スペースシャトル - Wikipedia
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スペースシャトル計画
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スペースシャトル
STS-120におけるディスカバリー号の発射
基本データ
運用国
アメリカ合衆国
開発者
NASA
ユナイテッド・スペース・アライアンス
サイオコール
/アライアント・テックシステム(固体燃料補助ロケット担当)
ロッキード・マーチン
(外部燃料タンク担当)
ロックウェル
ボーイング
(軌道船担当)
運用機関
NASA
使用期間
1981年
2011年
射場
ケネディ宇宙センター第39発射施設
打ち上げ数
135回(成功133回)
打ち上げ費用
15億ドル
公式ページ
NASA - Space Shuttle
物理的特徴
段数
2段
ブースター
2基
総質量
2,028
仏トン
(4,470,000
ポンド
全長
56.083
(184
フィート
直径
8.69 m (28フィート6
インチ
軌道投入能力
低軌道
24,400 kg (53,600ポンド)
静止移行軌道
3,810 kg (8,390ポンド)
テンプレートを表示
スペースシャトル
Space Shuttle
)は、かつて
アメリカ航空宇宙局
(NASA)が
1981年
から
2011年
にかけて135回打ち上げた
再使用をコンセプトに含んだ有人宇宙船
である。
もともと「再使用」というコンセプトが強調されていたが、出来上がったシステムは、軌道船(
オービター
)部分は繰り返し使用された一方、
外部燃料タンク
などは基本的には使い捨てである。
概要
編集
初飛行は
1981年
、2回目の飛行は
1982年
で、
2011年
7月の135回目の飛行を最後に退役した。
スペースシャトルは宇宙輸送システム(Space Transportation System、STS)あるいは
スペースシャトル計画
の一環としてもちいられた。STSの開発とシャトルの飛行は、基本的にアメリカの資金によって行われた。主な使用目的は、NASAのおかれた様々な政治的状況や起こしてしまったシャトルの事故も影響して、およそ10年ごとに大きく変遷してきた
が、数々の
人工衛星
宇宙探査機
の打ち上げ、
宇宙空間
における科学実験、
国際宇宙ステーション
(International Space Station、ISS)の建設などである。なおシャトルはNASAによってだけでなく、米国
国防総省
欧州宇宙機関
ドイツ
等の軌道上実験にも使用された。
シャトルは
再使用型宇宙往還機
であり、軌道船(Orbitor Vehicle、OV)、外部燃料タンク (External Tank、ET)、固体燃料補助ロケット(Solid Rocket Booster、SRB)の三つの部分によって構成されている
。ETとSRBは上昇中に切り離され、OVのみが地球周回軌道に到達する。発射時には機体は通常のロケットと同じように垂直に打ち上げられるが、軌道船は水平に滑空して帰還・着陸し、再使用のために整備された。SRBはパラシュートで海に降下し、回収船で回収されて整備した後、推進剤を再充填して再利用された。
構造・飛行等の概略
編集
飛行の概略。打ち上げ、固体燃料補助ロケット (SRB) の切り離し、外部燃料タンク (ET) の切り離し、軌道上での作業、減速、大気圏再突入、着陸 の概念図
まずシャトルの構造および打ち上げ〜着陸の概略を説明する。
通常は5名から7名の飛行士が搭乗した。なお、最も初期の頃に行われた、
STS-1
から
STS-4
の4回の試験飛行のように、機長と操縦士の2名だけでも飛行できた。
発射時のシャトルの構成は、おおまかに
オレンジ色の
外部燃料タンク
(External Tank、ET)
2本の白色で細長い
固体燃料補助ロケット
(Solid Rocket Boosters、SRB)
宇宙飛行士
と貨物を搭載する
軌道船
(Orbiter Vehicle、OV)
の三つの部分から構成されていた。なお、上記に加えて、STSのために開発された、
PAM
IUS
と呼ばれる人工衛星打上げ用の2種類の固体ロケットを用いれば、搭載物をさらに高い
軌道
に運ぶこともできた。なお、シャトルには全体でおよそ250万個もの部品が使われており、人間がこれまでに製造した中で最も複雑な機械であると言われている
(→
#構造・メカニズム・諸元
)。
シャトルは通常の
ロケット
と同じように、発射台からは
垂直
に離陸する。その際の
推力
を生むのは2本のSRBおよび、(軌道船の後部に装着している)3基の
メイン・エンジン
(Space Shuttle Main Engine、SSME)であり、SSMEの
推進剤
液体水素
液体酸素
)は外部燃料タンクから供給される。上昇の手順はおおまかに、
SRBも含めてすべてのロケットが噴射される第一段階
SRBが役目を終えSSMEだけで推進する第二段階
のふたつに分かれていて、打上げからおよそ2分後に第二段階に移り、SRBは切り離され落下、
パラシュート
で海に着水し再使用のため船で回収される。機体(OVおよびET)はその後も上昇を続け、軌道に到達するとSSMEが燃焼を停止し、ETも役目を終えて切り離される。切り離され自由落下を始めたET(巨大なオレンジ色のタンク)は通常は
大気圏に再突入
して
空気抵抗
によって消滅する。ただし、様々な用途に使用することは、構想としてはあった
軌道船はその後さらに
軌道操縦システム
(Orbital Maneuvering System、OMS)を噴射することでミッションの目標としている軌道へと向かう。軌道上での姿勢は、
姿勢制御システム
(Reaction Control System、RCS)を噴射することで制御する。
シャトルが従来の宇宙船とは際だって異なった特徴の一つに、軌道船の胴体部分のほとんどを占めるほどの大きさの貨物搭載室を備えていることと、そこに大きな観音開きのドアがついていることである。これによって、飛行士や宇宙ステーションの建設資材などを、
地球
周回
低軌道
大気圏
上層部、さらには
熱圏
などに運ぶことができた
。例えば、
ハッブル宇宙望遠鏡
のような大きなものを搭載し軌道に投入することや故障した衛星などがあれば、その軌道へ向かい、貨物室に回収して地球に持ち帰ったりすることもできた。
任務が終了すると、軌道船はOMSを
逆噴射
して速度を落とし
大気圏
再突入
した。降下している間、シャトルは大気の様々な層を通過し、主に空気抵抗を用いて機体の速度を
極超音速
状態から減速させる。大気圏下層部に到達し着陸態勢に入ると
グライダー
のように滑空飛行し、
フライ・バイ・ワイヤ
方式の操縦系統で
油圧
によって
動翼
を制御した。着陸の際には、長い
滑走路
が必要とされた。シャトルの形態は、帰還時に極
超音速
飛行および
旅客機
のような低速飛行の双方をしなければならない、という二律背反する要求を満たすために作られた妥協の産物であり、その結果として軌道船は着陸寸前には、普通の
航空機
には見られないような急激な降下(高い降下率)を経験することになる。
(→
#飛行手順の詳細
かさんだコストと危険性
編集
当初は通常のロケットより一回あたりの飛行コストを安くできるという見込みでこの計画がスタートし製造されたが、実際の運用で発生した事故(
コロンビア号空中分解事故
など)に対する安全対策により、当初の予想より保守費用が大きくなっていき、結果的に使い捨てロケットよりもコストが高くなった
(→
#甘すぎた予測と膨らんだ費用と危険性
)。
呼称の指す範囲
編集
「スペースシャトル」という言葉は、一般にはOVの単体を指していることもある。
シャトル
(往復を繰り返すもの)という表現に合致しているのは基本的にオービタ部分であるし、形状という点でも、「シャトル」という用語の源となっている
織物のシャトル
と形が類似し連想させるのはオービタ単体であるからである。ただし技術的な観点、つまり宇宙飛行システム、飛行に必要な技術的な要素、という意味では、軌道船以外にも外部燃料タンク・固体燃料補助ロケットが結合されて、はじめてシャトルは完成状態となり飛行可能となるので、NASAのエンジニアなどは三つが合体した状態を「スペースシャトル」と呼ぶ。そして、紛らわしさを避けるために「オービタ」「SRB」「ET」などの呼称を用いて呼び分けている。
完成状態にする作業は
スペースシャトル組立棟
で行われる。なお、この建物は元々はシャトルのものではなく、アポロ計画の
サターン5型ロケット
を組み立てるために作られたものである。
「スペースシャトル」という用語で、スペースシャトルをコアとした計画全体(
スペースシャトル計画
)を指して用いられていることもある。
計画・設計・製造
編集
計画の初期段階
編集
スペースシャトルの当初のコンセプト図の一部
シャトルの設計と製造は1970年代初頭に始まったが、その概念はそれより20年も前、1960年代の
アポロ計画
よりも早い段階に存在していた
。宇宙から宇宙船を水平に着陸させるという構想は
1954年
国立航空諮問委員会
(NACA)が描いていたもので
、それは後に
X-15
航空工学
実験調査機として実現することになった。NACAに対してこの提案を行ったのは、
ヴァルター・ドルンベルガー
である
1957年
、X-15をさらに発展させた
Xシリーズ
宇宙往還機
計画が提案された。宇宙飛行士
ニール・アームストロング
はX-15と
X-20
両方の
テスト・パイロット
に選抜された
10
が、X-20は計画されただけで実機が飛行することはなかった
10
X-20は実現されなかったが、同様のコンセプトを持つHL-10実験機は数年後に開発され、
1966年
1月にNASAの元へと届けられた。HLとは、「Horizontal Landing(水平着陸)」の意味である
11
1960年代半ば、
空軍
は次世代宇宙輸送システムに関する一連の極秘調査計画を行い、「一部再使用型の宇宙船こそが最も安上がりな方法だ」と判断した。彼らの提案では、使い捨て型の宇宙船とロケット(クラスI)の開発に直ちに取りかかり、それに続いて一部再使用型(クラスII)の開発を続け、最終的には完全再使用型(クラスIII)に達するべきである、とされた。
1967年
、NASA長官ジョージ・ミューラー(George Mueller)は幹部80人を集め、将来的な選択肢に関する1日間の討論会を開催した。会議では、初期の頃の空軍のX-20計画を含む様々な提案がなされた。
1968年
、NASAは地球と宇宙を往復することを目的とした「統合往還機(Integrated Launch and Re-entry Vehicle、ILRV)」の研究を開始し、同時に複数の企業に対してメイン・エンジン(SSME)の開発を競わせた。
ヒューストン
ハンツビル
にあるNASAの事務局は共同で、宇宙に貨物を運ぶだけでなく大気圏を
滑空
して地球に帰還できるような宇宙船の設計を公募した。その中の一つに、巨大なロケットと小型の軌道船によって構成されたDC-3と呼ばれた案があった
12
1969年
ニクソン
大統領
はスペースシャトル計画を進行させることを正式に決定した
13
1973年
8月、
X-24B
が飛行に成功したことにより、大気圏に再突入した宇宙船が水平に着陸するのが可能であることが証明された。
→「
スペースシャトル計画
」も参照
開発・設計
編集
1975年
に行われた模型を使用しての
風洞
試験。再突入で機体が高温の空気に包まれる状態を、
イオン
ガスを吹きつけることで再現した。
スペースシャトルは、
再使用することを目的に設計された宇宙船
としては初めてのものである。シャトルは様々な搭載物を低軌道に運び、ISS(国際宇宙ステーション)の人員を交代させることができ、軌道船は地球を周回する人工衛星その他の物体を回収し地上に持ち帰ることもできるように設計された。各軌道船は「100回の飛行もしくは10年間の使用に耐えられるように」との考えで設計されたが、後にその期間は延長された。STS(宇宙輸送システム)の設計責任者は、
マーキュリー計画
ジェミニ計画
、アポロ計画などでも宇宙船の設計を担当した
マキシム・ファゲット
英語版
である。軌道船の大きさや形状を決定する際の最も重要な要素となったのは、当時計画されていた
商業衛星
秘密衛星
の最大のサイズのものを搭載できるようにすることと、
極軌道
から一周回で離脱するという空軍の秘密計画に対応できるような飛行範囲を持っていることである。衛星を宇宙空間に配置するための高い搭載能力が欲しいという
国防総省
の要求、および再使用できる機器を持つ宇宙船を開発することによって
宇宙開発
予算を削減したいというニクソン政権の要求の双方に応えるため、
固体燃料補助ロケット
と使い捨て型の燃料タンクの併用という方式が選択された。
耐熱タイル
編集
シャトル開発でひとつの大きな壁になったのが、大気圏に再突入時の熱からオービタを守り、繰り返し使用可能な熱シールドの開発である。オービタは機体を軽量にするために、基本的に航空機と同様の
アルミニウム
で出来ているが、アルミニウムはわずか200℃程度の温度で柔らかくなってしまい、大気圏再突入時に発生する1600℃以上の熱に耐える事は出来ない。そこで、1,260℃以下の部分へ断熱材として素材に
シリカ
ガラス繊維を用いた、再使用型高温用表面耐熱材(High-temperature Reusable Surface Insulation、HRSI(黒色))と 繊維質耐火性コンポジット耐熱材(Fibrous Refractory Composite Insulation、FRCI(灰色))
14
- 体積の94%が空気という超軽量
耐熱タイル
が開発された
15
。シリカは熱を伝える速度が非常に遅いので、それを用いた耐熱タイルを用いれば機体のアルミを護ることができる。だが、まだ問題があった。機体のアルミは熱で膨張するのに対し、耐熱タイルのほうはほとんど膨張しない為、そのまま接着しては温度上昇とともに耐熱タイルは剥がれて脱落してしまう。試行錯誤が繰り返された結果、機体と耐熱タイルの間に
フェルト
をはさむ事で機体とタイルの膨張率の違いを受け止める方法が浮上した。これは特殊なフェルトではなく、カウボーイハットなどに用いられるごく普通のフェルトである。機体とフェルトと耐熱タイルの接着についても、アメリカの家庭にありふれた浴槽の防水コーキング用のゴムが接着剤として用いられた。耐熱タイルはHRSI 20,548枚とFRCI 2,945枚が、オービタの曲面を覆うため、部分ごとに形状の異なるものが
ジグソーパズル
のように機体に貼り付けられた
14
。1600℃以上が想定される部分には、強化炭素複合材(Reinforced Carbon Carbon、RCC(灰色))が開発され利用された
14
素材選択や接着方法の開発が難航した耐熱タイルは、やはりスペースシャトルの弱点のひとつとなり、繰り返される飛行で何度も脱落を経験している。安全確保のため、帰還後に毎回タイルひとつひとつの状況や履歴を記録しつつ手作業で検査・修復しなければならず、シャトルの不安要因のひとつとしてつきまとうことになった。
製造
編集
飛行可能な機体は6機製造された。1号機
エンタープライズ
は宇宙に行けるようには作られてはおらず、もっぱら滑空試験のためのみに使用された。実用化されたのは、
コロンビア
チャレンジャー
ディスカバリー
アトランティス
エンデバー
の5機である。当初はエンタープライズも進入着陸試験が終了した後に実用機として改造される予定だったが、構造試験のために製造されたSTA-099をチャレンジャー(OV-099)に改造したほうが安上がりだと判断された。チャレンジャーは
1986年
、発射から73秒後に
爆発事故
を起こして機体が失われたため、機体構造の予備品として残っていたものを集めて新たにエンデバーが製作された。コロンビアは
2003年
空中分解事故
を起こして消滅した。
シャトル5機。このうちの2機が事故で失われることになった。
甘すぎた予測と膨らんだ費用と危険性
編集
スペースシャトル計画の始まりの段階で、NASAの関係者には「一回の飛行あたり1200万ドルほどのコストで飛ばすことができる」などと主張する者もいて、そうした甘い見込みのもとに計画は進んでしまった
シャトルを繰り返し安全に飛ばすため、再使用する機体の部品は飛行のたびに徹底的な検査が行われたが、シャトルを構成する膨大な数の部品の検査にかかる費用は巨額のものとなった
エンデバーの製作にかかった費用は約17-18億
ドル
で、シャトルの一回の飛行にかかる費用は2002年の時点では約4億5,000万ドルだった。だが、コロンビアの事故以降は安全対策のコストが上昇し、2007年には1回の飛行につき約10億ドルを要するようになった
16
17
スペースシャトルには技術的な困難だけでなく、
官僚主義
に侵されたNASAという巨大組織の抱える問題も影響した。チャレンジャー号の事故は予測・回避できた可能性が高かったにもかかわらず、NASAの幹部は「
事故は起きないだろう
」と充分な対策を行わず、米国が行った宇宙飛行中の事故では初の死者を出している
。コロンビア号の事故においても、発射時の映像を確認した職員によって上昇中に剥離した断熱材がオービタに衝突した可能性が指摘されたものの、NASA幹部は提供された情報を軽視したという経緯がある
政治学
者のロジャー・A・ピールケ・Jr.(Roger A. Pielke.Jr.)は、
2008年
度初頭までにシャトル計画にかかった費用は総額で1,700億ドル(2008年度換算)ほどと算定した。これによれば打ち上げ一回あたりのコストは15億ドルということになる
18
最終的には、スペースシャトルの計135回の打ち上げで
2090
億ドル
もの費用がかかっていた
構造・メカニズム・諸元
編集
軌道船
編集
軌道船透視図
軌道船透視図
→詳細は「
オービタ
」を参照
軌道船は多くの
航空機
と似たような形状をしており、
主翼
は内側が81°、外側が45°の後退角を持った二重
デルタ翼
で、
垂直尾翼
の後退角は50°である。主翼の後端には4枚の
動翼
が取りつけられている。垂直尾翼後端には
空力ブレーキ
も兼ねた
方向舵
が設置されていて、降下と着陸の際に
高揚力装置
(フラップ)とともに作動して機体を制御する。
胴体
部分のほとんどは直径4.6
、長さ18mの貨物搭載室が占めていて、観音開きの保護ドアによって覆われている。搭載物は通常は機体が水平の状態にあるときに格納され、その後機体とともに発射台上に垂直に設置される。
無重力
の宇宙空間では、搭載物は飛行士が操縦するロボットアームや
船外活動
によって放出される。搭載物自体が持っているロケットによって、さらに高い軌道へと投入されることもある。
中央に見えるのが軌道船の3基のメイン・エンジン。その両脇にある2基の小さいロケットは軌道操縦システム。さらにその上にあるのが
垂直尾翼
機体の後端には、メイン・エンジンが三角状に配置されている。エンジンの
ノズル
は上下方向に10.5°、左右方向に8.5°傾けることが可能で、上昇中に推力の向きを変えて機体の進行方向を制御する。軌道船の機体構造は主に
アルミニウム合金
によって作られているが、エンジン部分の支持構造には
チタニウム
合金
が使用されている。
軌道船は飛行目的に応じて、軌道実験室(
スペースラブ
スペースハブ
)、搭載物をより高い軌道に投入するためのロケット(
慣性上段ロケット
(IUS)、
ペイロード・アシスト・モジュール
(PAM))、軌道滞在期間延長機器(EDO(Extended Duration Orbiter)キット)、
カナダ・アーム
など様々な追加機器を搭載することができる。
製造された機体の中で実際に宇宙に行くことができたのは、OV-099チャレンジャー号、OV-102コロンビア号、OV-103ディスカバリー号、OV-104アトランティス号、OV-105エンデバー号の5機である
19
オービタに加えられた主な機器の画像
多目的補給モジュール (注:MPLMはシャトル計画ではなくISS計画の構成品)
ガリレオ探査機
を載せたIUS
衛星を放出するPAM
軌道滞在期間延長 (EDO) 機器
スペースラブ
カナダ・アーム
外部燃料タンク
編集
→詳細は「
スペースシャトル外部燃料タンク
」を参照
外部燃料タンク(ET)の主な機能は、軌道船のメイン・エンジンに
燃料
液体水素
酸化剤
液体酸素
を供給すると同時に、2本のSRBと軌道船を接続し、全体を支える骨組みとなることである。ETはシャトルの中では唯一再使用されない部分で、飛行のたびに投棄されているが、軌道に投入して(宇宙ステーションに接続するなどして)利用することは構想としては検討されていた
20
21
固体燃料補助ロケット
編集
→詳細は「
スペースシャトル固体燃料補助ロケット
」を参照
固体燃料補助ロケット(SRB)は2基合計で発射時に必要とされる推力の83%、約1,250万
ニュートン
(1,276.8
トン
)を発生し
22
、打上げから2分後、高度約15万
フィート
(46km)に達したところで切り離され、パラシュートで海に着水して回収される
23
。外殻は厚さ13
mm
鋼鉄
でできている
24
。SRBは何度も再使用されるもので、一例を挙げれば
2009年
に試験発射された
アレスI
-Xロケットは、過去48回のシャトルの飛行で使用されたSRBの部品を寄せ集めて作られたものであり、その中には1981年の初飛行(STS-1)で使われたものも含まれていた
25
飛行制御系統
編集
シャトルはコンピュータ制御された
フライ・バイ・ワイヤ
方式の
デジタル
飛行制御システムを採用した、初期のころの機種の一つである。これは
飛行士
が操作する
操縦桿
やペダルと、機体の操縦翼面や姿勢制御システムの間に機械的なリンクや
油圧
系統などが一切存在しないということを意味する。飛行士が入力した操作は電気信号に変換され、
電線
(ワイヤ)を介して操縦装置に伝えられる。
フライ・バイ・ワイヤ方式の最大の懸念は信頼性の問題であり、シャトルのコンピューターシステムについては多くの研究開発が行われた。シャトルは
IBM
製の5台のAP-101と呼ばれる、それぞれ独立して
冗長性
を持ち、
組み込みシステム
を構成する32
ビット
汎用コンピューターを使用している。このうち4台は主飛行電子ソフトウェアシステム(Primary Avionics Software System、PASS)という特製の
ソフトウェア
で稼働し、残りの1台はこれとは別の、バックアップ飛行システム(Backup Flight System、BFS)というソフトを使用している。これらを総称して「データ処理システム(Data Processing System、DPS)」と呼ぶ
26
27
シャトル用DPS設計の到達目標は、
フェイルセーフ
を達成して信頼性を向上させることだった。DPSは、もし5台のコンピューターのうち1台が故障してもミッションを継続することができ、2台が故障しても安全に着陸できるように設計されている。
4台の汎用コンピューターは、相互に監視し合いながら稼働している。もし1台が他と違う指令を出した場合は、3台が「投票」を行い、違う指令を出している1台を機体の制御から除外する。残りの3台のうち1台がまたもや違う指令を出した場合は、残った2台が投票をしてその1台を除外する。極めて稀な場合だが、もし4台の「主張」が2対2に別れた場合は、どちらか一方のグループが無作為に選ばれる。
BFS(バックアップ飛行システム)は5台のコンピューターの中で独立して開発されたソフトで、4台のメインシステムが故障した時にのみ稼働する。BFSが開発されたのは、メインシステムは
ハードウェア
的には冗長性を持たせているものの全く同じソフトで稼働しているため、もし何らかのエラーが発生した時には4台すべてが故障してしまう可能性があるからである。埋め込み式
アビオニクス
ソフトは、一般の商用ソフトとは全く違う環境のもとで開発されている。コードラインの数は商用ソフトに比べればごく限られたもので、変更がなされることは滅多になく、広範な試験が行われ、ほんのわずかなコンピューターコードのために開発要員や試験要員も含めて多くの人員が関わっている。しかし、どんなに万全を尽くしても故障というのは常に起こりうるものであり、そのような不測の事態に備えてBFSは用意された。シャトルが退役するまでの間、実際にBFSが操縦を引き継ぐような事態が発生することは一度もなかった。
シャトルのコンピューターのソフトウェアは、
PL/I
に似たHAL/Sと呼ばれる高級
プログラミング言語
で書かれている。これはリアルタイム組み込みシステム環境のために、特別に設計されたものである。
IBM製AP-101コンピューターは、もともと1台あたり約424
KB
磁気コアメモリ
を持ち、
CPU
は毎秒40万回の計算を行うことができた。
ハードディスク
はなく、ソフトは
磁気テープ
カートリッジからロードした。
1990年
、AP-101はAP-101Sという上位機種に置きかえられた。記憶容量はこれまでの2.5倍の約1
MB
に、演算速度は3倍の毎秒120万回に向上し、さらに
記憶装置
磁気コアメモリ
からバックアップ
電池
つきの
半導体メモリ
に改良された。
1983年11月から、シャトルには
GRiD Compass
という、最初期に作られた
ラップトップパソコン
を使用していた。GRiD Compassは8,000ドル程度(1ドル240円当時で192万円と非常に高価)だったが、当時その重量や大きさに比して不釣り合いなほどの性能を発揮し
28
、NASAはその重要な顧客の一つだった
29
。なお、GRiD Compassは飛行制御系統には関係せず、シャトルの飛行軌跡を2周回分表示させるのに使用された。その後は、1993年12月のThinkPad 750C以来
30
、歴代の
IBM ThinkPad
31
(ThinkPad 755Cが使われ
32
、2002年のエンデバーでのミッションではThinkPad 760Eが
33
)用いられた。
シャトル計画の標章
機体の塗装と標章
編集
操縦室の窓と貨物搭載室ドアの間の機体側面には、軌道船の名称が書かれている。搭載室ドア後部の下側には、NASAの標章と「United States」の文字および
星条旗
が描かれている。国旗は右側主翼にももう一つある。文字に使用されている書体は
Helvetica
である
34
改良
編集
シャトルは1970年代に開発された宇宙船
35
であるため、その当時から安全面における性能や信頼性を向上させるべく多くの改良や改造が施されてきた。
STS-101の操縦席。アトランティス号で
グラスコックピット
が初めて採用された。
内部構造のほとんどは初期に設計されたものとそれほど変わってはいないが、アビオニクス(飛行用
電子機器
)は大きく変貌した。たとえばコンピューターのアップグレード(性能向上)に関して言えば、初期の頃の
アナログ
式の
メーター
類は廃止され、最新型の
エアバスA380
ボーイング777
に使われているような、
グラスコックピット
と呼ばれるフルカラーの
液晶
表示板に改められた。
HP-41C
のような
プログラム
入力可能な
電卓
も、依然として使われている。ISS(国際宇宙ステーション)の登場により、ISSに補給物資を届ける飛行でより多くの貨物をミッドデッキに搭載できるよう、内部エアロックは外部エアロックに置き換えられた。外部エアロックの上部には、ISSとのドッキングに使うロシアの
アンドロジナスドッキング機構
が使われた。
SSME(メイン・エンジン)もまた、信頼性と
出力
を向上させるべく何度も改良を施されてきた。発射時に「エンジンの出力を104%に上げる」という言い回しが存在することはその名残である。これは安全上の限界を超えてエンジンを噴射するという意味ではなく、初期のエンジン出力と比較しての値を指す。長い開発期間のうちに製造元の
ロケットダイン
社は、安全出力を当初の設計値の104%にまで向上させることができたのだが、これまでに作成した膨大な量の文書やソフトを書き直す必要を避けるため104%という言い回しが残ることとなった。SSMEの進歩の歴史は、フェーズII、ブロックI、ブロックIA、ブロックIIA、ブロックII
のような「ブロック番号」となって残されている。これらの改良によってエンジンの信頼性・メンテナンス性・性能は大きく向上し、
2001年
にはブロックIIエンジンを109%の推力にまで到達させることができた。ただし通常使用される最大推力は104%までで、106%または109%が実現されるのは緊急事態が発生して飛行が中止される時だけである。
最初の二回の飛行
STS-1
STS-2
では、外部燃料タンクが
太陽光
を吸収して内部の温度が上昇するのを防ぐため全体が白色に塗られた。しかし地上での試験で必要ないことが分かったので次回からは廃止され、その塗料の分だけ軌道に投入できる搭載量が増えることとなった
36
。他のところでは、
液体水素タンク
内部の桁のいくつかも不要なことが判明したため、軽量化のために取り除かれた。改良を施された
軽量タンク
はほとんどの飛行で使用されてきたが、STS-91からは
超軽量タンク
(SLWT)に置きかえられた。改良型の超軽量タンクにはアルミニウム/
リチウム
合金2195が使用されていて、最終型の軽量タンクに比べ3.4トンの減量に成功した。シャトルは無人では飛行できない設計になっているため、これらは実際の飛行で試してみる以外に手段がなかった。
SRB(固体燃料補助ロケット)もまた、何度も改良されてきた。代表的なところでは
チャレンジャー号爆発事故
の後、本体接合部分の密閉性を確保する
Oリング
が三重に強化された。
SRBには他にも性能や安全性を高めるためのいくつかの改良が試みられたが、実現されることはなかった。その中の一つに、より簡略かつ低コストで、安全面や性能にも格段の向上を果たしたと考えられる
発展型SRB
(Advanced Solid Rocket Booster、ASRB)があった。ASRBは1990年代半ばに宇宙ステーション計画支援のため製造が開始されたが、開発費が22億ドルにまではね上がったため中止が決定された
37
。この代替案として、搭載能力を向上させるために超軽量タンクが開発されたが、安全性は向上しなかった。空軍は独自に、分割式ではない一体成形型の軽量SRBを開発していたが、こちらもまたキャンセルされた。
1995年
、発射台上で準備作業をしていたディスカバリー号のETの発泡
断熱材
キツツキ
が穴を空けたため、発射が遅れるという事態が発生した。この時以来、NASAは発射台周辺に市販の鳥よけのための
フクロウ
の模型や風船を配置するようになった。これらは打ち上げの直前にすべて取り除かれる
38
。ET断熱材は
発泡スチロール
のようにもろい物質であるため、発射の際の衝撃や空気抵抗ではがれ落ち、軌道船を大気圏再突入の熱から保護する耐熱タイルを傷つける事故がこれまでにもたびたび発生してきた。断熱材の剥落は2003年
2月1日
に発生した
コロンビア号空中分解事故
の原因になり、その後も何度も打上げスケジュールの延期の原因になった。
人間が搭乗せず、搭載物だけを宇宙に送る無人の発射計画も1980年代以来何度も提案されてきたが、そのたびに却下された。「
シャトルC
英語版
」と呼ばれるこれらの計画は、シャトルで蓄積されてきた技術を応用し、再使用という特性を放棄することとひきかえに、大幅なコストの削減が期待できるはずだった。
最初の4回の飛行では、飛行士は離陸時と帰還時には完全密閉型の
ヘルメット
を着用し、空軍の高々度用与圧服を改良した
宇宙服
を着た。5回目の飛行からはこの与圧服は廃止され、青いワンピースのフライトスーツと部分与圧ヘルメットを着用するようになったが、チャレンジャー号事故による2年間の中断の後に再開された1988年の飛行からは、打上げ/帰還時にはあまりかさばらないように改良されたヘルメットつきのオレンジ色の部分与圧服(Launch-Entry Suit、LES)を着用するようになった。1995年からは、完全与圧式の改良型与圧服 (Advanced Crew Escape Suit、ACES)に置き換えられた。
軌道船がISSとドッキングして宇宙に滞在できる期間を延長するために、ステーション・シャトル
電力
供給システム(Station-to-Shuttle Power Transfer System、SSPTS)が導入された。SSPTSはISSが発生した電力を使用して軌道船の消耗品の消費を抑えるもので、
STS-118
から実用化された。
技術的詳細
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軌道船と
ソユーズ宇宙船
比較図(同縮尺)
主翼解剖図
軌道船諸元
39
(OV-105エンデバー号)
全長:37.237m
全幅:23.79m
全高:17.86m
空虚重量:78,000kg
40
離陸時総重量:111,000kg
最大着陸重量:100,000kg
主エンジン:ロケットダイン社製ブロックII-SSME3基。1基あたり海面推力1.752
MN
(178トン、104%推力発生時)
最大搭載量:25,060kg
貨物室寸法:4.6m×18.0m
運用高度:190〜960km(100〜520
海里
最大速度:秒速7.743km(時速27,870km、マッハ22.57相当)
軌道範囲:2,009km(1,085海里)
定員:飛行によって異なる。初期の頃は最小人員の2名で飛行したが、後の多くの飛行では5名になり、その後7名(船長、パイロット、数人の
搭乗運用技術者
、まれに
航空機関士
(フライトエンジニア))で構成するのが一般的になった。STS-61-AとSTS-71の2回の飛行では8名が搭乗した。STS-3xxと呼ばれる緊急救助飛行では、11名(4人乗りで打ち上げて、7人を移乗)を搭乗できるよう検討されていた。
外部燃料タンク諸元
(超軽量タンク)
全長:46.9m
直径:8.4m
燃料容量:2,025m
空虚重量:26,535kg
発射時重量:756,000kg
固体燃料補助ロケット諸元
全長:45.46m
41
直径:3.71m
41
空虚重量(1機あたり):68,000kg
41
発射時総重量(1機あたり):571,000kg
42
推力(発射時、海面推力):12.5MN(1,281,360kg)
22
完成型詳細
全長:56m
発射時総重量:2,000,000kg
発射時総推力:30.16MN(3,091,680kg)
飛行手順の詳細
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発射
編集
STS-79で、移動式発射台上に設置されるアトランティス号。両主翼上部に見える灰色の箱状のものは、シャトルに推進薬を充填したり電力供給などを行うための地上設備。
2004年、
ケネディ宇宙センター39番発射台
で行われた騒音抑制装置の試験の様子。発射時には、爆音で機体が損傷することを防ぐために41秒間で1,100m³の水が放出される。
発射台から上昇してゆくところ。(アトランティス号、STS-115)
打ち上げられた後に地上から見える、空中に残された白い筋(コロンビア号、STS-107)
高高度を上昇中のスペースシャトル。この写真は望遠撮影(アトランティス号、STS-27)
シャトルの発射は、すべてケネディ宇宙センターで行われる。発射時に適用される天候基準は以下のとおりである。ただし、これだけに限定されるものではない。
発射台周辺や飛行経路に一切の
降雨
があってはならない。
気温
摂氏
2℃以上37℃以下でなければならない。
高度2,400mに上昇するまでの間に機体の姿を隠してしまうような
が存在してはならない。
高度9,000mに到達するまでの間、
が発生する確率が20%を超えてはならない
43
特に
落雷
が起きる可能性がある場合には、シャトルは絶対に発射されない。航空機はしばしば雷の直撃を受けることがあるが、構造が
伝導体
であることや、
電気
的に
接地
されていないために
電流
が空気中に
放電
されることなどにより、機体が悪影響を受けることはない。これに対してシャトルは、機体構造は通常の
ジェット旅客機
と同じように伝導性のアルミニウムで作られているので内部機器が電流の影響を受けることはないが、発射時に噴射される噴煙が機体と地面をつなぐ電線の役目を果たしてしまう。このためNASAの基準では、周辺10海里以内に
積乱雲
が発生している場合には発射を行ってはならないことになっている
44
。当日は気象担当官が発射台周辺のみならず、
大西洋
を越えた緊急着陸地点やSRB(固体燃料補助ロケット)の回収点の天候なども監視し、最終的に発射を行うかどうかを判断する
43
45
。シャトルは雷に対してはまず安全だとは思われるが、
アポロ12号
が発射された時には実際に落雷で船内が一時
停電
する事故が発生したため、NASAはこの件については特に慎重になっている。
長い間、シャトルは12月31日と1月1日をまたがっては飛行できなかった。1970年代に開発されたシャトル用のソフトウェアは年越しができるようには設計されておらず、もし飛行中にそれを強行するとコンピューターをリセットしなければならなくなり、予測できないようなエラーが発生する可能性が生じるからである。NASAの技術者がこの問題を解決したのは
2007年
のことで、これによってようやくシャトルは年を越えて飛行できるようになった
46
発射当日はTマイナス9分前の最後のホールド(待機)が解除された後、いよいよ最終的な準備段階に入り、管制センターに設置された地上の打上げ管制装置(Ground Launch Sequencer、GLS)が秒読み作業を引き継ぐが、もしシャトルに搭載された機器に重大な問題が発生した場合には秒読みは自動的に停止される。発射31秒前には、「オート・シークエンス・スタート (Auto Sequence Start)」と呼ばれる作業工程によって秒読み作業がGLSからシャトルのメイン・コンピューターに引き継がれる。
発射16秒前(Tマイナス16)、騒音抑制装置が作動し、猛烈な
音響
で機体が損傷を負わないようにするために移動式発射台やSRBの火炎偏向板(フレームトレンチ)に1,100m³の水が放出されはじめる
47
発射10秒前(Tマイナス10)、SSME(メイン・エンジン)のノズル内に停滞している水素ガスを燃焼させて除去するために、ノズルの下で電気
火花
が飛ばされはじめる。エンジン周辺にこれらのガスが残っていると、点火する過程で搭載した検知機が異常を感知して、異常な加圧を招いたり爆発したりする可能性がある。この時、SSMEの
ターボ
ポンプ
が作動して燃焼室内に液体酸素や液体水素を供給しはじめる。この間、軌道船の4台のコンピューターは相互に指令を交わし、点火に必要なすべての動作を制御する。
発射6.6秒前(Tマイナス6.6)、SSMEの点火が始まる。点火指令は軌道船のGPC(汎用コンピューター)を経由して、3番エンジン(右側)、2番エンジン(左側)、1番エンジン(中央)の順に120
ミリ秒
の間隔を置いて送られる。GPCはSSMEの推力を90%にまで到達させると同時に、ノズルの向きを所定の位置に固定する
48
。エンジンに点火されると、騒音抑制装置の水が
蒸発
して大量の
水蒸気
となり、南側に向かって噴出される。3基のSSMEの推力はそれから3秒以内に100%に達しなければならず、もしそれが実現しなかった場合はGPCがエンジンを緊急停止させる。逆に正常に推力が発生されていることが確認されれば、SRBを発射台に固定している8本の
爆発ボルト
が吹き飛ばされ、SRBに点火される。この時間こそが「Tマイナス0」と規定されている発射の瞬間であり、この直後に機体は上昇を開始する。そしてSRBは、いったん点火されたら燃料をすべて消費するまで燃焼を停止することはできない
49
。SRBの排気ガスは北側に向かって掘られた火炎坑に沿って
音速
に近い速度で噴出され、しばしば
衝撃波
を発生させる原因となる。GPCは、4台の汎用コンピューターに設定された「発射手順制御装置(Master Events Controller)」と呼ばれるプログラムを介して点火の手順を実行する。上昇中に様々な異常事態が発生したときの緊急対応手順(中止方法)は、広範囲なものが用意されている。その大部分を占めるのは最も複雑で大きな負荷がかかるSSMEに関するもので、SRBが原因でチャレンジャー号爆発事故が発生した後には、緊急対応手順はより拡充されたものになった。
SSMEに点火されSRBが発射台から解放されるまでの間、機体はエンジンの推力によって機首下げの方向にわずかに(操縦席付近で約2m)傾く。この運動は、NASAの隠語で「うなずき(nod)」あるいは「はじき(twang)」などと呼ばれている。その後機体は約6秒かけてまた元の位置に揺れ戻ってきて、完全に垂直になった瞬間にSRBに点火されて上昇を開始する。
発射整備塔を離れた直後、シャトルは予定軌道に対応するため
ロール
運動と
ピッチ
運動を開始し、ETとSRBが上になった裏返しの姿勢になる。機体はゆるやかな弧を描きながら上昇し、燃料はどんどん消費されて重量が軽くなっていくため、
加速度
は徐々に増加していく。発射直後の加速度は1.2
で、SRBが切り離される直前は2.5Gに増大し、SRB切り離し直後はいったん0.9Gに落ち、その後SSMEが燃焼を停止する直前には3Gにまで達する。地球周回軌道に乗るためには垂直方向よりもむしろ水平方向への加速がより多く必要とされるが、機体が視界から消える前はほぼ垂直に上昇していくため、水平方向への運動はほとんど確認することはできない。ISSが周回している高度380km付近での
周回速度
は秒速7.68km、時速27,650kmで、地表付近では
マッハ
23に相当する。ISSは
赤道
に対して51.6°の
傾斜角
をもって地球を周回しているので、シャトルが
ランデブー
をするためにはその角度に合わせる必要がある。
速度マッハ2.46、高度約20,000mに達した頃の機体表面の圧力図。気圧が低い部分から高くなるに従って青から赤へと色分けされている。灰色は機体をとりまく空気の密度を表している。「オーバーフロー (Overflow)」というソフトを使用して作成。
マックスQ
付近では、機体の、特に主翼などの弱い部分にかかる空気力学的圧力を抑えるため一時的にSSMEの推力が65%にまで絞られる。その前後では、空気の急激な圧縮と断熱膨張によりベイパーコーン (vapor cone)や
プラントル・グロワートの特異点
が起こる。
発射126秒後、SRBをETにつなぎとめていたボルトが
爆薬
で切断される。SRBはブースター分離モーターを噴射して機体の後方へと押しのけられ、残った推力を偏向し180度のターンを行い燃焼を完全に終了し、真下を向いて落下する。SRBはパラシュートで海に着水して再使用のため回収されるが、シャトルはSSMEの推力でなおも上昇を続ける。この時点では、機体はSRBがなくなったことで推力と重量の比は1を下回っているため、SSMEの力だけでは地球の
重力
を振り切ることはできなくなる。しかし燃焼を続けるうちに燃料が消費されて徐々に機体が軽くなり、やがて推力:重量比は再び1を超え、最終的に軌道に到達するまで二度と1を下回ることなく加速を続ける。
機体はその後も機首をやや上に向けた姿勢で徐々に軌道を水平に近づけ、SSMEの力で加速する。発射から約5分45秒後、地上との直接通信が終了し、背面が宇宙空間に向いた姿勢になるよう機体を反転させる。地上との交信は、その後は
追跡およびデータ中継衛星
(Tracking and Data Relay Satellite、TDRS)を介して行われる。
最後の10秒間には機体は相当に軽くなっているため、飛行士に負担をかけないよう加速度が3G以下になるように推力が絞られる。
メイン・エンジンは空転すると機器を傷める可能性があるので、燃料が完全に空になる前に停止される。液体酸素は液体水素よりも前に供給が停止される。液体酸素はより過激に反応する傾向があり、停止直後の加熱した金属部分に触れると爆発するかもしれないからである。ETはエンジン停止後に爆発ボルトで切り離され、大部分は大気圏内で消滅してわずかな部品が
インド洋
または
太平洋
に落下するが、どこに落ちるかは打上げプロファイルによって変わる
39
。タンク内の配管はすべて密閉されており、圧力を解放するような装置は設けられていないため、ETは大気圏下層部で内圧によって破裂する。大気圏再突入時に表面の断熱材が焼失すると、内部に残っていた液体酸素や液体水素を熱から保護する手段がなくなるため、急膨張して爆発の大きな要因になる。このような手段によって、地上に大きな破片が落下するのを防いでいる。
ET分離直後は、軌道の
近地点
はまだ大気圏を離れてはいないので、そのままでは大気圏に再突入することになる。そのため軌道船は軌道操縦システム(Orbital Maneuvering System、OMS)を噴射し、近地点をより高い高度に設定してETと衝突するのを防止する。一部の飛行(すなわちISSミッションなど)では、打上げ能力を確保するためにOMSが、メイン・エンジンの燃焼後期に並行して使用された。投入時の軌道をこのように設定しているのは、ETを宇宙空間に放出せず大気圏内で廃棄するためと、もしOMSが点火しなかったり、何らかの理由で搭載室のドアが開かなくなるような事態が発生しても、このような軌道にしておけば自動的に地球に帰還できるから、という安全上の理由もある。
軌道上
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軌道上のチャレンジャー号(1983年)
軌道に乗ると、シャトルは様々な、しばしば相互に関連した任務をこなす。1980年代から90年代にかけては、NASAと
ヨーロッパ宇宙機関
が共同開発した宇宙実験室(Spacelab)などを含む宇宙科学計画や多種多様な衛星や科学探査機の軌道投入に使用されてきた。90年代から2000年代にかけては衛星打上げの任務は減少し、計画の焦点はもっぱら宇宙ステーションの建設に移った。ほとんどの飛行は数日から2週間程度で終了するが、軌道滞在期間延長機器(Extended Duration Orbiter)を搭載したり国際宇宙ステーションにドッキングすれば、滞在期間をさらに延長することもできる。
大気圏再突入および着陸
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情報源
をご存じの方はご提示ください。
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シャトルの
大気圏再突入
の過程では、降着装置をおろすのと、対気速度計に使う
ピトー管
(air data probe) を展開する作業以外はすべてコンピューターが自動で行うが、もし何か緊急事態が発生した場合は手動で再突入することも可能である。滑走路への進入と着陸も
自動操縦装置
に任せることはできるが、通常は手動で行われる。
再突入の作業は、まず軌道船の飛行方向を反転させ、機体後部を進行方向に向けることから始まる。その姿勢でOMSロケットを進行方向に約3分間噴射し(
逆噴射
)、軌道周回速度を322km/hほど減速する。これにより、軌道の近地点を下げて大気圏上層部に入るようにする。逆噴射の間にかかる加速度は約0.1Gである。その後軌道船は反転して機首を下げ(地球から見ればひっくり返した姿勢になっていたので機首を上げる方向(ピッチ軸を時計回り)に180度回転)、機首を進行方向に向ける。逆噴射は、着陸地点のケネディ宇宙センターから見てほぼ地球の裏側の、インド洋上空の赤道付近で行われる。
再突入時、機体表面の温度が1,500℃以上に上昇する状態を再現した
シミュレーション
画像
高度約120kmの
熱圏
下層部にさしかかる頃、機体にかかる空気抵抗が顕著になりはじめる。この時の速度はマッハ25(時速30,000km、秒速8.3km)ほどである。シャトルは40°ほどの
迎角
をとりつつ
姿勢制御システム
と動翼を併用して機体を制御し、長い航跡を引いて速度だけでなく熱も減少させながら次第に降下していく。空気抵抗が増加するにつれ、シャトルは宇宙船から次第に航空機としての性格を現すようになる。直進している間は、機体には機首を下げるかもしくは40°よりも高い迎角をとらせようとする力が働く。軌道船は途中で4回、70°以上の深い
バンク
角をとったS字飛行をする。この間迎角は40°を保ったままで、各Sターンは数分間行われる。この操作を行うことで、機体の
運動エネルギー
を上下方向ではなく左右方向に分散して減速する。このS字飛行が始まるのは熱負荷が最も強烈になる時間帯で、この間熱保護シールドは灼熱化し、加速度は最大となる。最後のターンが終わる頃には軌道船は完全に航空機(グライダー)となっており、機首を下げて機体を水平にし、着陸施設への進入作業が開始される。
軌道船が超高速で飛行する状態をコンピューター・シミュレーションで再現した画像
エンデバー号(STS-127)帰還の動画
軌道船の最大滑空比/揚抗比は速度によって相当に変化し、極超音速域では1:1、超音速域では2:1で、滑走路への進入と着陸を行う
亜音速
域では4.5:1にまで低下する
50
。大気圏下層部では、軌道船は毎秒50m(時速180km)という高い降下率を除けば通常のグライダーのように飛行する。この高い高い降下率は、しばしば「空飛ぶレンガ」「翼の生えたレンガ」と揶揄される。速度がマッハ3程度にまで低下したところで、機体の対気速度を検出するため、胴体前方下部の左右両側に設置された対気速度測定用の
ピトー管
が展開される。
着陸直前、一般の
航空機
と同じように
降着装置
をおろす
アトランティス号
高度3,000m、滑走路端まで12kmに達したところで、進入および着陸操作が開始される。飛行士は
空力ブレーキ
を作動させ、機体の速度を682km/hから着陸速度の346km/hにまで減速させる(一般的なジェット旅客機の着陸速度は260km/h程度である)。機体のノーズは滑走路手前ギリギリまでノーズダウンの状態であるが、着陸寸前でノーズアップの状態とされ機体下面の空気抵抗を利用してさらに減速が行われる。430km/hで
降着装置
がおろされ、343km/hあたりで
タイヤ
が接地し着陸する。シャトルは通常航空機に対して重く、着陸時のタイヤへの加重は過酷で、ボーイング747の2-3倍の63.6トンにもなる。タイヤは16層構造で1本4000ドルで6回まで再使用できるが、実際は使い捨てである。空力ブレーキの作動を補助するために、後輪または前輪が接地したところで直径12mのドラグシュートが展開されるが、どちらの段階で開くかはシュートの展開モードの選定によって変わる。ドラグシュートは機体が110km/h以下になった段階で投棄される。
着陸後は、機体の表面温度が下がるまで数分間待ち、有毒な水素や
ヒドラジン
四酸化二窒素
(姿勢制御システムや3台ある
補助動力装置
の燃料として使用される)、アンモニアが機体周囲から検出されないかを確認し終えるまで、軌道船は滑走路上で停止したままにされる。支援車両によってパージとベント用の配管が軌道船の燃料配管と貨物室への配管に取り付けられ、着陸後約45-60分かけて有害なガスが除去される。
以上の着陸行程は、基本的にグライダーとして動作するために、やり直しが行えない。そのため着陸地点の天候は厳重にチェックされ、気象予報によっては他の着陸ポイントに変更される。機体は航空機としては非常に重量があるため、通常の飛行場の滑走路では耐えられず、特別に強化された路面をもつ飛行場が選ばれた。通常は
NASAシャトル着陸施設
の長さ5.2kmの滑走路が主に使用されるが、
カリフォルニア州
エドワーズ空軍基地
も使用された。この他世界各地に予備の着陸地点が指定され、日本では
嘉手納飛行場
がその一つであった。
上記のような操縦特性とアプローチに習熟するため、NASAでは
ガルフストリーム II
を改造した
シャトル訓練機
での訓練を行っていた。
タイヤが接地する瞬間、摩擦で煙があがっているところ(ディスカバリー、
STS-95
着陸(ケネディ宇宙センター、コロンビア、STS-73)
着陸直後、減速のためにドラグシュート(後方の
パラシュート
状のもの)を展開する(エンデバー号)
停止後、乗降用のタラップが寄せられたところ。(ディスカバリー号)
シャトル訓練機
着陸施設
編集
シャトルの着陸は、初期は
カリフォルニア州
エドワーズ空軍基地
に、ケネディ宇宙センターの滑走路が整備された後は基本的にはケネディ宇宙センターで行われることが多かった。ケネディ宇宙センターの天候が不順な場合は回復するまで宇宙で待機したり、あるいは
エドワーズ空軍基地
やその他世界中に配置された代替基地に着陸することもできた。
アセンション島空軍基地
のように他国と共同運用する代替基地では、協定に基づき滑走路の整備はアメリカが行っている。ケネディ以外の施設に着陸するということは、その後に
シャトル輸送機
ケープ・カナベラル
まで運ばれて来なければならないことを意味した。代替着陸基地は3000m級の滑走路を有しているが、ホワイト・サンズ空軍基地のように整備が不十分な場所もあった。STS-3ではコロンビア号が
ニューメキシコ州
のホワイト・サンズ空軍基地に着陸したが、この滑走路は当時はまだ整備が行き届いておらず、細かい砂が機体に入り込んでその後の整備に支障を来し、シャトルを空輸するためのクレーン設備も準備する必要があるなど問題があった。結局、同基地に着陸したのはこの1回だけである。
代替着陸施設は多数あるが、エドワーズ空軍基地とホワイト・サンズ空軍基地以外は使用されることはなかった
51
52
。エドワーズ空軍基地についても、シャトルの大陸横断に掛かる多額のコストのため近年はできるだけ利用しない方針が採られており、日本人最後の乗務となった
STS-131
の着陸時にも一時は使用が決定していたが
53
、最終的にはケネディ宇宙センターへの着陸となった。
ボーイング747
シャトル輸送機
で運ばれるアトランティス号。1988年 (NASA)
シャトル輸送機で運ばれるエンデバー号
飛行記録
編集
→詳細は「
スペースシャトルのミッション一覧
」を参照
主なシャトルの飛行記録は以下のとおりである。
1977年
、シャトル計画の一環である進入着陸試験で、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地の
ドライデン飛行研究センター
に向けて初飛行するエンタープライズ号 (OV-101)
スペースシャトル主飛行記録
日時
軌道船
主なできごと/注記
1977年
2月18日
エンタープライズ
シャトル輸送機に搭載されての初飛行
1977年
8月12日
エンタープライズ
初の単独滑空飛行。ロジャース乾湖に着陸。
1977年
10月12日
エンタープライズ
三度目の飛行。尾部保護カバーを取り除いての初飛行。ロジャース乾湖に着陸。
1977年
10月26日
エンタープライズ
エンタープライズ
最後の滑空試験。エドワーズ空軍基地のコンクリート滑走路への初着陸。
1981年
4月12日
コロンビア
宇宙空間への初飛行 (
STS-1
1982年
11月11日
コロンビア
4名の飛行士を搭乗させての初の実用飛行 (STS-5)
1983年
4月4日
チャレンジャー
チャレンジャー
初飛行 (
STS-6
1984年
8月30日
ディスカバリー
ディスカバリー
初飛行 (STS-41-D)
1985年
10月3日
アトランティス
アトランティス
初飛行 (STS-51-J)
1986年
1月28日
チャレンジャー
発射73秒後に機体が爆発 (
チャレンジャー号爆発事故
) (
STS-51-L
)。7名の飛行士全員が死亡。
1988年
9月29日
ディスカバリー
チャレンジャー号事故後の初の再開飛行 (
STS-26
1989年
5月4日
アトランティス
シャトルを使用しての初の
探査機
発射(
マゼラン
、STS-30)
1990年
4月24日
ディスカバリー
ハッブル宇宙望遠鏡
発射 (
STS-31
1992年
5月7日
エンデバー
エンデバー
初飛行 (STS-49)
1996年
11月19日
コロンビア
17日間と15時間にわたるシャトルの最長宇宙滞在記録 (STS-80)
2000年
10月11日
ディスカバリー
シャトル100回目の飛行 (
STS-92
2003年
2月1日
コロンビア
大気圏再突入時に空中分解
STS-107
)。7名の飛行士全員が死亡。
2005年
7月25日
ディスカバリー
コロンビア号事故後の初の再開飛行 (
STS-114
2010年
2月8日
エンデバー
最後の夜間発射 (
STS-130
2010年
5月14日
アトランティス
アトランティス
号の計画上での最後の飛行 (
STS-132
)(後にSTS-135が追加され、それが最後の飛行になった)
2011年
2月24日
ディスカバリー
ディスカバリー
最後の飛行 (
STS-133
2011年
4月29日
エンデバー
エンデバー
最後の飛行 (
STS-134
2011年
7月8日
アトランティス
アトランティス
および
スペースシャトル計画
最後の飛行 (
STS-135
54
出典:NASA打上げマニフェスト
55
、NASAスペースシャトル公文書記録
56
事故
編集
→詳細は「
チャレンジャー号爆発事故
」および「
コロンビア号空中分解事故
」を参照
1986年1月28日、スペースシャトル
チャレンジャー号
が発射から73秒後に右側のSRBのOリングの故障が原因で空中分解し、搭乗していた7名の飛行士全員が犠牲になった。機体の最重要機器の一つであるOリングが、異常寒波が原因の低温により損傷した。現場の技術者は再三にわたり12℃以下の気温でのOリングの安全性は保証できないと警告したが、NASAの幹部はこれを無視した
57
2003年2月1日、スペースシャトル
コロンビア号
が発射の際に主翼前縁の
強化カーボン・カーボン
断熱材が損傷したことにより、大気圏再突入時に空中分解した。地上管制室の技術者たちは損傷の広がりをより明確に把握できるよう、国防総省に対して三回にわたって高
解像度
の写真を撮影するよう要求し、NASAの熱保護システムの技術主任は
コロンビア
に搭乗している飛行士たちに耐熱タイルのダメージを調査させるべく船外活動の許可を求めた。NASAの幹部は国防総省の支援の動きに介入してこれを停止させ、船外活動の要求も拒否した
58
。その結果、飛行士が自ら修理に赴くことや、発射準備作業中だった
アトランティス
で救援に向かうことの実現性は、ついにNASA幹部によって考慮されることはなかった
59
退役
編集
2011年
7月8日
(日本時間9日未明)に打ち上げられた
アトランティス
STS-135
をもって、30年あまりに及んだスペースシャトル計画を終了した
60
。当初の予定では2011年2月26日の打ち上げが最後になる予定だったが、後に追加予算が認められて、非常時の救援ミッションのために待機していたアトランティスをISSの補給ミッションに転用する形で同年7月の打ち上げが認められた
61
シャトル退役による宇宙開発計画の間隙を埋めるべく、飛行士や搭載物をISSに運ぶだけでなく、地球を離れて
火星
まで到達できるような宇宙船が現在
いつから?
開発中である
62
。当初「有人開発船(Crew Exploration Vehicle)」と呼ばれていた計画概念は、その後
オリオン宇宙船
コンステレーション計画
へと発展した。しかし2010年に
オバマ
政権はコンステレーション計画の予算を打ち切り、今後は低軌道への衛星発射の事業は民間企業に委託することを提案した
63
。次世代の宇宙船が登場するまでは、飛行士がISSに到達しまた帰還するためには
ロシア連邦
のソユーズ宇宙船か、または開発中のアメリカの民間商用宇宙船に頼る以外に手段がなくなる。
オバマ大統領
の提案は
アメリカ合衆国議会
によって承認されたが、次の宇宙船が開発されるまでの5年間にシャトルを延長して使用する可能性を含む対抗案も
2010年
に議会で検討された
64
。しかし結局、シャトルの退役計画は覆されなかった。
退役後は、ディスカバリーは
スミソニアン博物館
国立航空宇宙博物館
別館、アトランティスはケネディ宇宙センターの見学者用施設、エンデバーはロサンゼルスのカリフォルニア科学センターにそれぞれ展示される。国立航空宇宙博物館別館に展示中のエンタープライズは、同館にディスカバリーが展示されることに伴い、ニューヨークの
イントレピッド海上航空宇宙博物館
に移されることになっている
65
。2010年4月、
タイム
紙は「2010年に最も影響を与えなかった人々」のリストの中にスペースシャトルを挙げ、その理由を「シャトルは従来のロケットのように格好良くないから」とした
66
民間商用宇宙船への交代
編集
2008年
12月23日、NASAはISSへの物資補給を民間に委ねる
商業軌道輸送サービス
(COTS)に関する契約を、
スペースX
社および
オービタル・サイエンシズ
社と取り交わしたことを発表した
67
。スペースXは
2012年
ファルコン9ロケット
ドラゴン宇宙船
68
、オービタル・サイエンシズは
2013年
アンタレスロケット
シグナス宇宙船
を打ち上げ、スペースシャトルに代わってISSへの無人補給ミッションを果たした。
NASAは次いでISSへの有人飛行も民間に委ねるべく
商業乗員輸送開発
(CCDev)計画を開始し、
2014年
にスペースXの
ドラゴン2宇宙船
ボーイング
CST-100宇宙船
を選定した。しかし、有人宇宙船の開発はたびたび遅延を繰り返し、民間によるISSへの有人飛行が実現したのは、スペースシャトル退役から9年後の
2020年
5月の事であった。
シャトル訓練機
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C-11A シャトル訓練機(N947NA)
シャトル訓練機のコックピット。左席に訓練生が座る
シャトル訓練機
(STA)はシャトルの着陸訓練に使用された
アメリカ航空宇宙局
練習機
である。
グラマン ガルフストリーム II
をベースに4機が改造された。操縦特性が着陸進入時のオービタの挙動と合致するようになっており模擬的に着陸訓練を行うことが出来た。
開発
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外観は飛行訓練中の高い空気力学的荷重に耐えられるように改造されていた。操縦室の左席がオービタの制御と視界を忠実に再現していた。通常の飛行は右席のみで可能となっており、訓練空域までの移動などはこちらで操縦する。
運用の歴史
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4機のSTAが通常はテキサス州
エルパソ
で飛行訓練を行い、
ヒューストン
で整備を行った
69
。STAは同様にフロリダ州のケネディ宇宙センターでも使用された。
機体
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N944NA(sn144)
N945NA(sn118)
N946NA(sn146)
N947NA(sn147)
その他の用途
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機体後部には数名分の座席が設置されており
T-38
が使用できない・人数が多い場合(T-38は2名)に、STAはジョンソン宇宙センターとケネディ宇宙センター間の乗員輸送に使用された。
ギャラリー
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2009年
、2機のシャトルが発射台で待機する様子。この状況は
STS-125
(アトランティス号)が
ハッブル宇宙望遠鏡
の修理のみに使用され、ISSの緊急救助用の機体を別に待機させておかなければならなくなったために生じた。
2001年、夕方に発射されたアトランティスの写真。太陽がカメラの後方にあるため、排煙の影が月と交差している。
架空のシャトル一覧
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映画『
007 ムーンレイカー
』(1979年)より、ムーンレイカー号。
映画『
スペースバンパイア
』(1985年)より、チャーチル号。
テレビドラマ『
NASA〜未来から落ちてきた男〜
』(1991年)より、フロンティア号。
映画『
アルマゲドン
』(1998年)より、インディペンデンス号、フリーダム号。
映画『
ゼロ・グラビティ
』(2014年)より、エクスプローラー号。
映画『
シャークネード エクストリーム・ミッション
』(2015年)より、インディペンデンス号。
シャトル派生型打ち上げ機
編集
→詳細は「
シャトル派生型ロケット
」を参照
サターン V
, スペースシャトル, アレス I, アレス V, と アレス IV.の比較
シャトル派生型打ち上げ機
Shuttle-Derived Launch Vehicle
)または単純に
シャトル派生機
Shuttle-Derived Vehicle、SDV
)は、
スペースシャトル計画
で開発された技術を基にしたロケットで幅広い機種がこれまで提案されてきた。しかし
2022年
に後述の
スペース・ローンチ・システム
が唯一打ち上げを果たした一方、それ以外の多くの案は実用化には至っていない。
1980年代
末から
1990年代
初頭にNASAは公式に貨物専用のシャトル-Cを研究してきた。
概念
編集
1978年にチオコール社で提案された直列型シャトル派生機の絵
SDVの概念はシャトル自体が飛行を開始した当時から提案された。SDVの概念には以下を含む:
有翼のオービタを無人化された使い捨ての貨物ポッドに交換する("側面搭載型" SDV)
オービタを取り除いて外部燃料タンクの上部に上段と貨物部を備える("直列型" SDV)
かさばる貨物を打ち上げる為に大型の貨物コンテナを外部燃料タンクの後部に備える(後部貨物輸送機)
固体燃料補助ロケット(SRB)を回収用有翼"フライバック"液体燃料補助ロケットに換装する。
1本かそれ以上の本数の固体燃料補助ロケットに新開発の上段を開発して載せる。
耐用回数の末期のオービタから主翼を除いてスペースシャトルの外部燃料タンクを軌道上に投入して組み合わせて宇宙ステーションとして利用する。
2005年
に明らかに前例のない1本の固体燃料ロケット(後に大幅に改良された"延長型"SRB)と新開発の2段目を使用する
アレスI
が発表された。
これらの案に共通するのは既存のスペースシャトルの構成要素を流用する事で開発費を抑え、より廉価に新型の重量物を軌道に投入する能力を持つ打ち上げシステムを開発しようという意図である。しかし、実際には個々の構成要素は新しい目的別には最適化されておらず、従来の構造体を流用する事によって補強が必要になるなど構造重量の増加の一因ともなり、最適化の障害となっている。有人飛行用としての高度な安全性を備え、再利用を前提としたシステムを使い捨てとして使用しようとした場合、過剰な安全装置等が貨物打ち上げには不要である場合も多い。その為、結局、新技術を盛り込んで最適化された構造の完全新規開発の機体と比較して無駄が多い事は否めず、生産、運用の過程で高くつく可能性が指摘されている。
シャトルC
編集
→詳細は「
シャトルC
英語版
」を参照
シャトルCの夜間打ち上げの想像図
シャトルC
アメリカ航空宇宙局
が提案したスペースシャトルの構成要素を流用した無人貨物打ち上げロケットである。
外部燃料タンク
(ET)と
固体燃料補助ロケット
(SRB)と
メイン・エンジン
を備えた貨物用モジュールを組み合わせて使用される予定だった。複数のシャトルCの概念が1984年から1995年にかけて提案された
70
シャトルCの概念は理論的にはシャトル計画で開発された再利用技術によって重量物打ち上げロケットの開発費を減らす事が期待された。提案は複数回行われ、いずれも既存のシャトルの構造体や使用回数限度の迫ったメイン・エンジンや航法コンピュータを流用するというものだった。中にはコロンビア号やエンタープライズ号を1回限りの貨物打ち上げ機として使用する案もあった。チャレンジャー号の事故の前にNASAは年間14回の打ち上げを期待していた。チャレンジャー号の事故の後にはこの打ち上げ頻度は複数の理由により非現実的である事が明らかになった
71
。シャトルCは無人であるので高い打ち上げ頻度でも整備費が安く安全性に関する要求水準が低いと考えられた
72
73
2段階の開発が計画された。第一段階として貨物輸送機の形状と大きさが検討された。NASAによる研究は小型だが最も打ち上げ効率の良い機能的な輸送機を示した。
1990年代
初頭、NASAの技術者は火星探査用の宇宙船を組み立てる為に地球周回軌道へ80トンの使い捨ての6機のセグメントを打ち上げる為にシャトルCの設計を含む有人火星飛行計画を立案した。代替案は4機の
サターンV
を使用する案だった。ブッシュ大統領が2010年にスペースシャトルの運用を終了すると発表した後、これらの提案された仕様は検討対象から外された。
DIRECT
編集
→詳細は「
DIRECT & Jupiter Rocket Family
英語版
」を参照
DIRECT
はNASAの
ビジョン・フォー・スペース・エクスプロレーション
で提案された
アレスI
アレスV
の代替案として提案された。元のシャトル派生打ち上げ機では"ジュピター"と称され、より野心的な"プロジェクト2"で重量物打ち上げロケットの
レビタリアン
、軌道周回支援ステーション
オリンピア
ガロン
重量貨物宇宙船、宇宙ステーション
アルゴ
ヘリオス
と乗員貨物船
アルテミス
から構成され2011年に打ち上げる計画だった。
2008年9月
update
, DIRECTチームは69人のメンバーで構成されるとされ、
74
NASAの技術者、
コンステレーション計画
でNASAと契約した技術者とマネージャー62人から構成され、グループの刊行物によると少数のNASAには属さないメンバーもいる。
計画の名称である"DIRECT"は
スペースシャトル計画
のハードウェアと施設を"直接"移行する事によって最大限流用する哲学に由来する。
DIRECTには三つの派生機種があり2009年5月に最新の3.0版が発表された。2009年6月17日にワシントンDCで開催された有人宇宙飛行計画委員会の公聴会で明らかになった
75
10月11日
2010年のNASAの権限法
(S. 3729)へのオバマ大統領による調印によってスペース・ローンチ・システムが義務化され、DIRECTチームは彼らの努力の成功を宣言した。彼らは新しい宇宙技術企業である: C-Star エアロスペース, LLC.へ組織変更した
76
77
スペース・ローンチ・システム
編集
→詳細は「
スペース・ローンチ・システム
」を参照
2011年2月のNASAのスペース・ローンチ・システム (SLS) の仕様
スペース・ローンチ・システム
または
SLS
はNASAが
コンステレーション計画
の中止に伴いスペースシャトルの代替として開発するシャトル派生型打ち上げシステムの一種である。
2010年NASA権限法
によって
アレスI
アレスV
の機体設計を乗員と貨物輸送の両方に使用できる単体のロケットに一本化する構想である。より強力な機種に更新された。当初の打ち上げ能力は上段を除いたコアのみで構成され低軌道へ70から100トンの投入能力を備える。更に地球離脱段を上段に加えることで130トン以上の打ち上げ能力を獲得する見込みである
78
79
スペースシャトルのコンポーネントを流用することで開発期間を短縮してコストを削減する計画だったが、実際には開発は大幅に遅延しコストも増大した。
2022年
11月に初打ち上げに成功した。
ジュピター
編集
ジュピターの共通コアステージの流用計画
→詳細は「
DIRECT & Jupiter Rocket Family
英語版
」を参照
ジュピター
シリーズは
2000年代
後半に提案されたスペースシャトル派生ロケットの一つである。NASAがコンステレーション計画のために開発していたアレスIとアレスVの代替として企図された。出来るだけスペースシャトルの構成要素や施設を流用する事が予定されていた。
注記(出典および脚注)
編集
地球ドラマチック「さようならスペースシャトル 〜栄光と挫折の30年〜 」前編および後編。イギリスの放送局の制作した番組。日本ではNHKによる放送、前編2012年1月21日および後編1月28日(再放送、1月30日および2月6日)。
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参考文献
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NSTS 1988 Reference manual
How The Space Shuttle Works
NASA Space Shuttle News Reference - 1981 (PDF document)
Orbiter Vehicles
Lecture Series on the space shuttle
from MIT OpenCourseWare
関連項目
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用語
有人宇宙飛行
大気圏再突入
リフティングボディ
オービタ
再使用型宇宙往還機
単段式宇宙往還機
その他の再利用型宇宙往還機
ブラン
プチーチュカ
2.01
2.02
2.03
X-20 Dyna-Soar
(1957-1963)
ホッパー
エルメス
(1975-1992)
HOPE
クリーペル
X-33
(1995-2001)
スカイロン
外部リンク
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ウィキメディア・コモンズには、
スペースシャトル
に関連する
メディア
および
カテゴリ
があります。
ウィキメディア・コモンズには、
着陸時の写真
に関連するカテゴリがあります。
NASA - Space Shuttle
ウェイバックマシン
(2008年1月8日アーカイブ分)
(英語)
NASA - Human Space Flight Web Gallery
(英語)
JAXA - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - スペースシャトル
NASA
スペースシャトル
(STS)
中心項目
スペースシャトル
スペースシャトル計画
ミッション一覧
構成要素
オービター (OV)
固体燃料補助ロケット (SRB)
外部燃料タンク (ET)
メインエンジン (SSME)
軌道操縦システム (OMS)
姿勢制御システム (RCS)
熱防護システム (TPS)
ブースター分離モータ (BSM)
英語版
オービター
エンタープライズ
コロンビア
チャレンジャー
ディスカバリー
アトランティス
エンデバー
オービター拡張機能
スペースラブ
(ESA)
SRMS
OBSS
EDO
英語版
遠隔操縦オービタ
スペースハブ
英語版
多目的補給モジュール (MPLM)
クルー
コマンダー
パイロット
ミッションスペシャリスト
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ゲットアウェイスペシャル (GAS)
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英語版
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シャトル-C
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アレス
HLLV
英語版
スペース・ローンチ・システム(SLS)
宇宙服
船外活動ユニット
シャトル射出脱出服
英語版
船内与圧服
英語版
高度乗員脱出服
英語版
関連項目
スペースシャトル設計の歴史
英語版
インディペンデンス
(模型)
慣性上段ロケット(IUS)
ペイロード・アシスト・モジュール(PAM)
国際宇宙ステーション (ISS)
Terra-3
スペースシャトルの退役
英語版
その他
スペースシャトル計画への批判
英語版
スペースシャトル
アメリカ合衆国
スペースシャトル計画
ソビエト連邦
ブラン計画
エンタープライズ
(OV-101、滑空実験機、退役)
パスファインダー
(OV-098、地上実験機)
コロンビア
(OV-102、
2003年空中分解
チャレンジャー
(OV-099、
1986年爆発
ディスカバリー
(OV-103、退役)
アトランティス
(OV-104、退役)
エンデバー
(OV-105、退役)
OK-GLI
(ブランアナログBST-02、試験機)
ブラン
(シャトル1.01、2002年全壊)
プチーチュカ
(シャトル1.02、95–97%完成)
バイカル
(シャトル2.01、未完成)
2.02
(部分的解体)
2.03
(解体)
アメリカ合衆国
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アトラスV
RS1
英語版
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アンタレス
ヴァルカン
SLS
ファルコン9ブロック5
ファルコンヘビー
ペガサス
ミノタウロス
IV
ニューグレン
計画
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アンタレス330
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MLV
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II
アトラス
II
III
アジェナ
セントール
英語版
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サターン
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ジュノーII
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SPARK
スパルタ
スペースシャトル
ソー
エイブル
アジェナ
デルタ
ソラド-アジェナ
タイタン
II GLV
IIIA
IIIB
英語版
IIIC
英語版
IIID
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IIIE
英語版
34D
23G
CT-3
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IV
テラン1
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デルタ
II
III
IV
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ニューグレン
ニュートロン
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