湾人一般労働者(台湾自国民のフルタイム労働者。5人未満の小規模事業所を含む。正社員・正職員以外(非正規)を含む。以下同じ。)の2024年の平均月間現金給与総額(台湾人フルタイム勤務の月平均名目賃金)は、6万4668新台湾ドル(前年比4.78%増)となった。現金給与総額のうち、経常性賃金(基本給に諸手当を加算、所定内給与に相当)は、4万9060新台湾ドル(前年比2.95%増)となった。一方、物価変動の影響を除いた実質賃金は5万9983新台湾ドルと前年より2.55%増加し、過去最高い実質賃金を更新した[262]。さらに、台湾人一般労働者の2023年の平均年間現金給与総額(年間現金給与総額平均値、平均年収、平均年間給与。以下同じ。)は74.1万新台湾ドルであり、前年に比べて0.76%増加している[264]。
2023年12月から24年2月までに工業・サービス業で支給されたボーナス(年終獎金=年末賞与・冬ボーナスに相当)の平均は月給の1.69カ月分で、全常用労働者1人当たり平均7万7348新台湾ドルとなった。前回調査時の平均1.68カ月よりも上昇し、過去9年間に公表された数値としては最高水準になった[265][266]。
2024年の台湾常用労働者(5人未満の小規模事業所を含む)の平均月間現金給与総額(月額平均賃金、6万984新台湾ドル)は岐阜県・山口県・山形県・福井県・新潟県・山梨県・北海道・福島県・岩手県と同水準(約30.7万~30.9万円)となり、2024年の台湾人一般労働者(5人未満の小規模事業所を含む)の平均月間現金給与総額(月額平均賃金、6万4668新台湾ドル)は茨城県・栃木県・宮城県・群馬県・三重県・富山県・徳島県と同水準(約32.6万~32.8万円)となる[267]。
行政院主計総処が発表した2024年の『雇用動向調査』によると、2024年の台湾の雇用者の平均年間報酬総額は85.1万新台湾ドルであり、前年に比べて4.10%増加している[268]。さらに、同処2023年の『112年工業及服務業受雇員工全年総薪資中位数及分布統計結果』(工業およびサービス業の雇用者の賃金中央値および分布状況統計調査)によると、2023年の台湾の雇用者の平均年間現金給与総額は70.1万新台湾ドル(前年比0.71%増)であり、これを男女別にみると、男性76.4万新台湾ドル(前年比0.66%増)、女性62.8万新台湾ドル(前年比1.50%増)となっている。また、2023年の台湾の雇用者の年間現金給与総額中央値は52.5万新台湾ドル(前年比1.22%増)であり、これを男女別にみると、男性56.1万新台湾ドル(前年比1.18%増)、女性49.2万新台湾ドル(前年比2.07%増)となっている。2023年の台湾の雇用者の年間現金給与総額中央値が平均年間現金給与総額に占める割合は74.9%(前年比0.004%増)であり、平均年間現金給与総額以下の雇用者の割合は68.67%(前年比0.18%減)となっている[264]。
また、台湾人一般労働者の2023年の平均年間現金給与総額は74.1万新台湾ドルであり、前年に比べて0.76%増加している。これを男女別にみると、男性81.2万新台湾ドル、女性66.1万新台湾ドルとなっている。台湾人一般労働者の2023年の年間現金給与総額中央値は56.0万新台湾ドルであり、前年に比べて2.05%増加している。これを男女別にみると、男性60.3万新台湾ドル(前年比1.59%増)、女性51.6万新台湾ドル(前年比2.52%増)となっている[264]。
PPPベース(購買力平価)での台湾常用労働者の2024年の月平均賃金は4519国際ドルであり[269]、賃金の実質的な豊かさは西ヨーロッパ ・北ヨーロッパ諸国のレベルに達しており、世界上位の水準である(en:List of European countries by average wage)。また、経済協力開発機構(OECD)の統計基準によると、2023年の台湾の一般労働者(フルタイム労働者)の平均年収は7万6142ドルで、ベルギー(7万3206ドル、経済協力開発機構では5位)とほぼ同じレベルであり、経済協力開発機構(OECD)では5位にランクされている[270][271][272]。
| 2024年『薪資與生産力統計』での台湾の賃金 | |||
| 区分 | 常用労働者
(5人未満の小規模事業所を含む。一般労働者および短時間労働者を含む。外国人労働者も含む。) |
台湾人一般労働者
(台湾自国民のフルタイム労働者。5人未満の小規模事業所を含む。正社員・正職員以外(非正規)を含む。) |
短時間労働者
(パートタイム労働者。5人未満の小規模事業所を含む。) |
| 平均月間現金給与総額
(名目賃金) |
6万984新台湾ドル
(前年比4.39%増) |
6万4668新台湾ドル
(前年比4.78%増) |
2万1184新台湾ドル
(前年比2.35%増) |
| 経常性賃金
(所定内給与に相当) |
4万6450新台湾ドル
(前年比2.77%増) |
4万9060新台湾ドル
(前年比2.95%増) |
2万137新台湾ドル
(前年比2.65%増) |
| 1時間当たり経常性賃金
(1時間当たり給与) |
- | - | 207新台湾ドル
(前年比3.50%増) |
| 所定外給与
(超過労働給与) |
2282新台湾ドル
(前年比9.34%増) |
所定外給与および特別に支払われた給与の合計給与額: 1万5608新台湾ドル (前年比12.47%増) |
所定外給与および特別に支払われた給与の合計給与額: 1047新台湾ドル (前年比1.41%減) |
| 特別に支払われた給与
(特別給与) |
1万2252新台湾ドル
(前年比12.25%増) | ||
| 実質賃金:
実質月間現金給与総額 |
5万6566新台湾ドル
(前年比2.16%増) |
5万9983新台湾ドル
(前年比2.55%増) |
- |
| 実質賃金:
実質経常性賃金 (実質所定内給与) |
4万3085新台湾ドル
(前年比0.58%増) |
4万5506新台湾ドル
(前年比0.75%増) |
- |
| 男女間賃金格差 (男性=100) |
男性: 賃金6万6714新台湾ドル (前年比4.88%増) 女性: (前年比3.71%増) 男女間賃金格差(男性=100):81.58 |
- | - |
| 年終獎金
(年末賞与・冬ボーナスに相当) |
2023年:1.69カ月分で7万7348新台湾ドル
(前年比0.01カ月増) |
- | - |
| PPPベース(購買力平価)での月平均賃金 | 2024年:4519国際ドル | 2024年:4792国際ドル | 2024年:1570国際ドル |
| 2023年『雇用動向調査』での台湾の平均年間給与(平均年収) | |||
| 平均年間報酬総額 | 2024年:85.1万新台湾ドル
(前年比4.10%増) |
- | - |
| 平均年間現金給与総額 | 70.1万新台湾ドル
(前年比0.71%増) |
74.1万新台湾ドル
(前年比0.76%増) |
- |
| 男女別 | 男性: 76.4万新台湾ドル (前年比0.66%増) 女性: (前年比1.50%増) |
男性: 81.2万新台湾ドル
|
- |
| 年間現金給与総額中央値 | 52.5万新台湾ドル
(前年比1.22%増) |
56.0万新台湾ドル
(前年比2.05%増) |
- |
| 男女別 | 男性: 56.1万新台湾ドル (前年比1.18%増) 女性: (前年比2.07%増) |
男性: 60.3万新台湾ドル (前年比1.59%増) 女性: (前年比2.52%増) |
- |
| 経済協力開発機構(OECD)の統計基準によると | - | 2023年: 7万6142ドル |
- |
労働部(日本の厚生労働省に相当)が発表した『113年初任人員薪資統計結果』(2024年の新卒初任者の給与に関する統計)によると、2024年の台湾の全産業で見た学歴別の初任給(初任の経常性賃金=所定内給与に相当)平均額は、大学卒3万4000新台湾ドル、大学院卒5万2000新台湾ドル、高卒2万9000新台湾ドルとなった。新卒初任者全体の平均月給(経常性賃金=所定内給与に相当)は前年比6.4%増の3万7000新台湾ドル。男女別では男性が3万9000新台湾ドル、女性が3万6000新台湾ドルだった。2024年全産業で見た学歴別の初任給(初任の経常性賃金=所定内給与に相当)中央値は、大学卒3万3000新台湾ドル、大学院卒4万9000新台湾ドル、新卒初任者全体3万3000新台湾ドルとなった[273][274]。
労働部は2024年5月30日、最新の台湾の職種別給与調査結果(工業やサービス業などを対象とし、各職種のフルタイム労働者数や2023年7月時点の平均月給、2022年時点の年給などをまとめた。)を発表した。平均月給(経常性賃金=所定内給与に相当)では航空機のパイロットが約31万5千新台湾ドル(約152万5千円、日本約134万2千円)となり、全職種で最高となった。保険数理士は約20万5千新台湾ドル(約99万円)、医師は約17万1千新台湾ドル(約82万8千円、日本約95万)、船舶運航管理者(水先人を含む)やプロスポーツ選手は10万新台湾ドル(約48万4千円)超だった[275][276][277]。
平均年収(超過労働給与を除く。)では航空機のパイロットが約352万9千新台湾ドル(約1708万5千円、日本約1802万(超過労働給与を含む。))となり、全職種で最高となった。保険数理士は約339万新台湾ドル(約1641万2千円)、医師は約234万新台湾ドル(約1132万8千円、日本約1304万(超過労働給与を含む。))、船舶運航管理者(水先人を含む。約194万9千新台湾ドル(約943万6千円))や電信エンジニア(電気通信技術者)(約167万3千新台湾ドル(約810万、日本約667万(超過労働給与を含む。)))や弁護士は160万新台湾ドル(約774万6千円、日本約862万(超過労働給与を含む。))超だった[275][276][277]。
2023年7月時点の平均月給(経常性賃金=所定内給与に相当)では、管理監督者が約7万7千新台湾ドル(約37万3千円)が全職種で最高となり、専門人材の約6万4千新台湾ドル(約31万円)が続いた[275][276][277]。
就業形態・雇用形態別に賃金の分布状況・労働者比率
[編集]行政院主計総処の2023年の『人力運用調査』(日本の総務省所管の『労働力調査』に相当)で就業形態別に2023年5月の台湾の雇用者の1か月間に支払われた経常性賃金(基本給に諸手当を加算、所定内給与に相当)金額階級別労働者割合をみると、「労働者全体(雇用者全体)」では、「3万新台湾ドル未満」が19.81%(前年比3.22%減)、「3~5万新台湾ドル未満」が56.43%(前年比1.44%増)、「5万新台湾ドル以上」が23.76%(前年比1.79%増)となっている[278]。
「一般労働者(フルタイム労働者)」では、「3万新台湾ドル未満」が16.78%(前年比3.52%減)、「3~5万新台湾ドル未満」が58.54%(前年比1.67%増)、「5万新台湾ドル以上」が24.68%(前年比1.85%増)となっている[278]。
「短時間労働者(パートタイム労働者)」では、「1.5万新台湾ドル未満」が44.05%(前年比1.35%減)、「1.5~3万新台湾ドル未満」が48.24%(前年比4.64%増)、「3~5万新台湾ドル未満」が5.86%(前年比3.80%減)、「5万新台湾ドル以上」が1.85%(前年比0.50%増)となっている[278]。
就業形態別に労働者割合をみると、「正規雇用の一般労働者(フルタイム労働者)」が92.99%(前年比0.01%増)、「非正規雇用の一般労働者(フルタイム労働者)および短時間労働者(パートタイム労働者)」が7.01%(前年比0.01%減)となっている。雇用形態別に雇用者割合をみると、「正規雇用者」が92.1%(前年比0.1%増)、「非正規雇用者」が7.9%(前年比0.1%減)となっている[278]。
2024年の『人力運用調査』で就業形態別に労働者割合をみると、「正規雇用の一般労働者(フルタイム労働者)」が93.05%(前年比0.06%増)、「非正規雇用の一般労働者(フルタイム労働者)および短時間労働者(パートタイム労働者)」が6.95%(前年比0.06%減)となっている。雇用形態別に雇用者割合をみると、「正規雇用者」が92.2%(前年比0.1%増)、「非正規雇用者」が7.8%(前年比0.1%減)となっている[279]。
行政院主計総処の2024年の『家計調査』では台湾の一世帯当たり平均所得金額(平均世帯年収)は、全世帯が148.0万新台湾ドル(前年比2.5%増)となっている。世帯所得の中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)は131.2万新台湾ドルであり、平均所得金額(平均年収148.0万新台湾ドル)以下の世帯の割合は61.8%となっている[280]。
2024年の『家計調査』では台湾全世帯の一世帯当たり平均可処分所得金額は116.5万新台湾ドル(前年比2.5%増)となっており、一世帯当たり可処分所得の中央値は98.5万新台湾ドル(前年比2.5%増)となっている。さらに、台湾全世帯の世帯員一人当たり平均可処分所得金額は41.9万新台湾ドル(前年比2.9%増)、世帯員一人当たり平均等価可処分所得(総世帯員の等価所得)金額は73.8万新台湾ドル(前年比2.6%増)となっており、世帯員一人当たり可処分所得の中央値は35.6万新台湾ドル(前年比1.8%増)となっている。また、2024年『家計調査』によると、2024年の台湾全世帯の年間可処分所得のジニ係数は0.341となり、2023年より+0.002の微増となった。全世帯における等価可処分所得のジニ係数(総世帯員の等価所得のジニ係数)は、2024年は0.270となり、前年調査結果の0.266から0.004ポイント上昇している。「一人当たり」で計算した可処分所得(世帯員一人当たり可処分所得)の所得格差(世帯員一人当たりの可処分所得の格差=世帯員一人当たり可処分所得五分位階級)では、2024年は3.92倍と、2023年より+0.11倍分増加した。全世帯の可処分所得金額を5等分した場合の最上位20%平均(235.7万新台湾ドル、前年比2.4%増)と最下位20%平均(38.4万新台湾ドル、前年比2.2%増)との格差(一世帯当たりの可処分所得の格差=一世帯当たり可処分所得五分位階級)は6.14倍となり、前年比+0.02倍の微増となった。また、世帯員一人当たり可処分所得を5等分した場合の同格差(世帯員一人当たりの可処分所得の格差=世帯員一人当たり可処分所得五分位階級)は3.92倍となり、前年比+0.11倍の増加となった。台湾全世帯のエンゲル係数は、2024年は15.30%(前年比横ばい)となっている[280]。
2022年の台湾の相対的貧困率(貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)に満たない世帯員の割合)は7.43%で、前年より0.10ポイント低下している[270]。
2024年の台湾全世帯の一世帯当たり平均所得(148.0万新台湾ドル)や一世帯当たり平均可処分所得(116.5万新台湾ドル)や世帯員一人当たり平均等価可処分所得(総世帯員の等価所得、73.8万新台湾ドル)は日本(全世帯の平均所得は536.0万円、平均可処分所得は415.6万円、平均等価可処分所得は280.8万円。)を上回り、世帯員一人当たり平均可処分所得(41.9万新台湾ドル)は日本(世帯員一人当たり平均可処分所得は188.9万円。)と同水準、世帯所得の中央値(131.2万新台湾ドル)は日本(全世帯は410万円)を上回るが、物価は日本の約3分の2程度であるため、台湾家庭の実質的な生活水準はより豊かである[280][281]。
台北市政府主計処の『家計調査』では2019年の台北市の一世帯当たり年間収入(世帯の平均年収)は、総世帯が183.9万新台湾ドル(前年比4.10%増)となっている[282]。台北市の世帯の年間収入は東京都(総世帯は629.7万円)を追い抜く[283][284]。
| 2024年台湾の世帯の所得の状況[280] | |
| 全世帯(総世帯) | |
| 一世帯当たり | |
| 平均所得金額
(平均世帯年収) |
148.0万新台湾ドル(前年比2.5%増) |
| 中央値 | 131.2万新台湾ドル |
| 平均可処分所得金額 | 116.5万新台湾ドル(前年比2.5%増) |
| 可処分所得中央値 | 98.5万新台湾ドル(前年比2.2%増) |
| 所得金額階級別世帯数の相対度数分布:
平均所得金額以下の割合 |
61.8% |
| 可処分所得のジニ係数 | 0.341(前年比0.002増) |
| 可処分所得五分位階級:
一世帯当たりの可処分所得の格差 |
最上位20%平均(第Ⅳ五分位値):235.7万新台湾ドル
最下位20%平均(第Ⅰ五分位値):38.4万新台湾ドル 可処分所得五分位階級:6.14倍(前年比0.02倍分増) |
| 相対的貧困率
(貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)に満たない世帯員の割合) |
2022年:7.43%(前年0.10%減) |
| エンゲル係数 | 15.30%(前年比横ばい) |
| 世帯員一人当たり | |
| 平均可処分所得金額 | 41.9万新台湾ドル(前年比2.9%増) |
| 平均等価可処分所得金額
(総世帯員の等価所得) |
73.8万新台湾ドル(前年比2.6%増) |
| 可処分所得中央値 | 35.6万新台湾ドル(前年比1.8%増) |
| 世帯員一人当たり可処分所得のジニ係数 | 0.277(前年比0.005増) |
| 世帯員一人当たり等価可処分所得のジニ係数
(総世帯員の等価所得のジニ係数) |
0.270(前年比0.004増) |
| 可処分所得五分位階級:
世帯員一人当たりの可処分所得の格差 |
3.92倍(前年比0.11倍分増) |
| 可処分所得五分位階級:
世帯員一人当たりの等価可処分所得の格差 |
3.92倍(前年比0.07倍分増) |
ドイツの保険大手アリアンツが発表した最新の世界各国の富裕度に関する調査報告『アリアンツ・グローバル・ウェルス・レポート 2025』で、台湾は世界57カ国・地域中、世界5位に入り、アジアでは2位となった。台湾の一人当たりの純金融資産は16万7530ユーロだった[285]。
国際的な保険会社アリアンツによる「世界の富」に関するレポートで、台湾の人々が世界で5番目に豊かだと評価された。最新の調査報告『アリアンツ・グローバル・ウェルス・レポート 2025』によると、台湾の人たちの一人当たり純金融資産は約16万7530ユーロで世界5位、アジアでは2位だった(日本は9万1920ユーロで世界12位、アジアでは3位)[285]。
金融大手、クレディ・スイスが発表した世界の富に関する2015年度『グローバル・ウェルス・レポート 2015』で、台湾の成人一人当たりの保有資産が19万4701ドルとされた。台湾の成人平均保有資産はアジア太平洋地域の大部分の国・地域を大きく上回り、また西ヨーロッパ諸国の多くと肩を並べる水準[286]。報告書によると、台湾では、中流階級の成人人口は1100万人であり、成人人口全体の59.4%を超え、中流階級以上の成人であれば74.6%を超えている。台湾の成人個人資産10万ドル以上を有する成人の割合は40.1%に上り、世界平均の8%を大きく上回る。資産総額100万ドル超の億万長者の富裕層は41万4000人で、全成人人口の2.2%を占めている[286]。
金融大手、UBS(ユービーエス グループ AG)が発表した世界の富に関する2024年度『グローバル・ウェルス・レポート 2024』で、台湾は世界217カ国・地域中、世界16位に入り、アジアでは香港(世界3位、58万2000ドル)、シンガポール(世界8位、39万7708ドル)に次いで3番目に高い順位となった。台湾の成人一人当たりの保有資産が30万2551ドルだった(日本は22万371ドルで世界23位、アジアでは6位)。報告書によると、台湾の成人一人当たりの保有資産の中央値は約11万521ドルで世界16位、アジアでは香港(世界4位、20万6859ドル)に次ぐ2位だった(日本は10万6999ドルで世界17位、アジアでは3位)。同報告書によると、台湾の億万長者の数は2028年までに47%大幅に増加し、世界で最も成長力の高い国になると予想されている[287]。
また、同社が発表した最新の世界の富に関する2025年度『グローバル・ウェルス・レポート 2025』で、台湾は世界217カ国・地域中、世界15位に入り、アジアでは香港(世界3位、60万1195ドル)、シンガポール(世界7位、44万1596ドル)に次いで3番目に高い順位となった。台湾の成人一人当たりの保有資産が31万2075ドルだった(日本は20万5221ドルで世界24位、アジアでは6位)。報告書によると、台湾の成人一人当たりの保有資産の中央値は約11万4871ドルで世界17位、アジアでは香港(世界4位、22万2015ドル)に次ぐ2位だった(日本は10万2198ドルで世界21位、アジアでは5位)。同報告書によると、台湾の資産総額100万ドル超の億万長者の富裕層は75万9千人で世界15位、台湾の全成人人口(1964万3千人)の3.9%を占めている[288]。
台湾は旧日本領であり歴史的に関係が深く、地理的にも近く共に民主主義・資本主義陣営の国家であり、貿易を始めとした経済的交流が強い。
民間貿易以外に台北国際金融センタービルや台湾高速鉄道の建設など、台湾の主要公共事業も日本企業によるものがあり、台湾経済における日本への依存は大きいものがある。また日本企業による台湾進出以外にも、古くは衣料業関連、現在では電子工業関連を中心に日本進出を果たす台湾企業もある。
2024年12月31日時点で台湾証券取引所の株式時価総額は世界13位、月間取引量は世界9位となった(en:List of major stock exchanges)。
台湾の半導体大手台湾積体電路製造(TSMC)は2024年10月17日に同社の時価総額は市場の終値で初めて1兆ドルを突破し、時価総額は1兆800億ドル(約162兆円)に達した。同社はアップル、エヌビディア、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、サウジアラムコ、メタ、バークシャー・ハサウェイに続いて世界で9番目に「1兆ドル企業クラブ」に仲間入りした[294]。
| 順位 | 企業名 | 2016年12月時点の時価総額(億台湾ドル)[295] |
|---|---|---|
| 1 | 台湾積体電路製造(TSMC) | 47,064 |
| 2 | 鴻海(Foxconn) | 13,690 |
| 3 | 台塑石化(台塑化) | 9,669 |
| 4 | 中華電信(中華電) | 8,300 |
| 5 | 台湾化学繊維(台化) | 5,574 |
| 6 | 国泰フィナンシャルホールディングス(國泰金) | 5,496 |
| 7 | 台湾プラスチックグループ(台塑) | 5,411 |
| 8 | 南亜 | 5,131 |
| 9 | 富邦フィナンシャルホールディングス(富邦金) | 4,956 |
| 10 | 大立光電 (大立光) | 4,554 |
| 11 | 台達電子工業(台達電) | 4,078 |
| 12 | 中国鋼鉄 | 3,864 |
| 13 | 台湾大哥大 | 3,609 |
| 14 | MediaTek (聯發科技) | 3,402 |
| 15 | 中国信託金融ホールディングス (中国信託) | 3,275 |
| 16 | 統一企業(統一) | 3,119 |
| 17 | 兆豐金融ホールディングス(兆豐金融) | 3,114 |
| 18 | 日月光半導体(日月光) | 2,710 |
| 19 | 統一超商 | 2,495 |
| 20 | 遠伝電信(遠傳) | 2,340 |
台湾上場・店頭公開企業の非管理職従業員の平均年間給与
[編集]| 2024年台湾上場・店頭公開企業の非管理職従業員の平均年間給与(平均年収、提出された有価証券報告書に基づく)[296] | |||||
| 会社名 | 業種 | 年收中央値 | 順位 | 年收平均値 | 順位 |
| 店頭公開企業 | |||||
| 信驊科技(エースピード・テクノロジー) | 半導体 | 400.4万新台湾ドル(約2002万円) | 1 | 471.5万新台湾ドル(約2358万円) | 1 |
| 上場企業 | |||||
| 聯発科技(メディアテック) | 半導体 | 343.8万新台湾ドル(約1719万円) | 1 | 431.0万新台湾ドル(約2155万円) | 1 |
| 瑞昱半導体(リアルテック・セミコンダクター) | 半導体 | 324.6万新台湾ドル(約1623万円) | 2 | 391.5万新台湾ドル(約1958万円) | 2 |
| 達発科技(Airohaテクノロジー) | 半導体 | 304.9万新台湾ドル(約1525万円) | 3 | 357.1万新台湾ドル(約1786万円) | 3 |
| 愛山林建設開発(JSLコンストラクション&デベロップメント) | 不動産 | 194.2万新台湾ドル(約971万円) | 11位以下 | 354.1万新台湾ドル(約1771万円) | 4 |
| 聯詠科技(ノバテック・マイクロエレクトロニクス) | 半導体 | 286.5万新台湾ドル(約1433万円) | 4 | 352.1万新台湾ドル(約1761万円) | 5 |
| 台湾積体電路製造(TSMC) | 半導体 | 264.5万新台湾ドル(約1323万円) | 5 | 339.1万新台湾ドル(約1696万円) | 7 |
| 瑞鼎科技(レイディウム・セミコンダクター) | 半導体 | 261.2万新台湾ドル(約1306万円) | 6 | 341.3万新台湾ドル(約1707万円) | 6 |
| 創意電子(グローバル・ユニチップ、GUC) | 半導体 | 255.9万新台湾ドル(約1280万円) | 7 | 316.0万新台湾ドル(約1580万円) | 8 |
| 祥碩科技(ASメディア・テクノロジー) | 半導体 | 248.6万新台湾ドル(約1243万円) | 8 | 308.4万新台湾ドル(約1542万円) | 9 |
| 和泰汽車 | 自動車 | 210.3万新台湾ドル(約1052万円) | 11位以下 | 267.7万新台湾ドル(約1339万円) | 10 |
| 聯陽半導体(ITEテック) | 半導体 | 243.5万新台湾ドル(約1218万円) | 9 | 262.9万新台湾ドル(約1315万円) | 11位以下 |
| 長栄海運(エバーグリーン・マリン) | 海運 | 241.5万新台湾ドル(約1208万円) | 10 | 252.3万新台湾ドル(約1262万円) | 11位以下 |
- ジャイアント・マニュファクチャリング(捷安特・GIANT)自転車メーカー。
- 中華汽車
- キムコ(光陽機車・KYMCO)スクーターで有名なメーカー。
- 三陽工業 (San Yang Industry) SYMブランドのスクーターで有名。
- 台湾金峰 (Taiwan Golden Bee) TGBブランドのスクーターで有名なメーカー。
- ハートフォード(哈特佛・HARTFORD)オートバイのメーカー。
- 摩特動力工業公司 (Motive Power Industry) PGOブランドのスクーターで有名。
- 捷穎実業 (CPI Motor) CPIブランドのスクーター、ATVのメーカー。
- ユナリ(優耐立・Unilli)ATVで有名。
- 宏佳騰動力科技有限公司(宏佳騰機車 AEON MOTOR) AEONブランドのスクーター、ATVのメーカー。
- 合騏工業 (Her Chee Industrial) アドリーブランドのATV・スクーターのメーカー
- 鼎力金属工業 (DINLI METAL INDUSTRIAL) ディンリブランドのATVメーカー
- 益通動能科技股份有限公司 (E-TON POWER TECH) イートンブランドのATV、スクーターのメーカー。
- 台湾山葉機車工業 ヤマハ発動機の子会社
- 裕隆汽車 大手自動車メーカー。
- MAXXIS Tire(正新橡膠)
- NANKANG タイヤメーカー。インチアップ用タイヤで有名。
- エバーグリーン・グループ
- チャイナエアライン(中華航空)
- パシフィック・サイクルズ社


台湾の住民は、混血と渡来系に大別される。原住民族は平地に住んで漢民族と同化が進んだ「平埔族」(ケタガラン族、パゼッヘ族、バブザ族など)と高地や離れ島に住む「高山族」16民族(アミ族、タイヤル族、パイワン族、ブヌン族、プユマ族、ルカイ族、ツォウ族、サイシャット族、タオ族、サオ族、タロコ族、クバラン族、サキザヤ族、セデック族、カナカブ族、サアロア族。クバラン族とサオ族は平埔族に分類されていたこともある。なお、「高砂族」は日本統治時代の呼び名)に分かれる。台湾の漢民族は、戦前(主に明末清初)から台湾に居住している本省人と、国共内戦で敗れた蔣介石率いる中華民国国軍と共に台湾に移住した外省人に分かれる。本省人が台湾で85%を占めており、本省人は福建(閩南)系と客家系に分かれる。外省人13%、原住民2%(タイヤル、サイシャット、ツォウ、ブヌン、アミなど14民族)。
現代のヒト白血球型抗原とミトコンドリアDNAによる調査の一つによれば、台湾の人口の88%が原住民の祖先を持つという[306]。
台湾の人口が増えて2300万人を超えたため、人口密度は650.361人/km2(2021年12月末統計)であり、人口が1000万人以上の国では世界2位になった。
2020年時点で平均寿命81.3歳、女性84.7歳、男性78.1歳で年々上昇の傾向にある[307]。2025年の高齢化率は20%であり超高齢社会である[308]。
少子化が進んでおり、2022年の合計特殊出生率は0.87で過去最低を記録した[309]。
人口は2020年を境に減少が始まり[310] 2050年前に2000万人を切ると見られている[311]。
2020年現在、在台外国人は約79万人、多い順にインドネシアが25万人で32%、ベトナムが23万人で29%、フィリピンが15万人で19%を占める(民国109年の台湾の内政部統計処調べ)[312]。2023年時点の外国人労働者は73万人で64%が製造業、30%が介護に従事している[313]。
労働部(日本の厚生労働省に相当)が2024年5月5日までに発表した統計によると、「外国専門人材」として台湾での就労が許可されている外国人は、2023年末時点で延べ約4万9千人に上り、前年比で約2千人増加した。国籍別にみるとマレーシアが延べ約8千人で、前年の最多だった日本(約6千人)を抜いてトップに躍り出た。台湾は外国専門人材を「専門人材」「特定専門人材」「高級専門人材」の3つに区分している[314]。科学技術や経済などの分野で国の利益に貢献し、中央政府の各主務機関の推薦を受けた高級専門人材は、元の国籍を保持したまま帰化できる。
台湾での総資産が500万新台湾ドルを超えるか、あるいは仕事の技能や専業を例証すれば、台湾移民署[315] に永住を申請することができる。

公用語は国語(標準中国語)であるが、台湾は数多くの言語が話される多言語社会である[320]。2018年に国語以外の台湾語や客家語そして原住民諸語も国家言語として位置づけが平等となった[321]。
国語は台湾の学校教育で習う言語であり共通語として機能している[322]。中華人民共和国の普通話とは、語彙・文法・発音などにおいていくぶん異なっており、特に1949年以降に発明されたり普及したりしたものについては語彙が異なることが多い。
他にも日常生活では台湾国語や台湾語(ホーロー語、河洛話、福佬語)、場所によっては客家語、台湾原住民の諸言語が使用される。台湾語は伝統的区分では福建方言(閩語)の一種である閩南語に含まれるが、平埔族の言語や日本語の影響を受けており、その意味でも閩南語とは分化し台湾語、福佬語などと呼称される[323]。
また、台湾原住民の諸言語はオーストロネシア語族の言語であり、多くは台湾諸語に属する(タオ語のみマレー・ポリネシア語派に属する)。その数は、1622年にオランダ人入植者がやって来た時には少なくとも30はあった。その後、日本語の配属下を挟んで二度の中国語の配属下にあったことで、その数は20程度に減ってしまった。また、その話者も2000人以下ということから、土着語は絶滅する危険にさらされている[324]。
中華民国の実効支配地域の言語としては、金門島でも閩南語が話されているが、日本語の影響をほとんど受けていないなど、台湾の台湾語とは相異がある。馬祖島では閩東語が話されている。烏坵郷では本来は莆仙語が話されていたが、現在は閩南語(台湾語)が話されている。
音声言語の他、日本手話と手話語族が同じで、類似点の多い台湾手話を母語とする人たちがいる。
国語は中華人民共和国の普通話と同様に漢字で表記されるが、中華人民共和国で使用されている簡体字ではなく、伝統的な繁体字(正字体)が用いられている。そのため、特別な学習がなければ対応関係が直感的に把握しにくい文字も存在し、読み取りに一定の支障を来すことがある。ただし、日常生活ではある程度略字の使用が行われている(「臺灣」を「台灣」と表記するなど)。
また、日本語の「ひらがな」と類似した学習用の発音記号として注音符号を教育現場などで使用しており、小学生向けの教科書にルビとして振られている他、鉄道貨車の形式を表したりするのに使われている。
人名、地名などのローマ字化としてウェード式、漢語ピンインを中心に、通用ピンインや注音符号二式のような発音表記方式も存在している。
日本統治時代に教育を受けた世代ではひらがなやカタカナを利用している例もあるが、21世紀初頭では仮名文字(台湾語仮名)を使用して台湾語を表記している台湾人は極めて限定的となっている。
近年の研究においては、台湾と日本の文化において「漢字は単なる文字ではなく、思想や美学を表現する手段である」という感情的な共感が一致していることがわかった[325]。
パソコン等の文字入力方法は、マイナーなものも含めれば十数種類の入力方法が存在しているが、習得が容易なことから日本のかな漢字変換に似た注音輸入法がもっとも一般的である。注音輸入法はパソコンだけでなく携帯電話での文字入力にも利用されている。また、習得が困難だが入力速度の速い倉頡輸入法、嘸蝦米などもプロ向けの入力方法として人気がある。
郷土言語として台湾語、客家語、原住民の言語が義務教育に組み込まれている。2019年度からは東南アジアの7言語が加わった[326]。初等教育の3年目から英語の授業が始まる[327]。


台湾では政教分離を基本とし、また中華民国憲法(第二章第十三条)により宗教信仰の自由が保障されているため、国内では各種宗教が自由に存在し、布教されている。
内務省は奉仕活動などを行っている宗教団体を宗教公益獎として表彰している。この表彰は遅くとも2001年に始まり、現在[328]まで続いている[329]。
台湾における宗教は、道教・キリスト教・仏教が特に盛んであり、人々は今日でも宗教と深く結び付いている。道教は二大系統のうち、正一教(天師道)の系譜に連なる。キリスト教は、プロテスタントが多数派であり、なかでも台湾基督長老教会が最も信徒の多い教派である。仏教は、1980年代頃から信徒数が急増し、なかでも仏光山・慈済・法鼓山・中台禅寺・霊鷲山の台湾仏教五座山の諸派が盛んである。
| 宗教名 | 信徒数 | 宗教施設数 | 聖職者数 |
|---|---|---|---|
| 道教 | 799,422 | 9,527 | - |
| 新教(プロテスタント) | 384,576 | 2,517 | 4,362 |
| 天主教(カトリック) | 177,641 | 710 | 1,785 |
| 仏教 | 148,715 | 2,345 | - |
| 一貫道 | 15,682 | 222 | - |
| イスラム教 | 5,952 | 4 | 21 |
| バハイ信教 | 2,265 | 2 | 12 |
| 天理教 | 1,659 | 23 | 80 |
| サイエントロジー | 1,000 | 1 | 30 |
| 儒教 | 790 | 14 | - |
| 軒轅教 | 307 | 8 | - |
| 弥勒大道 | 318 | 4 | - |
| 天徳教 | 185 | 5 | - |
| 理教 | 148 | 6 | - |
| 真光教 | 100 | 1 | 1 |
| 黄中 | 39 | 1 | - |
| 天帝教 | 33 | 1 | - |
| (その他) | 957 | ≧ 6 | ≧ 15 |
政府統計で正式に分類されている主な宗教は、以下の通り。
- 道教
- 基督教(プロテスタント)
- 天主教(カトリック)
- 仏教
- 一貫道 - 清で創設された宗教で、明明上帝を主神とする。
- 回教(イスラム教)- 台湾にはマレーシア経由で日本統治以前に伝来した。後に大陸の回族も中華民国政府とともに渡来した。
- 巴哈尹(バハイ)教 - 1961年に台湾に伝来した。台湾南部を中心に布教しており、1991年以前は大同教と呼ばれていた。
- 天理教 - 1896年に日本から伝来した。
- 理教 - 明で創設された宗教で、観音菩薩を本尊とする。
- 軒轅教 - 1951年に台湾で創設された道教系の宗教で、台北市に総本部がある。
基本的に1950年から1970年の20年間に、宗教は経済によって成長してきたが、政治によって抑制され、社会の受動的な立場にあった[330]。
現在の台湾の教育制度は、中華民国憲法の規定(第二十一条、第百六十条)と各種の教育関連法に基づいて体系化されている。学制は日本と同じ6・3・3・4制が採用され、国民小学6年、国民中学3年、高級中学(日本で言う高等学校に相当)3年、大学4年となっている。ただし大学の教育、建築学部は5年、歯学部6年、医学部は7年となっている。普通学校と並行して特殊学校(盲学校、聾学校、養護学校など)と補習学校(専科学校や語学学校など)がある。義務教育(台湾語では国民敎育)は、当初は国民小学の6年のみであったが、今は国民中学3年も含めて9年制となる。学年暦は8月 - 翌年7月まで、日本の4月1日 - 3月31日とは異なる。
2014年度から教育普及、授業料無償、非強制進学、入試免除を基本とする十二年国民基本教育(略称:十二年国教。国民小学から高級中学までの12年間。ただし、義務教育は従来通り9年間)を実施。[331]
2011年から5歳児の幼稚園・保育所の学費(入園料や保育料)は無償であり(5歳児の公立幼稚園・保育所の学費は無償、5歳児の私立幼稚園・保育所の学費補助金は幼児1人につき毎学年3万ニュー台湾ドルまで)、2014年から6-17歳の学齢児童の教育は無償である[332]。
一般に台湾人は教育に熱心であり、国語(標準中国語)識字率は98.29%(2012年度)に達する。しかし教育熱心な人が多いゆえに台湾は学歴社会となっており、就職では日本以上に学歴が重視される傾向にある。大学への進学率は84.2%(2020年度)[333]。特に有名高等中学校・大学への入試は熾烈を極める。大学進学・卒業後に海外の大学・大学院へ留学する学生も多く、台湾には日本やアメリカの大学・大学院が出した学位・博士号を持つ者も多い。

大学には総合大学のほかに短期大学(2年制)、工科大学、文科大学、国立空中大学(日本の放送大学に相当)があり、2023年度時点で大学総数148校、学生総数は約114万人に及ぶ[334]。このような大学増設の影響から、最近では大学合格率が100%を超える問題も生じている。
台湾社会は、韓国や日本と同様に強い学歴社会であり、進学競争が激しい傾向にある。特に、医師、法律家、著名大学への進学は狭き門となっており、若年層が受験・就職・昇進といった様々な競争にさらされている。この過度な競争は、若者の精神衛生や社会的な幸福度に影響を与えているとの指摘がある[335]。

文科系進学者よりも理科系進学者が、優秀とみなされる[要出典]。理科系における名門大学は、台北市の国立台湾大学(台北帝国大学,昭和3年)(1945年改編)、新竹市の国立清華大学(1955年復校)と国立交通大学、台南市の国立成功大学(1961年創立)である。文科系では台湾大学や台北市の国立政治大学(1954年復校)が、一流の進学先とみなされている。
国外には華僑子息・子女のための教育機関として、約3750校の華僑学校(日本での名称は中華学校)が設置されており、日本には横浜中華学院、東京中華学校、大阪中華学校の3校がある。日本の華僑学校は歴史が古く、1897年(明治30年)に孫文が設立した私塾に由来する。華僑学校は中国語教育および中華文化の普及を目的としている。教育対象の年齢は各学校によって異なる。
スイスのローザンヌに拠点を置くビジネススクール、国際経営開発研究所が発表した最新の『2021年世界人材ランキング』で、台湾は64カ国・地域中、16位だった。前年より順位を4つ上げた。アジアの国・地域に限った場合、台湾は11位の香港、12位のシンガポールに続いて3位で、34位の韓国や39位の日本を上回った[336][337]。一方、オーストラリアに本部を置き、アメリカ、オランダ、メキシコ、ベルギーなどに支部を持つ経済平和研究所は、2022年の世界163カ国中、人的資本で日本が1位、台湾が32位と発表した[338]。
台湾は伝統的には夫婦別姓であるが、相手の姓に変更することも可能となっている。また、1985年民法において、冠姓が義務づけられていたが、当事者が別段の取り決めをした場合はその取り決めに従うとされていた[339]。その後1998年の改正で、原則として本姓をそのまま使用し、冠姓にすることもできると改められた。職場では以前から冠姓せず本姓を使用することが多かったという[340]。子供の姓は、原則的に父系の姓が適用されていた(入婿の場合は逆)が、1985年の改正で、母に兄弟がない場合は母の姓にすることもできるようになった。この結果、兄弟別姓が可能である[340]。これも男女平等原則の違反とされ、2008年の戸籍法改正で父の姓か母の姓か両親が子供の姓を合意し、両方の署名を入れ役所に提出することとなった。合意に至らない場合は役所が抽選で決める[341]。
男女間の格差を指数化した国連開発計画(UNDP)の「ジェンダー不平等指数(GII)」に則り台湾が独自に行った評価で、台湾の2014年のジェンダー不平等指数(GII)は世界で5番目に格差が少ないとの結果が出ている。台湾はジェンダー不平等指数(GII)が低く、男女平等の度合いが世界5位、アジアでは1位だった[348]。
男女間の給与格差は、2016年に女性の平均時給は264.6ニュー台湾ドルなのに対して男性のそれは307.7ニュー台湾ドルと14.0%の格差がある、男性を100とした賃金格差は過去最小の86.0だった[349]。
台湾内の営利企業の企業トップに占める女性の割合は2015年末時点で36.1%に上り、過去最高を更新した。国内の営利企業数は133万3000社。女性比率は過去最高ながらも、2010年と比較した上昇幅はわずか0.5ポイントに留まった[350]。
世界銀行が発表した世界のジェンダー平等に関する最新の報告書「女性・ビジネス・法律2019」で、台湾は世界187カ国中、世界35位に入り、アジアでは首位となった。同報告書によると、台湾が100点満点中91.25点と、香港(86.25点)や韓国(85点)、米国(83.75点)を上回った[351][352]。
台湾は比較的治安の良い地域として知られており、国際的な評価でも犯罪発生率は低い水準にある。具体的には、テロリズムや組織犯罪のリスクを評価する国際的な安全指数(例:グローバル・テロリズム・インデックス)においても低いリスクと評価されることが多い[353]。
しかし、近年は国際的な薬物犯罪のルートとして台湾が利用される事例も報告されており、特に違法薬物の密輸・摘発が増加傾向にある。台湾当局は、国際的な犯罪組織への対策として国境での取締り強化と国際協力の推進を図っている。
現在の台湾の社会保障制度には,社会保険制度および社会福祉(税財源)の仕組みによる制度が存在する。前者は,医療保険(全民健康保険),年金保険(労工保険,公教人員保険,軍人保険)のほか,労働災害保険(労工保険,労災保険,農民職業災害保険等)や雇用保険(就業保険)がある。後者は,老人福祉,児童・少年福祉,身体障害者福祉,中收入・低收入家庭福祉等において,それぞれの法律に基づく福祉サービスが実施されている。特に,高齢者などの介護サービスは,老人福利法のほか,「長期照顧十年計画2.0」(介護サービス提供体制整備プラン)などに基づいて提供されている。さらに,公的扶助制度として,社会救助法に基づく制度がある。なお,社会保障を所管する省庁として,衛生福利部(社会福祉,医療行政を所管),労働部(労働行政を所管)などがある。
台湾の社会保障制度からの支出額(社会支出)は2022年度で2兆5,342億新台湾ドルであり,対GDP比は11.2%である。その主な機能別支出は,高齢が45.4%,保健医療が36.4%などとなっている[354]。
台湾の高齢期の所得保障制度(台湾の年金制度)
[編集]台湾の高齢期の所得保障制度の体系によると,第0層は社会福祉制度からの給付であり(公的扶助である「社会救助」を除く),中低収入老人生活手当などの制度が位置づけられている。これらは無拠出(税方式)で,所得などの条件に該当する高齢者を対象とした手当である。その上の第1層が社会保険制度であり,台湾の年金制度(公的な年金制度)はここに位置づけられる。具体的には,軍人保険,公教人員保険,労工保険,農民健康保険,国民年金が該当する,その上の第2層は,(法律に基づく)退職金制度である。軍人,公務員や教職員,民間の雇用者等にそれぞれ該当する制度がある。第3層は個人保障とされる部分で,個人民間保険(個人年金),貯蓄,家族による経済的支援があてはまる[355]。
このように,台湾の年金制度(公的な年金制度)は高齢期の所得保障の基礎として位置づけられている。また,国民年金の実施(2008年)により,制度的には国民皆年金が達成されている。
| 台湾の高齢期の所得保障制度 | ||||||
| 職業等
階層 |
軍人 | 公務員・教職員 | 雇用者 | 農民 | 自営業者など | |
|
個人保障 |
個人民間保険,個人貯蓄,家族による支援 | |||||
|
退職金 制度 |
(DB/年金) |
|
(DC) |
労働者退職金制度 (DC)(新)
(DB)(旧) |
(DC) |
|
|
社会保険 |
軍人保険 (DB) | 公教人員保険 (DB) | 労工保険 (DB/年金) | 農民健康保険 | 国民年金保険
(DB/ 年金) | |
| 第0層
社会福祉 |
退役軍人給付,中低收入老人生活手当,老年基本保障年金,原住民族給付,老年農民福祉手当 | |||||
| 注:DBは確定給付,DCは確定拠出の制度を指す。
下線部は国民年金制度の一環としての給付。太字は農民健康保険からの給付。 台湾の年金制度(公的な年金制度)は第1層の社会保険制度に位置づけられる。 引用:国家発展委員会人力発展処(2021),我国老年経済安全制度概況,老年経済安全制度専刊第5期(頁3)。 | ||||||
経済発展で所得が増え、2012年の台湾人海外旅行者数は1000万人を突破、台湾人海外旅行者の増加傾向が続いている[356]。交通部観光局(日本の国土交通省観光庁と日本政府観光局(JNTO)に相当)によると、2019年の台湾人出国者数は前年比2.7%増(前年比45万6651人増)の1710万1335人となった。人口比で見た2019年の台湾人海外出国率(国外旅行者/人口)は前年比1.9%増の72.46%(ほぼ総人口の4分の3を占める程度)となった[357]。
台湾では日本観光は既に相当な人気となっている。訪日台湾人観光客は2018年で475万人で、台湾の人口約2358万人からすれば5人に1人が訪れた計算になる。訪日外国人の中では、中国(838万人)、韓国(753万人)に次いで多い[358]。
2017年の台湾寄港クルーズ船旅客数は114万人で、過去最高を更新した。台湾のクルーズ船市場規模は2016年に続きアジアの国・地域別で2位となった[359]。
観光庁の2024年の『訪日外国人消費動向調査』によると、2024年の訪日外国人の旅行消費額(速報)は、8兆1257億円で過去最高となった。国・地域別では、台湾が1兆897億円で2位(構成比13.4%)となった。一般客一人当たりの旅行支出では、台湾は18万7512円となった。訪日外国人の国・地域別でみると、韓国が879万人と最も多く、中国(611万人)、台湾(577万人)と続いた[360]。
労働部(日本の厚生労働省に相当)の『2017年7月職類別薪資調査』(2017年7月の職業別給与動向調査結果)によると、主な週休制の形態をみると、「何らかの週休二日制」を採用している企業割合は89.33%となっている。「完全週休二日制」を採用している企業割合は、87.51%となっている。これを産業別にみると、金融業・保険業が100%で最も高く、宿泊業・飲食サービス業が52.64%で最も低くなっている[361]。
同調査によると、週休制の形態別適用労働者割合をみると「何らかの週休二日制」が適用されている労働者割合は93.99%、「完全週休二日制」が適用されている労働者割合は92.96%となっている。これを産業別にみると、金融業,保険業が100%で最も高く、宿泊業,飲食サービス業が63.29%で最も低くなっている[362]。
立法院院会は2025年5月9日、国定休日(祝日)を新たに4日追加することを盛り込んだ「紀念日・節日実施条例」案を可決した。2025年5月28日には総統の公布を経て施行される。条例施行で、今後の春節(旧正月)連休は最低でも7連休になる。2025年時点で合計16日ある[363][364]。
台湾の出生率が極めて低いことの原因は多いが、特に、適齢期の若者で結婚する人の割合が低いこと、仕事と家庭の両立が難しいこと、そして経済的な原因の3つが主な原因として挙げられる。行政院(内閣に相当)は2030年までに合計特殊出生率を1.4に引き上げる目標を掲げる[365][366]。一方で出生率低下に歯止めはかからず、2025年の合計特殊出生率は1を下回る状態となった[367]。
少子化を改善するために今回打ち出した三大措置はまず、「公共化」された教育と保育サービスの拡大。具体的には公設託児施設・行政が設け、民間が運営する託児施設(「公共化」された「0〜2歳児保育サービス」)、並びに公立の「幼児園」(幼稚園と託児所が統合した施設、日本の幼保連携型認定こども園に相当)と非営利の「幼児園」の増設(「公共化」された「幼児園」の増設)。そのうち0歳児から2歳児を対象とし、公設託児施設・行政が設けて民間が運営する託児施設(「公共化」された「0〜2歳児保育サービス」)は2018年から2022年までに受け入れ許容量で5,280人分増やす。0歳から2歳までの幼児を、公設託児施設・行政が設け、民間が運営する託児施設(「公共化」された「0〜2歳児保育サービス」)に預ける場合、総合所得税率(世帯全体の所得税率)が20%以下の一般家庭(年間所得123万新台湾ドル以下の世帯)ならば衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)が幼児1人につき毎月3,000新台湾ドル(保護者負担軽減補助金)を補助する。また中低所得世帯の場合、衛生福利部の毎月の補助金(保護者負担軽減補助金)は1人あたり5,000新台湾ドル、低所得世帯の場合は同7,000新台湾ドルに増額する。そして第3子から政府はさらに1,000ニュー台湾ドル上乗せし、保護者の毎月の負担を1,000新台湾ドル軽減する。この措置は2018年8月から実施する。2歳児から5歳児を対象とした公立および非営利の「幼児園」(「公共化」された「幼児園」)は2017年から2022年までに2,247クラス、6万人分あまり増やす。公立の「幼児園」に通う幼児は、「幼児園」の学費(入園料や保育料)の無償化が実施される(幼児1人につき毎月2,500新台湾ドルを負担する)。非営利の「幼児園」(「公共化」された「幼児園」)に通う幼児は、非営利の「幼児園」の料金と保護者の負担可能な金額との費用を政府が軽減する。したがって、非営利の「幼児園」(「公共化」された「幼児園」)に一般家庭の幼児が通う場合、非営利の「幼児園」の料金は幼児1人につき毎月3,500新台湾ドルを負担する。そして第3子から政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、保護者の毎月の負担を1,000ニュー台湾ドル軽減する(幼児1人につき毎月2,500新台湾ドルを負担する)。「公共化」された「幼児園」に中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料[365][366][368]。この措置は2021年8月から政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、そして第2子政府はさらに1,000新台湾ドルおよび第3子以降政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、保護者の毎月の負担を1,000新台湾ドルと第2子保護者の毎月の負担を2,000新台湾ドルおよび第3子以降保護者の毎月の負担を3,000新台湾ドル軽減する、2022年8月にはさらに保育サービスの補助金1,500新台湾ドルおよび幼児園の保護者負担軽減額500新台湾ドルに増額する[369]。2023年1月から、子育て世帯全員に支給される(所得制限なしの子ども支援)[370]。2024年1月から政府はさらに1,500新台湾ドル上乗せし、そして第2子政府はさらに1,000新台湾ドルおよび第3子以降政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、保護者の毎月の負担を1,500新台湾ドルと第2子保護者の毎月の負担を2,500新台湾ドルおよび第3子以降保護者の毎月の負担を3,500新台湾ドル軽減する。また中低所得世帯の幼児が通う場合、政府はさらに1,000新台湾ドルおよび低所得世帯の幼児が通う場合政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、中低所得世帯の幼児の保護者の毎月の負担を1,000新台湾ドルと低所得世帯の幼児の保護者の毎月の負担を2,000新台湾ドル軽減する[371]。
第2に、私立の「幼児園」と私立の託児施設の「準公共化」。政府は規定を満たす保母、私立の託児施設、私立の「幼児園」と契約したり(「準公共化」された教育と保育サービス)、補助金(保護者負担軽減補助金)を提供したりして保護者の託児・育児費用を一部負担する。研究によれば、保護者が毎月負担可能な託児・育児費用は可処分所得の約10%から15%で、8,000新台湾ドルから1万2,000新台湾ドル。将来的には私立の託児施設もしくは私立の「幼児園」の料金と保護者の負担可能な金額との差額を政府が補助する(保護者負担軽減補助金)。0歳から2歳までの幼児を、政府と契約して「準公共化」された保母、もしくは私立の託児施設に預ける場合(「準公共化」された「0〜2歳児保育サービス」)、総合所得税率(世帯全体の所得税率)が20%以下の一般家庭(年間所得123万新台湾ドル以下の世帯)ならば衛生福利部が幼児1人につき毎月6,000新台湾ドル(保護者負担軽減補助金)を補助する。また中低所得世帯の場合、衛生福利部の毎月の補助金(保護者負担軽減補助金)は1人あたり8,000新台湾ドル、低所得世帯の場合は同1万新台湾ドルに増額する。そして第3子から政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、保護者の毎月の負担を1,000新台湾ドル軽減する。この措置は2018年8月から実施する。2歳から5歳までの幼児について(「準公共化」された「幼児園」)は、「幼児園」の料金基準と個々の家庭の収入に応じて、幼児1人あたり毎月3,500新台湾ドルから1万新台湾ドルの補助金(保護者負担軽減補助金)を業者に支給する。「準公共化」された「幼児園」に一般家庭の幼児が通う場合、「準公共化」された「幼児園」の料金は幼児1人につき毎月4,500新台湾ドルを負担する。そして第3子から政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、保護者の毎月の負担を1,000新台湾ドル軽減する(幼児1人につき毎月3,500新台湾ドルを負担する)。「準公共化」された「幼児園」に中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料[365][366][368]。この措置は2021年8月から政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、そして第2子政府はさらに1,000新台湾ドルおよび第3子以降政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、保護者の毎月の負担を1,000新台湾ドルと第2子保護者の毎月の負担を2,000新台湾ドルおよび第3子以降保護者の毎月の負担を3,000新台湾ドル軽減する、2022年8月にはさらに保育サービスの補助金1,500新台湾ドルおよび幼児園の保護者負担軽減額500新台湾ドルに増額する[369]。2023年1月から、子育て世帯全員に支給される(所得制限なしの子ども支援)[370]。2024年1月から政府はさらに4,500新台湾ドル上乗せし、そして第2子政府はさらに1,000新台湾ドルおよび第3子以降政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、保護者の毎月の負担を4,500新台湾ドルと第2子保護者の毎月の負担を5,500新台湾ドルおよび第3子以降保護者の毎月の負担を6,500新台湾ドル軽減する。また中低所得世帯の幼児が通う場合、政府はさらに1,000新台湾ドルおよび低所得世帯の幼児が通う場合政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、中低所得世帯の幼児の保護者の毎月の負担を1,000新台湾ドルと低所得世帯の幼児の保護者の毎月の負担を2,000新台湾ドル軽減する[371]。
第3に、育児手当(日本の児童手当に相当)の拡大。政府は育児手当を支給する対象となる家庭の資格制限を緩和する。また、0歳から4歳までの幼児がみなこれを受け取れるようにする。総合所得税率(世帯全体の所得税率)20%以下の家庭(年間所得123万新台湾ドル以下の世帯)であるか、「公共化」もしくは「準公共化」サービスも受けていないならば、0歳から4歳までの幼児がいた場合、幼児1人あたり毎月2,500新台湾ドル、年間で3万新台湾ドルが受け取れる。第3子以降はさらに1,000新台湾ドルが支給される。また中低所得世帯の場合、育児手当は幼児1人あたり毎月4,000新台湾ドル(年間で4.8万新台湾ドル)、低所得世帯の場合は幼児1人あたり毎月5,000新台湾ドル(年間で6万新台湾ドル)を受け取れる。第3子以降はさらに1,000新台湾ドルが支給される[365][366][368]。この育児手当拡大方法は2018年8月から実施する。この措置は2021年8月から政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、そして第2子政府はさらに1,000新台湾ドルおよび第3子以降政府はさらに1,000新台湾ドル上乗せし、2022年8月にはさらに1,500新台湾ドルに増額する。また「私立幼児園」に一般子育て家庭の5歳児が通う場合、保護者は育児手当と同額の学費補助金を受け取れる[369]。2023年1月から、子育て世帯全員に支給される(所得制限なしの子ども支援)[370]。
| 出生順 | 【0~2歳】「公共化」された 「0〜2歳児保育サービス」 |
【0~2歳】「準公共化」された 「0〜2歳児保育サービス」 |
【2~5歳】公立「幼児園」 | 【2~5歳】非営利の「幼児園」 (「公共化」された「幼児園」) |
【2~5歳】「準公共化」された「幼児園」 | 【0~4歳】育児手当 ・【5歳】私立「幼児園」 |
【6~17歳】12年国民基本教育 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1子 | 2024年1月から:
幼児1人につき毎月7,000新台湾ドル(保護者負担軽減補助金)を補助する。 中低所得世帯の場合、衛生福利部の毎月の補助金(保護者負担軽減補助金)は1人あたり9,000新台湾ドル。 低所得世帯の場合は同11,000新台湾ドルに増額する。
|
2024年1月から:
衛生福利部が幼児1人につき毎月13,000新台湾ドル(保護者負担軽減補助金)を補助する。 中低所得世帯の場合、衛生福利部の毎月の補助金(保護者負担軽減補助金)は1人あたり15,000新台湾ドル。 低所得世帯の場合は同17,000新台湾ドルに増額する。
|
2022年8月から:
学費(入園料や保育料)の無償化(幼児1人につき毎月1,000新台湾ドルを負担する)。 中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料。 |
2022年8月から:
幼児1人につき毎月2,000新台湾ドルを負担する。 中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料。 |
2022年8月から:
幼児1人につき毎月3,000新台湾ドルを負担する。 中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料。 |
2023年1月から:
「公共化」もしくは「準公共化」サービスも受けていないならば、0歳から4歳までの幼児がいた場合、幼児1人あたり毎月5,000新台湾ドル、年間で6万新台湾ドルが受け取れる。 中低所得世帯の場合、育児手当は幼児1人あたり毎月6,500新台湾ドル(年間で7.8万新台湾ドル)。 低所得世帯の場合は幼児1人あたり毎月7,500新台湾ドル(年間で9万新台湾ドル)を受け取れる。 5歳児が私立幼児園に通う場合: また「私立幼児園」に子育て家庭の5歳児が通う場合、保護者は育児手当と同額の学費補助金を受け取れる。 |
小学校から高校まで12年間の義務教育。 6-17歳の学齢児童の教育は無償である。 |
| 第2子・第3子以降 | 2024年1月から: 第2子: 幼児1人につき毎月8,000新台湾ドル(保護者負担軽減補助金)を補助する。 中低所得世帯の場合:毎月1人あたり10,000新台湾ドルを補助する。 低所得世帯の場合:毎月1人あたり12,000新台湾ドルを補助する。 第3子以降: 幼児1人につき毎月9,000新台湾ドル(保護者負担軽減補助金)を補助する。 中低所得世帯の場合:毎月1人あたり11,000新台湾ドルを補助する。 低所得世帯の場合:毎月1人あたり13,000新台湾ドルを補助する。 |
2024年1月から: 第2子: 幼児1人につき毎月14,000新台湾ドル(保護者負担軽減補助金)を補助する。 中低所得世帯の場合:毎月1人あたり16,000新台湾ドルを補助する。 低所得世帯の場合:毎月1人あたり18,000新台湾ドルを補助する。 第3子以降: 幼児1人につき毎月15,000新台湾ドル(保護者負担軽減補助金)を補助する。 中低所得世帯の場合:毎月1人あたり17,000新台湾ドルを補助する。 低所得世帯の場合:毎月1人あたり19,000新台湾ドルを補助する。 |
2022年8月から:
第2子および第3子以降: 学費(入園料や保育料)の無償化。中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料。 |
2022年8月から:
第2子: 幼児1人につき毎月1,000新台湾ドルを負担する。中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料。 第3子以降: 学費(入園料や保育料)の無償化。 中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料。 |
2022年8月から:
第2子: 幼児1人につき毎月2,000新台湾ドルを負担する。中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料。 第3子以降: 幼児1人につき毎月1,000新台湾ドルを負担する。 中低所得世帯と低所得世帯の幼児が通う場合は無料。 |
2023年1月から: 「公共化」もしくは「準公共化」サービスも受けていないならば、0歳から4歳までの幼児がいた場合: 第2子: 幼児1人あたり毎月6,000新台湾ドル、年間で7.2万新台湾ドルが受け取れる。 中低所得世帯の場合:幼児1人あたり毎月7,500新台湾ドル(年間で9万新台湾ドル)。 低所得世帯の場合:幼児1人あたり毎月8,500新台湾ドル(年間で10.2万新台湾ドル)を受け取れる。 第3子以降: 幼児1人あたり毎月7,000新台湾ドル、年間で8.4万新台湾ドルが受け取れる。 中低所得世帯の場合:幼児1人あたり毎月8,500新台湾ドル(年間で10.2万新台湾ドル)。 低所得世帯の場合:幼児1人あたり毎月9,500新台湾ドル(年間で11.4万新台湾ドル)を受け取れる。 5歳児が私立幼児園に通う場合:第2子および第3子以降: また「私立幼児園」に子育て家庭の5歳児が通う場合、保護者は育児手当と同額の学費補助金を受け取れる。 |
小学校から高校まで12年間の義務教育。 6-17歳の学齢児童の教育は無償である。 |
台湾の外国専業人材(外国人専門人員)の招聘雇用の促進および国際競争力の向上のために、2017年10月31日に「外国専業人才延攬及雇用法(外国籍専門人員募集及び雇用法)」を可決、2018年2月8日より施行。法案では外国専業人材(外国人専門人員)を一般外国専業人材(一般の外国籍専門人員、芸術家や塾講師を含む)、外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)、外国高度専業人材(外国籍高度専門人員)に分類。外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)は、所管機関が定めるテクノロジー(科学技術)、経済、教育、文化芸術、スポーツ、金融、法律、建築設計の8大分野における高い専門性や技術力を持つ人材と定義される。同法律は外国籍で特定の専門人員(外国特定専業人材)を台湾に招聘することが目的。就労ビザや居留規定(在留資格)の緩和、租税優遇、健康保険、定年退職、求職者への停留ビザの発給などによって外国人により優しい環境を整えることで、高い専門性や優れた技能を有する外国人の台湾での就労を促す。テクノロジー(科学技術)、経済、教育、文化芸術、スポーツ、金融、法律、建築設計の8大分野で特定の人材(高度の専門的な能力を有する人材)を台湾に招聘することを目指す。対象例は以下の通り[372][373]。
A:テクノロジー(科学技術)分野では、ナノテクノロジー、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、VR(バーチャルリアリティ)など先端技術の上で傑出した研究開発とデザイン、もしくはスタートアップの実績を持つ人員。
B:経済分野では、半導体、バイオ医療材料、グリーンエネルギー(再生可能エネルギー)などの企業で専門的、もしくは分野を超えた総合的な職務に就いていた人員。
C:金融分野では、フィンテック(FinTec)、デジタル経済などの産業が必要とする金融分野の専門人員[372][373]。
こうした専門人員を台湾に引き付けるための具体的な措置は以下の通り。
A:「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」の在留期間を最長5年まで延長される(この期間は更新することができる)。
B:「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」としての「就業金卡(就業ゴールドカード)」を発行する(有効期間は1~3年とし、期間満了後に再申請できる)。これは「工作許可(就労許可)」、「居留簽證(居留ビザ)」、「外僑居留証(外国人居留証)」、「重入国許可(再入国許可)」の四つの証明を一つにまとめたもので、これを取得した人は台湾における自由な求職活動と転職が可能になる。
C:初めて台湾に居留する「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」には、最初の3年間、給与所得で年間300万ニュー台湾ドルを超えた部分に対する課税を半額とする租税優遇措置を提供する。
D:永久居留権(永住権)を取得した「外国専業人材(外国人専門人員)」はこれまで、永久居留証を取得した翌年以降、年間滞在日数が183日に満たない場合、永久居留証が取り消されるという規定があったが、この規定が廃止された。
E:全民健康保険(日本の国民健康保険に相当)加入に関する制限を緩和し(台湾滞在満6カ月の要件を廃止)、定年退職に関連した保障も強化する(永久居留権(永住権)を取得する「外国専業人材(外国人専門人員)」は、労働者定年退職金条例を適用する。国公立の学校に雇用される現職の専任教師については、台湾の国公立学校教員と同じ退職金制度が適用される。また、退職金を全額一度に受け取るか、月払いで受け取るかを選択することができる。)。さらに配偶者や子女の永久居留権(永住権)申請に関する規定も緩和(「外国専業人才(外国人専門人員)」が永久居留証(永住権)を取得した場合、その配偶者、未成年の子女、心身障害者であるため生活能力がない20歳以上の子女についても、一定の条件を満たせば永久居留証(永住権)を取得できる。)、成人した子女には就労許可などを与える。
これとは別に、「一般外国専業人材(一般の外国籍専門人員)」にも「求職ビザ」を発給し、台湾での職探しをしやすくする(台湾において「一般外国専業人材(一般の外国籍専門人員)」に該当する職業の就職活動を行う場合、在留期間最長6カ月の停留ビザを発行する)。また、フリーの芸術家(アーティスト)が台湾で自由に依頼を受けたり、創作活動を行うことを認める。さらに予備校や学習塾が専門知識や技術を有する外国籍教師を雇用することを認める[372][373]。
従来、外国人は外国語の教師でなければ予備校や学習塾で教えることはできなかったが、「外国籍専門人員募集及び雇用法」では専門知識や技術を持つ外国人が予備校や学習塾で授業を行うことを認める。経済部(日本の経済産業省に相当)ではすでに、例えばエレクトロニック・スポーツの選手など、コンピューターゲーム、CG動画、VR(バーチャルリアリティ)・AR(拡張現実)などの産業で雇用される外国人が予備校や学習塾で実際の技術を教えることを認めると予告している[372][373]。
また、経済部、科技部(日本の科学技術庁に相当)、教育部(日本の文部(科学)省に相当)などの関係部署はさらに、「外国特定専業人才((外国籍で特定の専門人員))」として認められる外国人の資格要件も予告中。それによれば、給与は文化芸術およびスポーツ分野の人員を除いて、月額16万ニュー台湾ドル以上。さらに学歴や特殊な専門能力などの面でも条件が定められる[372][373]。
これら「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」は「就業金卡(就業ゴールドカード、「工作許可(就労許可)」、「居留簽證(居留ビザ)」、「外僑居留証(外国人居留証)」、「重入国許可(再入国許可)」等4機能を含む)」を申請でき,自由に仕事を探し,転職することも可能。また,來台して3年間は年間收入が300万ニュー台湾ドルを超えた部分の課稅は半額となる[372][373]。
この「就業金卡(就業ゴールドカード)」を取得した外国人は、雇用者を通して就労許可を申請することなく、自由に求職活動や転職活動を行うことができるほか、台湾へやって来る家族についても最長1年間の停留が認められることになる(「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」の直系尊属の訪問ビザの停留期間を1年までに延長する)。初めて台湾で生活する外国人の場合は、その課税年度の翌年から起算して3年間、年収300万ニュー台湾ドルを超える部分の半額を、総合所得税免除の対象とする優遇措置が適用される。「就業金卡(就業ゴールドカード)」の申請があれば、関連省庁が30日以内にあらゆる審査を行う。最も早ければ2週間程度でカードが発行されるという[372][373]。
工作許可(就労許可)の申請先では、台湾の雇用者が外国専業人材(外国人専門人員)を雇用する場合は、これまで通り労働部(日本の労働省に相当)に申請する必要があるが、教育機関が外国人講師を雇用する場合の申請機関は教育部となる。「外国専業人才延攬及雇用法(外国籍専門人員募集及び雇用法)」は、香港、マカオ地域の住民も対象となる。
従来、外国人が働くために台湾にやって来るには、まず台湾に雇い主がいることが条件だったが、新たな法律では「求職ビザ」で台湾にやって来て仕事を探すことが出来るようになる(台湾において「一般外国専業人材(一般の外国籍専門人員)」に該当する職業の就職活動を行う場合、在留期間最長6カ月の停留ビザを発行する)。同ビザの発給対象は年間で2,000人が上限。外交部はすでに申請条件を予告している。それによれば、条件は働いた経験があること、過去6カ月の平均給与が4万7,971ニュー台湾ドル以上であること。また、働いた経験が無い場合は、世界の大学ランキング上位500校を卒業していることが条件。また、フリーの芸術家(アーティスト)が雇用者を経ないまま、個人での労働許可を申請できるようにする。文化部は関連の規定を予告中。映画や流行音楽、テレビ、ラジオ関連の事業に従事していて資格を満たす人は、台湾にやって来て働くことを申請できる[372][373]。
外国人専門人員の招聘に向けて、国として手続き上での環境を整備する。政府は国家レベルの人材誘致プラットホームとして「Contact Taiwan」と単一窓口も開設した。 A:ワンストップ型の申請プラットフォームを設置する。内政部はすでに「外国専業人材申辦窓口平台(外国籍専門人員申請窓口プラットフォーム」)を設置し[374]、「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」が「就業金卡(就業ゴールドカード)」をオンライン申請できるようにしており、台湾で手続きを行う上での利便性を大きく高めている。 B:「インターネットと実体の統合、世界とのリンク」というワンストップ型の人材募集メカニズムを確実に執行するため、関連の情報は国家レベルの人材招聘ポータルサイト、「Contact Taiwan」で公開する[375]。同時に、経済部の「招商投資服務中心(Invest Taiwan)」と連携し、専門スタッフによる人材募集とコンサルタントサービスを提供する[373]。外国の専門分野の人材はこれらのプラットホームを通じて台湾での就労を申請することができ、利便性が高まったほか、手続きも簡素化された。
なお、「一般外国専業人材(一般の外国籍専門人員)」、「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」の他、「外国高級専業人材(外国籍高度専門人員)」という資格も存在する。これは、「出入国及び移民法」が定める、国内で必要とされる「高級専業人材(高度専門人員)」のこと。科学、研究、商工業面での特殊な専門能力を持つ人員、および国際的なコンテストで賞を受けた人などが対象[372][373]。科学技術や経済などの分野で国の利益に貢献し、中央政府の各主務機関の推薦を受けた外国高級専業人材(外国籍高度専門人員)は、元の国籍を保持したまま帰化できる。
外国籍の専門人材を誘致し、台湾に引き留める誘因を増やすため、「外国専業人才延攬及雇用法(外国籍専門人員募集及び雇用法)」の改正案は、2021年6月18日に立法院(国会)にて可決、同年7月7日に総統により公布され、同年10月25日に行政院により施行。今回の改正では、専門分野、専門職の認定を緩和し、就労と居留の規制を大幅に緩和し、社会福祉を強化し、租税優遇を延長した[376][377]。
国家発展委員会は2023年1月31日、外国特定専門人材の許可件数が1万人を突破したと明らかにした。台湾は2018年2月に「外国専業人才延攬及雇用法(外国籍専門人員募集及び雇用法)」を施行して以来、外国人専門人材の誘致やつなぎ留めを進めている[378]。2024年7月には、「就業金卡(就業ゴールドカード)」の発給枚数が1万枚を突破した[379]。同委の統計によれば、2025年4月末までに累計1万3191人に発給し、国別では米国(3247人、全体の24.6%)、香港(1519人、11.5%)、日本(1003人、7.6%)の順に多かった[380]。
労働部が2024年5月5日までに発表した統計によると、「外国専門人材」として台湾での就労が許可されている外国人は、2023年末時点で延べ約4万9千人に上り、前年比で約2千人増加した。国籍別にみるとマレーシアが延べ約8千人で、前年の最多だった日本(約6千人)を抜いてトップに躍り出た。台湾は外国専門人材を「専門人材」「特定専門人材」「高級専門人材」の3つに区分している[314]。科学技術や経済などの分野で国の利益に貢献し、中央政府の各主務機関の推薦を受けた高級専門人材は、元の国籍を保持したまま帰化できる。高級専門人材が帰化を申請する場合、現行では年間183日以上合法に居留した事実を3年または5年以上継続することが条件の一つとなっているが、2024年5月7日に国籍法改正後は「年間183日以上合法に居留した事実を2年継続」または「5年以上合法に連続で居留」に緩和される[381]。
国家発展委員会の2024年9月に始まる立法院(国会)の次の会期で提出される「外国専業人才招聘雇用法」改正案について、最もハイエンドな人材の永住権取得条件を緩和し、ポイント制で条件を満たせば最短1年で取得可能とすることが目玉の一つだ。現時点では年収の要件を600万ニュー台湾ドル以上に設定する計画だとしている[382]。
ハイエンド人材の獲得について同委担当者は、最短1年での永住権取得は日本の特別高度人材制度(J-Skip)を参考にしたと説明。「グローバルエリートビザ」を導入予定だとし、年収や学歴などの項目ごとにポイントを設け、合計点によって優遇措置を与える[382]。
また、同委担当者によれば、同委は2028年までに12万人の外国専門人材を誘致する目標を掲げる。外国人留学生の台湾での就職を拡大させる他、IT技術を利用して働きながら旅をする「デジタルノマド」向けのビザを導入するなどの方策を進めていく方針。同委担当者によると、同委が現在準備を進めているデジタルノマドビザでは、最長で6カ月の滞在を認める。現行の規定ではデジタルノマドとして訪台する人の多くはノービザや観光ビザを利用しており、滞在できるのは最長で3カ月だった[382]。
行政院は2018年11月29日、海外からの労働人口の流入増を図ることを目的とした「新経済移民法」の政府原案を決定した。少子高齢化の加速で労働人口が将来的に減少すると予測される中、外国人や海外で生まれそのまま居住する台湾人(僑外生)の人材誘致を進める。「新経済移民法」は(1)「外国専業人才(外国人専門人員、専門性や技術力を持つ外国人)」、(2)「中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」、(3)「投資移民」、(4)「海外国人及其後代(海外在住の台湾人およびその子女)」の永住権取得条件について定めるもの。香港およびマカオ住民も対象となる[383][384]。
行政院は記者会見で、「新経済移民法案」の狙いは2つの問題を解決することだと説明した。そのうちの一つは、産業発展に必要な人材およびマンパワー不足問題。もう一つは少子化に伴う人口危機問題。行政院によると、「新経済移民法案」のうち「中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」を対象にした部分では、台湾の雇用および賃金水準に影響を与えないことを前提に、台湾に長年在住する華僑や外国人、台湾で長年働く外国人(台湾で働く期間が累積6年以上の外国人)などに優先的に永住権を与えるとしている。「中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」の適用対象については(1)台湾の学校を卒業した元留学生、(2)台湾で既に一定期間働く(台湾で働く期間が累積6年以上)中級技能を持つ外国人(台湾で6年以上就労する中級技能を持つ外国人労働者)、(3)海外から新たに招聘する中級技能を持つ外国人の3つに分類し、これらの人々が台湾で働くための条件などを定めている[383][384]。
また、台湾の賃金水準に衝撃を与えることを回避するため、「中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」は賃金分布の70パーセンタイルに相当する月額最低賃金を雇用の条件とする。つまり、産業部門における「技術員(技術スタッフ)、助理専業人員(アシスタント専門スタッフ)、機械操作、組装人員(組立スタッフ)」の賃金分布の70パーセンタイルは4万1,393ニュー台湾ドルとなり、社会福祉部門の「健康照顧人員(介護スタッフ)」の賃金分布の70パーセンタイルは、政府が推進する「長期介護2.0計画」における介護要員と同水準の3万2,000ニュー台湾ドルとなる。台湾人と外国人労働者の賃金のバランスを取ることで、台湾の労働市場に与える衝撃を最低限に抑えるのが狙い[383][384]。
この法律が適用されて台湾で雇用される「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」は、給与が月額16万ニュー台湾ドル以上(文化芸術およびスポーツ分野の人員を除いて)、台湾在住期間が連続3年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上であれば、永住権を申請することができる(外国人専門人員ポイント制による永住権取得条件の優遇措置が導入される)。また、同法律が適用されて台湾で雇用される「一般外国専業人材(一般の外国籍専門人員)」は、給与が月額5万2,842万ニュー台湾ドル以上、台湾在住期間が連続5年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上であれば、永住権を申請することができる(外国人専門人員ポイント制による永住権取得条件の優遇措置が導入される)[383][384]。
行政院によると、「新経済移民法案」では「中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」のうち、(1)台湾の学校を卒業した元留学生、(2)台湾で既に一定期間働く(台湾で働く期間が累積6年以上)中級技能を持つ外国人(台湾で6年以上就労する中級技能を持つ外国人労働者)を優先して台湾につなぎとめるほか、(3)海外から新たに招聘する中級技能を持つ外国人についても雇用の条件を定めているが、この部分については行政院が改めて施行日を定めることになっている[383][384]。
「中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」の台湾での就労には月額最低賃金が定められるほか、中国語能力や過去の就労経験などの条件を審査する。また、雇用人数については産業別に割り当て(クオーター)を設けるほか、総量規制を行う。詳細については別途定める。この法律が適用されて台湾で雇用される「中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」は、台湾在住期間が連続5年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上であれば、永住権を申請することができる[383][384]。
「新経済移民法案」では「中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」について、「技術員、助理専業人員、技芸関連、機械設備操作人員」あるいは「主務官庁が人材不足と認定した技術人材」と定義している。また、適用対象は台湾で学ぶ外国人および華僑留学生、海外青年技術訓練班および新南向専班の学生、中級技能を有するその他の外国人となっている[383][384]。
このほか、この法案では「投資移民」による永住権申請の条件が維持され、「営利事業に1,500万新台湾ドル以上を投資し、かつ台湾人のための雇用機会を5件創出し、満3年以上経過した場合」および「中央政府の公債に3,000万新台湾ドル以上の額を投資して3年以上経過した場合」とされている[383][384]。
行政院院会(閣議)は2022年2月17日、一定の訓練を受けた「ミドルスキル」の外国人労働者のつなぎ留めを図る新制度「外国人労働者定着プログラム(移工留才久用方案)」を決定した。台湾で6年以上働いた外国人労働者や台湾で短期大学士の学位を取得した外国人は条件を満たせば雇用主を通じてミドルスキル人材(外国人中級熟練人材)の申請が可能になり、外国人労働者がミドルスキル人材(外国人中級熟練人材)になった場合、就労期間の上限が事実上撤廃され、ミドルスキルの業務に従事した経験が満5年になれば、永久居留証(永住権)を申請できるようになる。2022年4月末に行政院により施行[385][386]。この政策により、雇用主の負担軽減、労働力の補完、企業での安定性の向上が期待されている。労働部は2030年までに14万人のミドルスキル人材(外国人中級熟練人材)を雇用する目標達成をめざしており、雇用主の申請意欲の高まり、需要の拡大が進んでいる。
| 基準 | 外国高級専業人材 (外国籍高度専門人員) |
外国特定専業人材 (外国籍で特定の専門人員) |
一般外国専業人材 (一般の外国籍専門人員、芸術家や塾講師を含む) |
ミドルスキル人材
(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力) |
投資移民 |
|---|---|---|---|---|---|
| 定義 | 〔入出国及び移民法25条3項2号〕に定める台湾に必要な高級専業人材を「外国高級専業人材(外国籍高度専門人員)」。 | 「外国専業人材」のうち、主務機関が指定する科技・経済等分野の特別な専門知識を有する者を「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」とし。 | 外国人専門人員、専門性や技術力を持つ外国人。芸術家や塾講師を含む。 | ミドルスキル人材(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力)(中級技能を持つ外国人)について、「技術員、助理専業人員、技芸関連、機械設備操作人員」あるいは「主務官庁が人材不足と認定した技術人材」と定義している。
2022年4月末から: 「外国人労働者定着プログラム(移工留才久用方案)」に基づき、一定の技能や給与水準などの要件を満たした外国人労働者がミドルスキル人材(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力)になった場合、就労期間の上限が事実上撤廃され、さらに5年後には永住権の申請が可能となった。対象業種は産業類(製造業、建築業、農業、海洋漁業)と社会福祉類(施設介護、家庭介護)、およびその他中央政府が指定した国家重要産業などとなっている。 経験豊富な外国人労働者に対して、6年以上の勤続および月額最低賃金を雇用などの条件を満たす場合、ミドルスキル人材(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力)へ転換し雇用することができることとした。 |
台湾に移住し投資を行う「投資移民」。 |
| 対象 | 「出入国及び移民法」が定める、国内で必要とされる「高級専業人材(高度専門人員)」のこと。科学、研究、商工業面での特殊な専門能力を持つ人員、および国際的なコンテストで賞を受けた人などが対象。 | テクノロジー(科学技術)、経済、教育、文化芸術、スポーツ、金融、法律、建築設計の8大分野における高い専門性や技術力を持つ人材(8大分野で特定の高度の専門的な能力を有する人材)。 2021年改正:
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外国人専門人員、専門性や技術力を持つ外国人。芸術家や塾講師を含む。
外国籍専門人材の子女を専門としたクラスの教師と実験教育を専門職に取り入れた(外国籍の学科教員、実験教育従事者を追加)。 |
中級技能を持つ外国人。 台湾の雇用および賃金水準に影響を与えないことを前提に、台湾に長年在住する華僑や外国人、台湾で長年働く外国人などに優先的に永住権を与えるとしている。 適用対象
中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」は賃金分布の70パーセンタイルに相当する月額最低賃金を雇用の条件とする。 雇用人数については産業別に割り当て(クオーター)を設けるほか、総量規制を行う。詳細については別途定める。 2022年4月末から: 「外国人労働者定着プログラム(移工留才久用方案)」に基づき、一定の技能や給与水準などの要件を満たした外国人労働者がミドルスキル人材(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力)になった場合、就労期間の上限が事実上撤廃され、さらに5年後には永住権の申請が可能となった。対象業種は産業類(製造業、建築業、農業、海洋漁業)と社会福祉類(施設介護、家庭介護)、およびその他中央政府が指定した国家重要産業などとなっている。 経験豊富な外国人労働者に対して、6年以上の勤続および月額最低賃金を雇用などの条件を満たす場合、ミドルスキル人材(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力)へ転換し雇用することができることとした。 |
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| 外国専業人才(外国人専門人員、専門性や技術力を持つ外国人)として認められる外国人の資格要件 | 〔入出国及び移民法25条3項2号〕に定める台湾に必要な高級専業人材を「外国高級専業人材」とし、さらにそれぞれ優遇規定を適用する。 | 給与は文化芸術およびスポーツ分野の人員を除いて、月額16万新台湾ドル以上。さらに学歴や特殊な専門能力などの面でも条件が定められる。
2021年改正: 修士以上の学位もしくは世界のトップ大学から卒業し、専門的・技術的な仕事を従事するた場合、法的制限を除き、2年の就業経験は必要としない(世界の主要大学の卒業生が来台し就労する場合、実務経験2年を免除)。 |
給与が月額は4万7971新台湾ドル以上(工作許可(就労許可)の月額最低賃金を雇用の条件)。さらに学歴や特殊な専門能力などの面でも条件が定められる。
2021年改正: 修士以上の学位もしくは世界のトップ大学から卒業し、専門的・技術的な仕事を従事するた場合、法的制限を除き、2年の就業経験は必要としない(世界の主要大学の卒業生が来台し就労する場合、実務経験2年を免除)。 |
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| ミドルスキル人材(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力)(中級技能を持つ外国人)として認められる外国人の資格要件 | 中級技能を持つ外国人。 中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)」は賃金分布の70パーセンタイルに相当する月額最低賃金を雇用の条件とする。 雇用人数については産業別に割り当て(クオーター)を設けるほか、総量規制を行う。詳細については別途定める。 台湾の雇用および賃金水準に影響を与えないことを前提に、台湾に長年在住する華僑や外国人、台湾で長年働く外国人などに優先的に永住権を与えるとしている。 適用対象:
中階外籍技術人力(中級技能を持つ外国人)について、「技術員、助理専業人員、技芸関連、機械設備操作人員」あるいは「主務官庁が人材不足と認定した技術人材」と定義している。また、適用対象は台湾で学ぶ外国人および華僑留学生、海外青年技術訓練班および新南向専班の学生、中級技能を有するその他の外国人となっている。 2022年4月末から: 「外国人労働者定着プログラム(移工留才久用方案)」に基づき、一定の技能や給与水準などの要件を満たした外国人労働者がミドルスキル人材(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力)になった場合、就労期間の上限が事実上撤廃され、さらに5年後には永住権の申請が可能となった。対象業種は産業類(製造業、建築業、農業、海洋漁業)と社会福祉類(施設介護、家庭介護)、およびその他中央政府が指定した国家重要産業などとなっている。 経験豊富な外国人労働者に対して、6年以上の勤続および月額最低賃金を雇用などの条件を満たす場合、ミドルスキル人材(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力)へ転換し雇用することができることとした。 月額最低賃金を雇用の条件: 産業部門における「技術員(技術スタッフ)、助理専業人員(アシスタント専門スタッフ)、機械操作、組装人員(組立スタッフ)」:月平均の経常性給与が3万3000新台湾ドル以上、または年間の給与総額が50万新台湾ドル以上に達する必要がある。社会福祉部門の「健康照顧人員(介護スタッフ)」の賃金:機構介護労働者の月平均の経常性給与が2万9000ニュー台湾ドル以上、家庭看護労働者の月平均の給与総額が2万4000ニュー台湾ドル以上に達する必要がある。 なお、雇用主が外国人労働者の技能と居留意欲を考慮し、申請時の段階で給与を産業類では月給3.5万ニュー台湾ドル以上、施設介護(機構介護労働者)では3.1万ニュー台湾ドル以上、家庭介護(家庭看護労働者)では2.6万ニュー台湾ドル以上に引き上げれば、技能証明書の提出を免除できるようにしている。 |
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| 外国人専門職の来台「求職ビザ」申請の条件 | 同右。 |
2021年改正: 修士以上の学位もしくは世界のトップ大学から卒業し、専門的・技術的な仕事を従事するた場合、法的制限を除き、2年の就業経験は必要としない(世界の主要大学の卒業生が来台し就労する場合、実務経験2年を免除)。 公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され、永久居留証(永住権)を取得する者およびその家族呼び寄せは、労働許可証を申請する必要はない。(公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され者、外国籍専門人材およびその家族が永久居留権を取得した場合、労働許可の申請免除。) |
外国人専門職(一般外国専業人材(一般の外国籍専門人員))の来台「求職ビザ」の資格:
2021年改正: 修士以上の学位もしくは世界のトップ大学から卒業し、専門的・技術的な仕事を従事するた場合、法的制限を除き、2年の就業経験は必要としない(世界の主要大学の卒業生が来台し就労する場合、実務経験2年を免除)。 公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され、永久居留証(永住権)を取得する者およびその家族呼び寄せは、労働許可証を申請する必要はない。(公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され者、外国籍専門人材およびその家族が永久居留権を取得した場合、労働許可の申請免除。) |
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| 申請窓口 | 同右。 | 政府は国家レベルの人材誘致プラットホームとして「Contact Taiwan」と単一窓口開設した。外国の専門分野の人材はこれらのプラットホームを通じて台湾での就労を申請することができ、利便性が高まったほか、手続きも簡素化された。
A:ワンストップ型の申請プラットフォームを設置する。 内政部(日本の総務省に相当)は既に「外国専業人材申辦窓口平台(外国籍専門人員申請窓口プラットフォーム」)を設置し、「外国特定専業人材(外国籍で特定の専門人員)」が「就業金卡(就業ゴールドカード)」をオンライン申請できるようにしており、台湾で手続きを行う上での利便性を大きく高めている。 B:「インターネットと実体の統合、世界とのリンク」というワンストップ型の人材募集メカニズムを確実に執行するため、関連の情報は国家レベルの人材招聘ポータルサイト、「Contact Taiwan」で公開する。同時に、経済部の「招商投資服務中心(Invest Taiwan)」と連携し、専門スタッフによる人材募集とコンサルタントサービスを提供する。 |
同左。 | 行政手続きを簡素化し、中級熟練人材への転職や雇用の継続を円滑にサポートするため、労働部は2023年12月、新竹県に「外国人労働者定着プログラムのサービスセンター(移工留才久用中心)」を設立した。専用窓口を設け、雇用主にプログラムの内容や申請規定を理解させ、申請手続きに関する困難や疑問を解決する。 | |
| 永久居留権(永住権)取得条件 | 永住権即刻取得。 | 給与が月額16万ニュー台湾ドル以上(文化芸術およびスポーツ分野の人員を除いて)または台湾での総資産が500万新台湾ドルを超える(独立生計要件)、台湾在住期間が連続3年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上。
素行が善良であること(素行善良要件)。 永住が台湾国の利益になると認められること(国益適合要件)。 外国専業人材(外国人専門人員)ポイント制による永住権取得条件の優遇措置が導入される。 2021年改正: 本人の永久居留権(永住権)申請規定: 1. 永久居留権(永住権)の申請要件を每年183 日以上居留から每年「平均」183 日以上に改正。 2. 外国籍特定専門人材が永久居留権(永住権)を取得できる滞在年数を5 年から3 年に短縮。 3. 台湾において博士または修士の学位を取得した場合、永久居留権(永住権)を申請できる滞在年数を1~2年短縮可能。 家族の永久居留権(永住権)申請規定: 家族が永久居留権(永住権)を申請する場合、その要件となる滞在年数は本人に準ずる。 |
給与が月額は台湾の最低賃金の2倍以上または台湾での総資産が500万新台湾ドルを超える(独立生計要件)、台湾在住期間が連続5年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上。
素行が善良であること(素行善良要件)。 永住が台湾国の利益になると認められること(国益適合要件)。 外国専業人材(外国人専門人員)ポイント制による永住権取得条件の優遇措置が導入される。 2021年改正: 本人の永久居留権(永住権)申請規定: 1. 永久居留権(永住権)の申請要件を每年183 日以上居留から每年「平均」183 日以上に改正。 2. 台湾において博士または修士の学位を取得した場合、永久居留権(永住権)を申請できる滞在年数を1~2年短縮可能。 家族の永久居留権(永住権)申請規定: 家族が永久居留権(永住権)を申請する場合、その要件となる滞在年数は本人に準ずる。 |
2022年4月末から: 経験豊富な外国人労働者に対して、6年以上の勤続および月額最低賃金を雇用などの条件を満たす場合、ミドルスキル人材(外国人中級熟練人材=中階外籍技術人力)へ転換し雇用することができることとした。 月額最低賃金を雇用の条件(独立生計要件): 産業部門における「技術員(技術スタッフ)、助理専業人員(アシスタント専門スタッフ)、機械操作、組装人員(組立スタッフ)」:月平均の経常性給与が3万3000ニュー台湾ドル以上、または年間の給与総額が50万新台湾ドル以上に達する必要がある。社会福祉部門の「健康照顧人員(介護スタッフ)」の賃金:機構介護労働者の月平均の経常性給与が2万9000新台湾ドル以上、家庭看護労働者の月平均の給与総額が2万4000ニュー台湾ドル以上に達する必要がある。 なお、雇用主が外国人労働者の技能と居留意欲を考慮し、申請時の段階で給与を産業類では月給3.5万ニュー台湾ドル以上、施設介護(機構介護労働者)では3.1万ニュー台湾ドル以上、家庭介護(家庭看護労働者)では2.6万ニュー台湾ドル以上に引き上げれば、技能証明書の提出を免除できるようにしている。永久居留証(永住権)の申請には、ミドルスキルの実務経験(中級熟練人材へ転換し雇用すること)が満5年になった上で、毎月の給与総額が台湾の最低賃金の2倍以上、または乙級専門技能証明を取得する必要がある。 |
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| 優遇措置 |
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| 永久居留権を取得する外国人の優遇措置 |
招聘を受けていない専門人材で永久居留権(永住権)を取得している場合において、その成年子女が一定の居留要件を満たすとき、自ら労働許可を申請することが可能。(招聘を受けていない個人の芸術活動従事者および外国籍特定専門人材、外国籍上級専門人材も適用対象となる。) 公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され、永久居留証(永住権)を取得する者およびその家族呼び寄せは、労働許可証を申請する必要はない。(公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され者、外国籍専門人材およびその家族が永久居留権を取得した場合、労働許可の申請免除。) 家族の成年子女の年齢改正:配偶者、未成年の子女、心身障害者であるため生活能力がない「20歳以上の子女」および「20歳以上の子女」から「成年の子女(18歳以上)」に改正した。 |
招聘を受けていない専門人材で永久居留権(永住権)を取得している場合において、その成年子女が一定の居留要件を満たすとき、自ら労働許可を申請することが可能。(招聘を受けていない個人の芸術活動従事者および外国籍特定専門人材、外国籍上級専門人材も適用対象となる。) 公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され、永久居留証(永住権)を取得する者およびその家族呼び寄せは、労働許可証を申請する必要はない。(公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され者、外国籍専門人材およびその家族が永久居留権を取得した場合、労働許可の申請免除。) 家族の成年子女の年齢改正:配偶者、未成年の子女、心身障害者であるため生活能力がない「20歳以上の子女」および「20歳以上の子女」から「成年の子女(18歳以上)」に改正した。 |
招聘を受けていない専門人材で永久居留権(永住権)を取得している場合において、その成年子女が一定の居留要件を満たすとき、自ら労働許可を申請することが可能。(招聘を受けていない個人の芸術活動従事者および外国籍特定専門人材、外国籍上級専門人材も適用対象となる。) 公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され、永久居留証(永住権)を取得する者およびその家族呼び寄せは、労働許可証を申請する必要はない。(公私立大学および学術研究機関(機構)に雇用され者、外国籍専門人材およびその家族が永久居留権を取得した場合、労働許可の申請免除。) 家族の成年子女の年齢改正:配偶者、未成年の子女、心身障害者であるため生活能力がない「20歳以上の子女」および「20歳以上の子女」から「成年の子女(18歳以上)」に改正した。 |
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| 帰化 | 1. 台湾在住期間が連続5年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上。
2021年法改正: 台湾国籍に帰化した者の家族は、一部条文(永久居留、個人の労働許可、親族 訪問に係る停留)を準用。 2024年国籍法改正: 1.「年間183日以上合法に居留した事実を2年継続」または「5年以上合法に連続で居留」。 2. 科学技術や経済などの分野で国の利益に貢献し、中央政府の各主務機関の推薦を受けた外国高級専業人材(外国籍高度専門人員)は、元の国籍を保持したまま帰化できる。 |
台湾在住期間が連続5年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上。
2021年法改正: 台湾国籍に帰化した者の家族は、一部条文(永久居留、個人の労働許可、親族 訪問に係る停留)を準用。 |
台湾在住期間が連続5年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上。
2021年法改正: 台湾国籍に帰化した者の家族は、一部条文(永久居留、個人の労働許可、親族 訪問に係る停留)を準用。 |
台湾在住期間が連続5年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上。
2021年法改正: 台湾国籍に帰化した者の家族は、一部条文(永久居留、個人の労働許可、親族 訪問に係る停留)を準用。 |
台湾在住期間が連続5年以上、年間の平均滞在日数が毎年183日以上。
2021年法改正: 台湾国籍に帰化した者の家族は、一部条文(永久居留、個人の労働許可、親族 訪問に係る停留)を準用。 |
台湾は分流式下水道(下水道には「汚水」と「雨水」を別々の下水道管に流す)を採用し、2024年5月における台湾の汚水処理人口普及率(汚水処理区域内人口/総人口)は70.78%となっている。2024年5月における台湾の公共汚水下水道用戶接管普及率(汚水下水道接続率(公共汚水下水道已接管戶数/総戶数))は42.63%となっている[387]。また、2023年における台湾の雨水下水道(雨水を排除・処理する下水道)整備達成率は80.13%となっている[388]。


台湾住民の大部分の文化的基盤は漢民族文化である。しかし、その内容は豊富であり、ホーロー系住民は福建南部系のホーロー文化に客家系は客家文化に、外省人は出身省それぞれの文化に属し、近年は通婚などにより相互影響や融合が深まっている。なお原住民族はマレー・インドネシア文化に属しているが、これも漢人文化の影響を受けている。

台湾におけるいずれの文化においても顕著な現象として、伝統的要素が色濃く残っている点が挙げられる。社会主義化に伴う文化表現の規制、弾圧により中国大陸では廃れていった漢人の伝統民俗が今日まで数多く残存している他、タオ族を始めとする各原住民でも民族独自の文化が保持・継承され続けている。
漢民族の間では、各出自の共通概念として家族が社会組織の重要な社会単位となっており、祖先崇拝などの伝統家庭行事が現在でも重要な役割を担っている。また二十四節気を基とした旧正月や、清明節(ただし客家人の一部などは祝わない)、中秋節などの季節行事も毎年盛大に行なわれている。この他にも出身地ごとの伝統文化が存在しており、例を挙げれば福建系の伝統文化としては布袋戯(人形劇)や歌仔戯(台湾オペラ、コアヒ)などがある。また、外省人系移民が台湾に与えた文化としては、中華民国政府のイデオロギー的影響や中国各地の料理などが挙げられる。
中国以外の外来文化としては日本とアメリカの影響が大きい。日本に関しては過去に日本による統治を受けていたため温泉、演歌、日本酒、弁当、おでん、武士道などの伝統的な日本文化が残留する以外に、戦後の日台関係の中で新たに流入したカラオケ、J-POP、漫画、アニメ、テレビゲーム、ファッションも台湾で根付いており、1990年代後半には日本文化に傾倒する台湾青年層を哈日族と特に称すようになった。また古くから日本からのテレビ番組を多数放送しているため、日本人の芸能人の認知度が高い。台湾人の北海道への憧れは強く、2022年8月に行われた調査では、台湾人が最も行きたい日本の都道府県の中で、2位の東京を抑えて北海道が1位となった[389][390]。

中国大陸の廈門に由来する福建料理が混ざったものが伝統的に作られており、一般にはこれらの様式の料理を指して「台湾料理(台菜)」と呼ぶ場合が多い。
福建省出身の開拓民と同時期に台湾に渡ってきた、中国大陸の広東省北部出身の客家や湖西地方出身者の料理も今日の台湾料理根底の一部をなしていること、さらには過去約50年間に及ぶ日本の台湾統治時代の日本文化の影響や、第二次世界大戦後の中華民国政府の台北遷都に伴い中国各地から来た人々からの影響を受けたことなどが、現在の多様性に富む台湾料理の形成につながっている点なども指摘されている。食材ではカラスミや新竹地方の米粉(ビーフン)、また料理では台南地方の担仔麺などが著名であり、台湾茶と総称される独自の茶文化も存在する。
これらの台湾料理を出す料理店は、本格的な店舗を構える高級料理店だけでなく、ナイトマーケットなどに出される屋台がポピュラーな存在として親しまれており、これらの屋台を目当てに各国から観光客が訪れるほどである。
仏教、道教、一貫道の「殺生の禁止」の教えから、人口の1割程度がベジタリアン、ヴィーガンであるとされており、台湾素食[391] が知られている。


台湾の文学は、長期的な政治的、地理的な制約により中国文学の支流または辺陲文学として捉えられることが多く、その発展には大きな制約が存在した。また外部からの統治者による広義の植民地として一貫された書写系統が確立されることがなかった。その状況下で原住民の口承文学、中国古文、白話文、日本語、台湾語などによる多様な言語による台湾文学が成立することとなった。
このような多様な言語が生み出す意識形態、省籍矛盾、植民地文化などの衝突は台湾文学を根本で定義することが困難な情況を生み出している。
台湾の文学は日本統治時代の新文学、反共文学および現代主義文学をその発祥とし、1970年代以降に懐郷、郷土、政治、女性文学が登場し、2000年代に更に新しい形態が登場し台湾文学の中の重要な地位を占めるに至っている。このほか励志文学やネット文学などが多元化の潮流に合わせ発展、相互競争を繰り返しながら新しいメディアで紹介され、新しい台湾文学の一面を形成している。現在映像メディアの脅威にさらされながらも、台湾の文学は旧来の様式を基礎に新たな様式を創造し発展を続けている。
ポルノ小説の出版は女子高生に読書の啓発を与えたという出版者もいたほどポルノ小説は台湾文学界で流行っていた[393]。ポルノ小説を読むよう指定するカトリック女子学校もあった[393]。
- 本地で活躍する有名な歌手で、特に女性歌手は台湾出身者が多い。
- 日本の音楽も他国に比べると多く流通しているため、台湾でツアーを行う日本人歌手、ミュージシャンも多い。また、台湾から日本に日本人歌手やミュージシャンのコンサートを観にくる人もいる。
世界遺産は、1972年のユネスコ (UNESCO) 総会で採択された通称「世界遺産条約」に基づいて、世界遺産リストに登録された普遍的な価値を持つ遺跡のことである。しかし、中華民国は1971年に国際連合における「中国の国家」としての代表権を喪失し、以来ユネスコへの加盟を認められていないことから、中華民国政府の統治下にある台湾地区では世界遺産が一つも登録されていない。
「世界遺産条約」成立以来、永らく中華民国は国内遺産の世界遺産登録に向けた行動を起こしてこなかった。しかし、2000年中華民国総統選挙で民主進歩党の陳水扁政権が発足すると、行政院・文化建設委員会(現:文化部)は「中華民国は世界遺産条約を締結はしていないが、地球村の構成員であり、遺産を継承・保護しなければならない」との方針を打ち出し、2003年に国内で世界遺産登録の候補地を募集した。その結果、世界遺産登録の基準を満たす可能性がある遺産として12か所の遺産が選定され、現在では、将来の世界遺産登録に向けた資料作成や住民向けの講座開設等の教育活動、考古学、地理、建築などの専門家で組織する世界遺産諮問委員会の設置等の活動、およびに国際的なPRを進めている。
なお、世界遺産登録候補の内訳は、自然遺産が6か所、文化遺産が11か所、複合遺産が1か所となっている[394]。

- 文化遺産候補
- 複合遺産候補
- 世界遺産以外の文化アピール
ユネスコが主導・支援する国際的な文化選定事業は世界遺産以外にも複数ある。世界遺産同様に運営団体へ加盟できず登録・認定が困難な場合と、NGO組織が窓口を務めることで参加が実現している例もある。

記憶遺産は歴史的事象を証明する記録の保存とデジタル公開化を促進するもので、世界遺産のような条約に基づくものではなく、国家のみならず自治体や個人での申請も可能な開かれた制度だが、台湾は2010年に甲骨文字コレクションを申請したものの受理されなかった。一方で、韓国が申請を目指している従軍慰安婦に関して台湾との連携を模索しており、台湾の代行申請も視野に入れている[395]。
記憶遺産と連動するのが、国際的電子図書館事業のワールド・デジタル・ライブラリーである。台湾からも国家図書館蔵書が協賛しているが、2009年の開幕式に出席した国家図書館長らが列席を拒否された[396]。
世界遺産ほど知名度はないが、ユネスコが推進する事業に創造都市ネットワークがある。創造産業による都市振興施策で、国家ではなく都市単位での申請になることから、台北が食文化部門での登録を目指している。
ユネスコが後援するNGO活動として世界で最も美しい湾クラブがあり、澎湖諸島の澎湖湾が2014年に加盟を認められた。
やはりユネスコが後援するNGO組織国際かんがい排水委員会には台湾も加盟しており、2014年からかんがい施設遺産の選定を始めた。100年以上経過した農業用水路が対象であることから、2030年に築100年を迎える烏山頭ダムと嘉南大圳の登録が期待される。詳しくは「灌漑#灌漑の顕彰と保全」を参照。

この他、2014年に世界大都市気候先導グループが推進する気候リーダーシップ賞に台北が選ばれるなど[397]、環境分野での国際的アピールも行われている。
世界でも有数の博物館として知られる国立故宮博物院は海外での展示を推進しており、2014年には日本で初となる大がかりな展覧会が催された。また台湾南部の嘉義県にアジア文化をテーマとした国立故宮博物院南部院区 - アジア芸術文化博物館(故宮南院)が設けられ、日本の伝統工芸品についても紹介される予定である。フランス・ルーブル美術館におけるランス別館のような収蔵品分散機能に加え、アジア芸術文化という従来にはない新機軸を打ち出している。1960年代から中国で吹き荒れた文化大革命による伝統文化や文化財の破壊から歴史遺産を守る役割を果たした台湾の故宮だが(台湾島それ自体が民俗・伝統の避難保護区として機能した)、世界に向けた文化発信基地として新たな段階を迎えている。